【聞いてみた】業績堅調な日本KFCを支えるアプリ・SNS活用

【聞いてみた】業績堅調な日本KFCを支えるアプリ・SNS活用

コロナ禍で多くの外食チェーンが苦戦する中で、2021年6月の既存店売上高は前年同期比で108.2%、2019年対比でも107.3%と業績が堅調な日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)。リニューアルして間もないアプリやファンに寄り添った発信が光るSNSからそのヒントを探るべく、マーケティング部 CRM推進課部長代行の濱嶋氏にお話をうかがいました。

お話をうかがった方

日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社
マーケティング部 CRM推進課 部長代行
濱嶋 保樹 氏

お客さまにとってはお得で便利に
ブランドにとってはデータ活用に

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ー 店内飲食に限らず、お持ち帰りなど販売チャネルの多さや商品力はもちろんですが、業績が堅調な要因のひとつとして、アプリやSNSの活用でお客さまと繋がり、熱量の高いファンを増やしている印象を強く受けます。どんな目的で活用されていますか?

アプリはデジタル上でのお客さまとのタッチポイントの中心として考えています。よりお得に便利に、お客さまにとってのマストアイテムを目指し、ブランドとしてはお客さまの行動を把握する狙いもあります。来店頻度や召し上がっている商品などのデータを活用しています。SNSは繋がったお客さまとのコミュニケーションツールとして、点での接触ではなく深みのある情報を伝える、KFCというブランドをよく知ってもらうことを目指しています。


ー CRMを強化している飲食店、小売店が増えている中でビジネス貢献をどう可視化するかに悩んでいるマーケティング担当者も多いようです。アプリやSNSはどんな指標で価値を確認していますか?

アプリは利用者と非利用者の来店頻度の差などを指標にしています。売上貢献や来店頻度、単価アップを目標として設定しており、裏付けの数値としてMAUを追っています。主に注視しているのは、ダウンロード数よりアクティブユーザー数です。SNSは売上への貢献度が具体的に見えにくいので、認知の獲得・最大化を目指しています。数字としては情報伝達の広さとしてフォロワー数、伝達の広がりとしてエンゲージ数が重要と考えています。

テレビCMなどマスメディアも活用していますが、SNSとの役割は大きく異なります。CMで瞬間的に伝えた商品情報などをSNSで補足する、詳しい情報を伝えることを意識しています。


ー 2021年2月にアプリをリニューアルされていましたね。狙いは何ですか?

UI/UXの向上が一番の目的。つまり使い勝手をよくすることです。私たちブランドとしては、会員登録機能を搭載し顧客IDを一元化してデータを貯めてマーケティング施策に活用したいと考えています。現在はデータをCDPに連携している段階なので施策自体はこれからですが、アプリ経由の会員登録数はリニューアル前より倍増しており、会員登録することのメリットを感じていただける施策を展開していく予定です。

ファンの気持ちに寄り添うSNS活用で
クチコミしやすい雰囲気を作っていく

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ー SNS(Twitter・Instagram)の活用は、以下の2つの事例のようにファンの気持ちに寄り添った投稿が多いと感じますが、大切にしていることは何ですか?

<ツイート例>
https://twitter.com/KFC_jp/status/1421757687440625664?s=20

https://twitter.com/KFC_jp/status/1415536629209391113?s=20

KFCは店舗があるので、お店での接客と同じ気持ちで投稿をしています。個々全てには対応できませんが「最大公約数の接客」です。言葉選び、表現方法、画像など、特に食を取り扱っているので見た人が不快にならないことは絶対に譲れないポイントです。


ー ファンによる「食べた」「おいしい」などのクチコミも多いですが、クチコミを増やすための工夫を教えてください。

商品のお知らせとブランド投稿の2種類に分類して発信しながら、リアクションしてもらえるよう工夫しています。一方的に伝えるだけではなくて、カーネル・サンダースの想いや人柄、KFCに関心を持ってもらえるような面白さをエッセンスとして加えます。最終的には脳内のランキングを高めて「今日のランチはケンタッキーにしよう」と考え、食事の選択肢に入れてもらえると嬉しいです。


ー 先が見えにくいご時世ですが、今後アプリやSNSを活用してどんなチャレンジを準備していますか?

アプリは今後、ロイヤリティプログラムの刷新を準備しています。ネットオーダーやデリバリーの注文が利用できるようになる予定です。一方のSNSは新機能や新しい広告手法もチャレンジしていきたいのですが、それよりもお客さまに寄り添う気持ちを続けることが大事だと思っています。新しいことよりも今のポリシーを維持するのも大切ですね。


ー 濱嶋さんが個人的にいま食べて欲しいおすすめ商品あれば教えてください。

オリジナルチキンやレッドホットチキンがおすすめです。実は自宅の近くにお店できたので、家族で利用することが増えたのが最近のうれしい出来事です(笑)


※2021年7月の取材時点での情報です。レッドホットチキンは期間限定商品。


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インタビューをして感じたのは、コミュニケーションツールであるアプリやSNSのコンセプトと、店頭での店舗体験や接客にギャップが少ないこと。デジタルでもリアルでもブランドの設定や印象が同じであることは、ブランドと顧客が「繋がり」をつくる上で重要なポイントと改めて思いました。お話を聞いているだけでKFCのチキンが食べたくなるので、脳内シェアの高まりを実体験した時間でした。



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著者プロフィール

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よしだけいすけ
2020年5月よりカラビナハート株式会社に入社。10社ほどの企業SNSアカウントのコンサル・運用支援を行っている。公式アカウントのフォロワー増や投稿のノウハウだけではなく、目的に合わせた目標設計やビジネス貢献の可視化、再現性ある仕組み作り、SNS担当者のトレーニングが得意領域。2020年4月までは株式会社すかいらーくHDのマーケティング本部にてコンテンツコミュニケーションチームのリーダー。7つの公式Twitterアカウントを立ち上げて合計210万フォロワーに。広告宣伝のほかアプリ、メルマガ、公式サイト、ファン施策、ポイントプログラムなどを担当した。店舗勤務含めて15年間在籍。