メルシャンが目指すオーガニックワインの新たな価値創造

メルシャンが目指すオーガニックワインの新たな価値創造

ここ数年、自然環境や人にやさしいエシカル消費、SDGsなど、社会貢献への関心が高まっています。そんな中、メルシャンでは「エシカル」をキーワードに地球や社会、お財布にも優しい高品質なオーガニックワインのプロモーション施策を強化。
施策を生み出した背景とプロダクトへの想いについて、株式会社メルシャンの澁田氏に前後編の2回に渡ってお話をうかがいました。今回は前編をお届けします。

お話をうかがった方

メルシャン株式会社 マーケティング部 
ブランドマネージャー
澁田 翔平 氏

想いある生産者の良質なワインを
日本の生活者へ

ー 今回「エシカル」をキーワードにオーガニックワインのプロモーションを強化された背景には、どういった課題があったのでしょうか。

今回のプロモーション強化の背景には、2つの課題がありました。まず1つめに、以前からオーガニックワインを盛り上げたいという想いがあったものの、なかなか広がっていかないという課題です。もう1つは、ワイン市場自体が50〜60代に支えられており、市場全体の未来を見据えた時に若年層の強化という課題がありました。

メルシャンは「ワインのおいしい未来をつくる。」というスローガンのもと、高い志をもつ生産者がつくる良質なワインを、日本の多くの方に伝えていくことをミッションとしています。オーガニックワイン生産者の多くは、地球環境やお客さま、従業員のことを考えたワイン造りをしています。オーガニックがトレンドだからということではなく、良い生産者が造った良質なワインを届けていくこと。それが結果的に業界全体を盛り上げていくことにもつながります。


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また、ここ2〜3年で社会的にもエシカル消費、SDGs、社会貢献といったキーワードが盛り上がっており、特に若年層の方たちが強い関心を持っています。そうした背景から、エシカルというキーワードをフックに若年層を見据えたアプローチを展開していくことになりました。


ー 日本の中でも、オーガニックやエシカルといった地球環境に配慮した消費への機運が高まってきている感があります。

そうですね。そうした機運が浸透してきていることから、「せっかく飲むなら良質なものを」という意識の高まりが感じられます。若年層のアルコール飲用量は減少していますが、実際にオーガニックワインを新たに飲んだ人の割合は40代以上の人と比較して高いという数字も出ています。


ー ブランドサイトには生産者についての紹介や、メッセージ動画などが掲載されていますね。ワイン造りへの想いも含めて伝えていきたいというお考えでしょうか?

はい。メルシャンが取り扱うオーガニックワインの生産者に共通しているのは、自然環境に配慮しながら、関わるすべての人を大切にするワイン造りをしていくことです。未来を見据えて次世代に豊かな環境を残しながら、土壌やブドウの個性を生かした高品質なワイン造りをすることで、地域経済の健全な発展につなげていくというポリシーをもって生産しています。そうした生産者の想いや高い志を伝えていきたいですね。


ー 良質なオーガニックワインを生産者の想いや志とともに伝えていくということなのですね。そうした中で、今回ワインを通じたライフスタイルの提案に至ったのはどういった背景がありましたか?

ワインを飲むシーンをイメージした時に思い起こされるのは、食卓での風景や、誰かと過ごす時間、ひとりで過ごすちょっと特別なひととき。ライフスタイルとの結びつきが非常に強いんです。「ワインは人の生活や心を豊かにするもの」として、食卓のシーンや過ごす時間とともに提案していきたいと考えました。

ここ2年ほどは、リモートワークなどでおうち時間が増えています。ゆったりした気持ちになりたい時や気分転換のスイッチとして、ワインが選択肢のひとつとして寄与できるのではと。ワインにはご褒美感があります。多くの人がストレスや我慢を強いられる時だからこそ、ワインが叶えるリラックス効果を訴求していきたいですね。

一方で、ワイン=少し難しそうというイメージを持たれる方もいるかと思います。ワインのある生活の良さも伝えつつ、心理的なハードルを下げていくことが課題です。

手に届きやすい商品設計でじわじわ伸長

ー オーガニックワインへの想いや、プロモーション強化の背景についてうかがってきましたが、個々の商品についてもお話をうかがえればと思います。まずは、主力商品である「メスタ」シリーズの特徴について教えてください。

メスタは、環境に配慮した栽培方法と丁寧なワイン造りで、ブドウ本来のみずみずしさを味わえるのが特徴のスペイン産オーガニックワインです。


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メスタを生産するワイナリー「ボデガス・フォンタナ」では、スペイン産ワインはお手頃な価格のものが多い一方、本来持つ品質の良さをしっかり伝えられていないものもあると感じており、「良質なスペインワインを伝えていきたい」というポリシーのもとに生産しています。本当に良いワイン造りのため、品質に関係のない部分にはまったくお金をかけず、畑や醸造設備、ワイン造りに関わる人といった品質を左右する部分には惜しみなく投資をしています。研ぎ澄ました価値を注ぐことで生み出される良質なワインが、メスタシリーズです。

オーガニックワインは、自然環境や人に配慮し、農薬や化学肥料などを使用していないため、どうしても手間がかかる分、比較的高価なものが多くなってしまいます。そのなかでも私たちが大切にしているのは、生産者とお客さま双方に嬉しい関係をつくるため、良質でおいしいワインを手に届きやすい価格でご提供することです。

オーガニックワインは、造り手によって特に品質の違いが出やすいと感じています。オーガニックは特に。ワイナリーの実力が反映されやすい商品だからこそ、ポリシーを持って高品質なワインを厳選してお届けしています。


ー メスタシリーズは、羊が並んで円を描いている親しみやすいラベルも印象的です。

ありがとうございます。このラベルは、メスタという名前の由来が関係しているんですよ。メスタ(Mesta)は、中世時代のカスティーリャ地方における羊飼いたちの管理団体の名前「Mesta」が由来となっています。また、ワイナリー自体が、サステナビリティーを大事にしていることから、ライフサイクルが循環している様子を円で表現しているんです。
ワインはラベルなどの見た目も重要。せっかくいいもの作っても見た目がイマイチだとお客さまに選んでもらえません。メスタのワインメーカーでもありワイン業界最難関のマスター・オブ・ワインの資格を持つサム・ハロップ氏によってこのラベルがデザインされました。


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ラベルに描かれたひつじの数を数えるお客様も多いそう。


ー 細部にまでこだわって作られているメスタですが、メインユーザーとその反応はいかがでしょうか?

メインユーザーは、30〜50代の女性が圧倒的に多いのが特徴です。メスタのコンセプトである「ワインと一緒に食事を楽しむことで、より豊かで健康的なライフスタイルを促進する」がユーザー層のライフスタイルにマッチしているのではと。幅広い食事に合わせやすいフレッシュで繊細な味わいが特徴なので、料理と一緒に楽しむ方が多いようです。

メスタは2018年2月に発売しましたが、発売当初からヒットというよりは、じわじわと右肩上がりに伸長しています。常に新しいお客さまが流入しリピートに繋がっており、今後も更に大きく伸張する可能性を持つブランドだと思っています。今後は、20〜30代の若年層にも広げていきたいですね。


ー クックパッドのオーガニックワイン特集ページには、メスタ以外にもさまざまなラインナップがあります。国内製造の商品やスパークリングもあるのですね?

「ビストロオーガニック」と「オーガニックスパークリング N...」は、新たにメルシャンでつくったブランドです。オーガニックワインはまだまだ選択肢が少ないため、新規に開発しました。「オーガニックってなんとなく安心安全なイメージだけどハードルが高い」という、トライアル層の方が手を出しやすい設計を意識しました。


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トライアル層の方がワインと出会うシーンを想像し、飲食店や結婚式などで提供されるスパークリングに着目しました。開け閉めがしやすいスクリューキャップにかわいいラベル。飲み切りやすい500mlサイズという、トライアル層の方が気軽に楽しめるオーガニックのスパークリングワインです。

オーガニックワインを
地球に優しい選択肢のひとつに

ー 商品の魅力や想いをうかがい、オーガニックワインへの理解が深まりました。さらに今後はどのような位置付けにしていきたいとお考えですか?

ワイン自体に「難しそう。選びにくい」といったイメージを持つ方もまだまだ多いです。そうした中で私たちのミッションは、ネガティブなイメージを取り除きお客さまとワインとの距離感を近づけることです。「オーガニックってなんとなく良さそうだけどよくわかんない」を「オーガニックは地球環境にも社会にも優しくて、味わいもおいしく、自分にとってもうれしい」に変換して、ワインを選ぶときの選択肢のひとつにしていきたいですね。


次回の後編では、クックパッドと連携した店頭とオンラインをつなぐ施策について詳しくうかがいます。

メルシャンのオーガニックワイン ブランドサイトはこちら


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