
生鮮
高たんぱく低糖質なエキゾチックミートへの関心高まる
健康志向の高まりに伴い、大豆を使用した代替肉の台頭やヘルシー肉の需要が高まっています。コロナ禍におけるおうちごはんの増加もヘルシー肉の伸長に一役買っているようです。約400種類もの肉を販売する、肉の通販会社「ミートガイ」にお話をうかがいました。
お話をうかがった方
ミートガイ
代表取締役
中島 敏彦 氏
EC黎明期から輸入肉を展開「ミートガイ」
― ミートガイの事業参入の背景について教えてください。
私たちは1997年に創業し、肉の通販会社として事業を展開してきました。アメリカ人の前オーナーの実家が、牧場を運営しており、アメリカンビーフ、グラスフェッドビーフなどを主力商品としてEC事業を立ち上げました。
当時は、まだEC黎明期でしたが、アメリカンビーフのみならず、オージービーフやニュージーランドのラム肉など徐々に取り扱い商品数を増やしていき、現在は自社工場で加工した商品も含めて400種類ほど取り揃えています。また、個人のお客様のみならず、レストランやホテル、インターナショナルスクールなどへの卸しも展開しています。
― グラスフェッドビーフなどの輸入肉は、どのような需要がありますか?
グラスフェッドビーフは牧草のみで飼育されており、穀物で飼育される和牛に比べて、高たんぱく・低脂肪です。和牛だと脂がのっているため、量を食べられないけれど、グラスフェッドビーフだと赤身肉なので胃もたれなく食べられるという声も届いています。ミートガイの消費者は30~60代の男性が過半数を占め、全体として男性のほうが比較的多い印象です。
― 多様な商品の中には、カンガルーやワニなどの変わった肉の取り扱いもありますね。
弊社では10年以上前から、カンガルーやワニ肉など、我々が「エキゾチックミート」と呼んでいる肉の輸入販売も展開しています。元々オーストラリアでは、カンガルー肉を食す文化がありますが、カンガルー肉は牛肉に近い味わいながら、高たんぱく・低脂肪・低コレステロールであることからヘルシー志向の消費者がお求めになることが多いです。
ワニのツメ肉は、鶏肉に近い味わいです。ツメの部分も一緒に販売しており、見た目もワイルドなのでBBQパーティーなどへの需要が高まっており、この3年で売上は3倍ほどに伸長しています。
ヘルシー肉やエキゾチックミート注目の背景
― ヘルシー肉やエキゾチックミートが広がりを見せる社会的背景をどのように分析していますか?
ここ10数年でフィットネスクラブが急増し、ダイエットや健康のために日常的に運動を取り入れる人が増えました。その中で糖質制限などのキーワードが登場し、筋肉の増強やダイエットのために高たんぱく・低糖質な食事に注目が集まってきています。
また、コロナ禍においておうち時間が増え、運動不足のためダイエットを始める人が増えたのもヘルシー肉の需要に一役買っています。さらに、外食が制限されていることから、自宅で食時間を楽しみたいと考える消費者が増え、いつもと趣向を変えたお取り寄せ需要も高まっているように感じます。
購入した消費者のコメントを拝見していると、ワニのツメ肉などは見た目のインパクトもあるので、BBQやパーティーなどでゲストを喜ばせる目的で購入することが多いようです。「おかげでパーティーが盛り上がりました」「子どもがとても喜んでいました」など盛り上げ役として消費されています。
― 通販のみの事業形態ですが、どのように販促活動をおこなっていますか?
グラスフェッドビーフというキーワードはすでに消費者に浸透しており、健康志向ブームの一環として日常的に取り入れる方法をメルマガやSNSで発信しています。また、ヘルシー肉を求めるアスリートやモデルさんなど、食事に気を使っている人々からの発信も広がりのきっかけとなっています。
― これからヘルシー肉はさらに広まっていくと思いますか?
食肉のEC自体は全体として増えてきており、新規事業の参入も大手を含めて出てきています。スーパーマーケットなどで日常的にヘルシー肉やジビエ、エキゾチックミートを販売するためには、大量に仕入れて大量に売らなければいけない現状があります。そのため、消費者が気軽に購入し、食卓に並ぶようになるには時間がかかりそうです。しかし、ECで提案していくことによって、肉を選ぶ際のラインナップのひとつにヘルシー肉やエキゾチックミートが加わり、食卓に広まっていくと考えています。
ミートガイでは、まだ食べたことのない肉もおいしく食べていただけるように、正しい解凍の方法やオリジナルレシピなども公式サイトで提案しています。毎日の食習慣がより楽しく充実したものになるように、ヘルシー肉やエキゾチックミートを広め続けます。
▶公式サイト:https://www.themeatguy.jp/
writing support:Yasue Chiba
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