
非食品
【レポート】廃棄ゴミ削減×地域経済に貢献する新サイクル
2021年10月13日〜15日に幕張メッセで行われたフードテックジャパン(主催:RX Japan株式会社)での注目展示をご紹介。NTTビジネスソリューションズ株式会社が提供する「地域食品資源循環ソリューション」は、食品工場などで出る食品廃棄ゴミを食品発酵分解装置により堆肥にリサイクルし、農産者に届ける「リサイクルコミュニティ」を提供しています。すでに600台の導入があるというこのサービスの内容と効果をご紹介します。
食品リサイクルの推進に、
テクノロジーを駆使した仕組みを提供
2021年10月13日より行われたフードテックジャパン(主催:RX Japan株式会社)では、食品製造機械や包装資材、食品原料、ロボット活用など幅広い分野の最新技術が紹介されていました。
SDGs観点での展示も数多くあり、当日注目を集めていた中のひとつが、NTTビジネスソリューションズ株式会社と株式会社ウエルクリエイトが提供する「地域食品資源循環ソリューション」です。
このサービスは、市場や食品工場を始めるとする食品関連事業向けに、現場で発生する食品由来のごみを分解する食品残渣発酵分解装置を設置、分解された発酵物を回収し、完熟堆肥・土壌改良材に再生したのち、農産者へ提供・販売する仕組みです。
IoTなどNTT西日本グループの情報通信技術を活かしながら、発酵物のリサイクルセンターへの輸送、堆肥になった後の農産者への提供を含めた一連のサイクルを構築しています。
SDGsに向けた取り組みと
コストメリットを両立できる仕組み
一連のサイクルにより、SDGsで目標とされている食品ロスの削減に貢献できるほか、食品資源を地域で循環させるプロセスにおいて、地域内の新たなつながりの創出・活性化も期待されます。
また、こうした取り組みやシステムの導入を検討するなかで、重要なポイントとなる「コストメリット」についても効果を発揮。工場や市場、スーパーマーケットなど、規模が大きくなるほど、負担となっている生ゴミ処理コストの削減に繋がるといいます。
展示で紹介されていた従来の焼却処理との比較例によると、年間1,200トンの生ゴミ排出量の場合、焼却処理の際にかかるコストは5,400万円。それに対し食品残渣発酵分解装置を用いた場合は2,880万円と、1,500万円以上のコスト削減が見込まれます。
企業の社会的価値やイメージ向上を創出するだけでなく、コスト面でも従来の方式に比べてメリットがあり、すでに600台を超える導入があるそうです。
各々の立場でのボトルネックを解消するために、テクノロジーを駆使したサイクルを構築することで、新たな「繋がり」を生み出しているこのソリューション。
SDGsの現実的かつメリットのある方法として、今後さらに注目を集めそうです。
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著者情報

- ヒガシナオキ
- BtoB向けWebメディアを運営する会社に新卒で入社し、大手IT企業のメディアを使ったマーケティング支援に携わる。
2019年、クックパッドに法人向けサービスの営業として入社し、社内の営業管理やマーケ施策を並行して推進する中で「FoodClip」の立ち上げに関わり、2020年よりマーケティング専任に。
FoodClipでの担当領域はマーケティング・フードテック周辺。
休日は劇団をやっています。
https://twitter.com/nao181715