スタバが本格始動、フードロスを削減しこども食堂を支援

スタバが本格始動、フードロスを削減しこども食堂を支援

2021年8月23日より、スターバックスがフードロス削減のためのプログラムをスタートさせました。閉店の3時間前より一部食品を20%OFFとすることで食品ロスを極力削減し、売り上げの一部をこども食堂を支援するNPO法人に寄付。社会の課題に向き合い、地域の子どもたちの食を支援しながらより良い未来づくりに取り組むと発表しました。

閉店前にフードケース内の食品を値引き
売上の一部は子ども食堂に寄付

今回のフードロス削減のためのプログラムは全国のスターバックス店舗(※)で、2021年8月23日にスタートし、各店の在庫状況に応じて恒常的に実施されます。食品の値引きが実施される際はフードケース内に「SAVE FOOD」のPOPが掲出され、商品が20%値引きされます(一部商品をのぞく)。売上の一部はこども食堂を支援する「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」に寄付。後述の廃棄物50%削減の目標など、社会課題を見据えて、地域貢献を通して食を通じたより良い未来づくりに向けて取り組む意向です。

寄付先:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
▶︎https://musubie.org/

子どもたちと、こども食堂、こども食堂を支援する人たちの3者をつなぐ「むすびめ(場)」を目指すNPO法人。こども食堂を応援する企業・団体とこども食堂をつなぎ、こども食堂の意義や実態を伝え、理解を広げる調査・研究などをおこない、各地域のこども食堂ネットワーク(中間支援団体)を支援しています。

※対象外店舗:スターバックス リザーブ® ロ―スタリー 東京など取り扱い商品が異なる店舗

2021年春にトライアル実施
パートナー(従業員)の声もあり本格始動

スターバックスが全国の店舗でのプログラム実施に踏み切った背景には、トライアル店舗やパートナー(従業員)からの後押しがありました。

トライアルは、2021年3月に東京都と埼玉県の90店舗ほどで1か月間実施。お客さまからは「スターバックスで買うことで良いことに貢献できる」「少しでも廃棄を減らすことができるなら」などの賛同が得られたほか、トライアル店舗のパートナー(従業員)からは、「お客さまと一緒に進められるサステナブルな取り組みで、誇りを持って商品を勧められる」「実際に廃棄量の削減につながり、心理的にもプラスに感じた」などの声が集まりました。

店舗で期限の管理をしているパートナーからも「廃棄しなければならない物を減らしたい」という声が多く上がっていたことから、スピード感を持って取り組むべきアクションとしてスタートしました。


トライアルを実施した店舗のパートナーの声

・ストアマネージャー 田中 冴子さん
「SAVE FOOD」を店頭のチョークボードに掲げながら、意義や目的をお客さまに伝え続けました。フードロス削減に対し、何から始めたらいいかわからないという声もよく耳にしていますので、お客さまと一緒に取り組めるアクションとして、削減を進めていきたいです。パートナーからも、「何とかしたい」という声が多く、いよいよ本格的にプログラムが始まることを嬉しく思います。

・ストアマネージャー 渡辺 雄馬さん
トライアル時、取り組みに賛同いただいたお客さまから「早く全国に参加店舗が広がって、継続して実施できるといいですね」と、背中を押していただいたことがとても印象に残っています。社会にポジティブな影響を与える新たな一歩となり、フードロス削減をリードしていく、そんなプログラムにしていきたいです。

2030年までに廃棄物50%削減が目標

スターバックスは、リソースポジティブカンパニーの実現を掲げ、2030年までに店舗などから出る廃棄物50%削減を目指すと同時に、店舗を構えるコミュニティに対してポジティブな影響を与えられるよう活動すると表明しています。現在、店舗から排出される食品廃棄物は約70%がコーヒーを抽出した後の豆かすで、約15%が期限切れフード。フードの廃棄量削減を重要視しており、これからも食品を取り扱う企業としてフードロス削減のアクションを推進するといいます。

また、2016年以降、米・スターバックスでは、フィーディング・アメリカなどの飢餓救済団体と提携した革新的な「フードシェア」プログラムを通じて飢餓対策にもコミット。アメリカ全土において、これまでに約3,400万食の高栄養価ですぐに食べられる食事を地域のフードバンクに寄付しています。 現在、約9,000店舗あるアメリカ国内全ての直営店がこの「フードシェア」プログラムに参加しています。スターバックスは、今後10年間で1億ドルを飢餓救済活動に再投資することを発表しています。

「SDGs」のキーワードが定着しつつあるいま、大手企業が社会課題に向き合う取り組みは必須ともいえます。多くのファンを抱えるスターバックスの食品ロス削減プロジェクトは、若年層をはじめ幅広い層へも影響を与えることでしょう。今後も生活者の反応などを注視しながら、それぞれのステークスホルダーが何ができるか考えていく必要がありそうです。



writing support:Akira Fukui



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