【レポート】環境配慮容器の課題「デザイン」で解決なるか

【レポート】環境配慮容器の課題「デザイン」で解決なるか

2021年10月13日〜15日に幕張メッセで行われたフードテックジャパン(主催:RX Japan株式会社)での注目展示をご紹介。SDGsへの関心の高まりを背景に、多くの出展が見られた環境配慮型包装資材の中でも、複数のブースで提案されていたのがデザイン性の高いパッケージの紙容器です。まだ本格導入の手前であり、コスト面での課題は拭いきれません。そうした中で、環境配慮型容器導入において課題の一つである、ブランドデザインとの両立への解決策となるのでしょうか。

目立った環境配慮容器の出展

2021年10月13日より行われたフードテックジャパン(主催:RX Japan株式会社)では、食品製造機械や包装資材、食品原料、ロボット活用など幅広い分野の最新技術が紹介されていました。

包装資材では、販促効果を高めるパッケージ技術などが並ぶなか、脱プラスチックを実現するパルプモールド※や、耐水性の高いダンボール原紙など、SDGsの観点から環境に配慮した資材の出展が数多く見られました。

※紙の原料となる木質繊維(パルプ) を材料とする成形品


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発泡スチロールの代替としてチルド輸送が可能な「機能性ダンボール原紙」
(日本東海インダストリアルペーパーサプライ株式会社)

環境配慮×紙容器導入のボトルネックを
技術でどう解決できるか?

FoodClipの特集「食の次世代パッケージ」内で、読者アンケートを実施したところ、9割近くの読者が「関心がある」と回答。環境配慮型容器資材に対しての興味関心は高まっているものの、導入自体はそこまで進んでいないのが現状です。

その理由として、主に「導入コスト」と「品質・機能面」への懸念があります。
既存容器から紙などの環境配慮型容器への移行においては、どうしてもコスト面での負担増が懸念材料となってしまうのが現状です。
また、プラスチックから紙容器などに移行することで、耐久性・保持性の低下や形状の制限など、商品やブランドの価値を維持する上で見落とすことのできない事柄が多く存在します。
事実、「脱プラスチック」を目指して導入されている容器の多くが、プラスチックの利用をゼロにしているわけではなく、フィルムなど最小限の利用にとどめているのです。

加えて、品質面では「デザイン性」も課題となる部分です。デザイン面の自由度については、既存容器と比較して劣る部分があり、紙容器の素朴な風合いがマッチしない商品も数多く存在します。

デザイン性を保持した
パルプモールド・紙容器の可能性

こうしたパルプモールド・紙容器が抱える課題への解決が期待される、自由度の高いデザインが可能なソリューションが、複数のブースで紹介されていました。


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グラフィック・パッケージング・インターナショナル株式会社が紹介していた紙トレイ「PaperSeal®」は、紙トレイにライナーフィルムとシールを組み合わせることにより、90%のプラスチックが削減できる環境配慮容器です。
継ぎ目のないフランジデザインにより、紙素材でありながらプラスチックと同等の密閉性を実現し、真空パックトレイにも対応。デザイン面でも、多彩なグラフィックを両面に印刷することができ、ブランドイメージを保持することが可能です。


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欧州で誕生し、オセアニア地域含め2019年より8,000万個以上の供給実績があるとのことですが、日本市場ではこれから。コスト面での懸念はありますが、高価格帯の商品を中心に機能面での利用価値を認めることができれば、導入が進んでいく可能性もあります。


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ラベル、パウチ事業の大手企業である株式会社フジシールは、特許出願中の参考出展として、「デコレーションパルプモールド」を展示していました。
こちらは課題であったデザイン性を補った、表現性の高いパルプモールドパッケージ。オール紙仕様で、従来は制限があった加飾表現を可能にしています。曲面も多色印刷で対応でき、写真や箔とのコンビネーションも対応可能です。

これまで青果物や卵トレーに使用されてきたパルプモールドですが、開発中のこうした技術によって、環境への配慮とデザイン性の両立が可能になり、新たな価値を生み出すことが期待されます。

多様な側面での課題を越え、普及は進むか

今回ご紹介した他にも、多くの技術や「打ち手」が紹介されていました。
導入が進む欧米諸国に比べ、企業が取り組むにあたっての状況や得られるメリットも異なるなか、今後どのような展開をしていくのか、FoodClipとしても注目していきます。



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著者情報

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ヒガシナオキ
BtoB向けWebメディアを運営する会社に新卒で入社し、大手IT企業のメディアを使ったマーケティング支援に携わる。

2019年、クックパッドに法人向けサービスの営業として入社し、社内の営業管理やマーケ施策を並行して推進する中で「FoodClip」の立ち上げに関わり、2020年よりマーケティング専任に。
FoodClipでの担当領域はマーケティング・フードテック周辺。
休日は劇団をやっています。
https://twitter.com/nao181715