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アメリカンバーベキューが定着化。本格的なスタイルとは
近年のアウトドア人気の高まりとともに、注目されているバーベキュー。本場のアメリカンバーベキューは、肉の種類や味付け、調理方法、スタイルなどが日本とは大きく異なり、さらに地域ごとにも違いがあるなどとても奥深い料理なのです。そんなアメリカンバーベキューについて掘り下げていきます。
アメリカンバーベキューとは
アメリカンバーベキューとは、その名の通り「アメリカ式のバーベキュー」のことです。大きな塊肉を長時間かけて調理していく料理。肉は炭火でじっくり焼くのにぴったりな大きなステーキやリブなどが主流です。
アメリカのテキサスが発祥と言われており、ネイティブアメリカンが肉を低温で長時間かけて燻製にする料理方法と融合して、現在のようなスタイルになりました。バーベキューが盛んなアメリカでは、日本と使う肉の部位や味付け、調理法、使う器具、スタイルも大きく異なっています。
アメリカンバーベキューと
日本のバーベキューの違いは?
アメリカンバーベキューの特徴
アメリカンバーベキューの特徴は、大きな塊肉、本格的なバーベキューグリル、長時間調理です。日本のようにカットした肉を手早く焼くのは「グリリング」といい、「バーベキュー」とは区別されているのです。
ホームパーティー文化があるアメリカでは、バーベキューも家庭で日常的におこなわれています。食べることはもちろん、調理している時間も楽しむという食文化のひとつでもあります。またアメリカンバーベキューはパーティーなので、招いたホストともてなすゲストがいます。そのため、バーベキューホストと呼ばれる人が調理をしてみんなに振る舞っていくというスタイルです。
アメリカンバーベキューは、定番の牛や豚に加えて、ラムやターキーなど種類もさまざま。部位はブリスケット(前脚の内側にある肩バラ肉)や骨付きリブ(あばら肉)、脂の少ない赤身の大きな塊肉をそのまま使います。それらを本格的なグリルやコンロで低温でじっくりと、焼き上げたり(ロースト)、燻製(スモーク)したりします。調理時間は数時間、長いと15時間以上ということもあるのだそう。
味付けはたっぷりのバーベキューソースやシーズニングソルト、ハニーマスタードなどを使ってしっかりと、市販のバーベキューソースの種類も豊富です。
日本のバーベキューの特徴
日本でバーベキューといえば、屋外で薄く切った肉や野菜を焼いてみんなで食べる、春~夏にかけて家族や友人との楽しむイベント的なものです。
キャンプ場や河原、バーベキュー施設などでやることが一般的です。そのため、道具は自前で用意するよりも、レンタルしたり、手ぶらでバーベキューできる施設を利用する人もいます。
薄めにカットされた焼き肉用の肉、魚介類や野菜を網焼きし、鉄板では焼きそば作ってそれを大人数で囲んで楽しみます。ちなみにこの「スライスされた肉を高温で焼く」という日本でおなじみのバーベキューは、アメリカでは ”コリアンスタイルバーベキュー”と呼ばれています。
味付けは、焼き肉のタレや塩コショウ、レモン汁が人気で、最近は市販の焼き肉のタレも種類が豊富になってきました。
日本のバーベキューも本格化、その背景とは
近年のアウトドアブームの影響でバーベキュー用品の売上は好調なことから、日本のバーベキューも少しずつ本格化しています。
コロナ禍以降、家にいながら気軽にキャンプの雰囲気を楽しめる「ベランピング」に注目が集まり、アメリカのように庭でバーベキューをするという家庭が増え、同時に本格的なバーベキューグリルを自宅用にと購入する人も増えてきました。
特に、1999年にアメリカの会員制スーパー「コストコ」が上陸し全国に店舗が拡大。それ以来、あまり馴染みのなかったポークリブやステーキ肉などの塊肉が安価で手に入るようになりました。そのため、アメリカ式の本格的なバーベキューに挑戦しやすくなったことも理由のひとつでしょう。
別の切り口では、旅のスタイルとして「グランピング」がブームとなり、豪華なバーベキューセットが提供される施設が増えてきました。SNS映えするスポットとしてメディアでも取り上げられ、さらにバーベキュー芸人といったジャンルの方が登場するなど、多くの人に本格的なバーベキュースタイルの認知度が上がってきたと言えます。
アメリカンバーベキュー具体的な料理は?
アメリカンバーベキューの三大料理と言われているのが、スペアリブ、ブリスケット、ブルドポークです。
■スペアリブ
最もポピュラーで人気の高い「spare rib」は、豚の骨付きバラ肉のこと。牛、豚、羊などの骨付き肉をソースやスパイスで味付けしてじっくり焼いてきます。
■ブリスケット
英語で「brisket」。牛の前脚の内側にある肩バラ肉のことで、しっかりと歯ごたえがあり、噛むほど旨味がたっぷり感じられる部位。特にテキサスのアメリカンバーベキューでは超定番です。
■プルドポーク
プルドポークは英語で「Pulled Pork」=引っ張った豚肉という意味。じっくりを火を通した豚肩肉を細かくほぐしてバーベキューソースで味付けした、こちらも豚肉のアメリカンバーベキューメニューでは定番です。
クックパッドのアメリカンバーベキューレシピ
アメリカンBBQ Brisket by しゃらままさん
https://cookpad.com/recipe/3308780
本場アメリカのBBQレストランで食べる味をそのまま。
簡単に再現できるレシピです。
アメリカン★簡単バーベキューチキン by Mrs♡Missyさん
https://cookpad.com/recipe/3846707
チキンをつかったアメリカンバーベキューレシピ。
クロックポットを使ってより簡単に。
BBQポークリブ(シャトルシェフ)by bunnybooさん
https://cookpad.com/recipe/1918643
本格的な骨付きポークリブ。
あらかじめ火を通した肉を焼くので、誰でも失敗なくできます。
アメリカンバーベキューを
日本で手軽に体験できるお店は?
■ディッキーズバーベキューピット
アメリカで550店舗以上を誇る世界最大級のバーベキューブランド「ディッキーズバーベキューピット(通称:DICKEY'S)」。創業80年を迎えた今年2021年、東京・目黒に日本初上陸。本格的なテキサスバーベキューが堪能できます。
▶https://www.dickeys.jp/
■シズラー(ロイヤルグループ)
サラダバー&グリルレストラン「シズラー」のアクアシティお台場店では、今年4月から米国のグリルメーカーWeber社のチャコールグリルを使ったアメリカンバーベキューが楽しめる「シズラーBBQテラス」をオープンしました。
▶https://www.sizzler.jp/bbqterrace/
■ワイルドマジック豊洲
グランピングやバーベキューを準備なし、手ぶらで楽しめる豊洲の「WILDMAGIC(ワイルドマジック)」。ここでのバーベキューは、大きな肉をスモーク&ローストする完全に本場のアメリカンスタイルに挑戦できます。
▶https://wildmagic.jp/
本格バーベキューへの関心は今後も高まりそう
コロナ禍の現在、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって、いまだ旅行やレジャー施設へ行くことが難しい状況です。
このような制約を強いられた生活が続いている反動で、今まで以上に「非日常」を求める人が増えていると考えられます。さらに、これまで旅行などのレジャーにかけていたお金が浮いた分、せっかくやるなら本格的にとアイテムにこだわる志向も強くなっている傾向に。バーベキューもそのひとつと言えるのではないでしょうか?
今後は日本でも、家庭で本格的なアメリカンバーベキュースタイルが日常の風景となり、バーベキューマスターが増えていくかもしれませんね。
writing support:Miyuki Yajima
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