食卓にもっと選択肢を。日本中の逸品を広く届けるために

食卓にもっと選択肢を。日本中の逸品を広く届けるために

クックパッドが保有するデータやノウハウ、ネットワークを活用し、全国で食に関わる中小規模のメーカーの課題を解決・支援する「クックパッド・アライアンス」が21年の夏に始動。立ち上げの背景やパートナー選定など、事業責任者である北井氏に話を聞きました。

お話をうかがった方

クックパッド株式会社 Japan執行役員
クックパッド・アライアンス事業責任者
北井 朋恵 氏

コロナ禍によって加速した”食の多様化”
高まるニーズへの提案

ー 「クックパッド・アライアンス」立ち上げの背景には、コロナ禍からの影響も大きいと聞きました。

北井氏(以下、北井):はい、クックパッドは5,800万人が利用する国内最大級のレシピサービスです。主な利用層は子育て層の女性たちですが、コロナ禍になってユーザー層やレシピの検索傾向に変化がみられました。男性のアクセスが増えたり、手間のかかるパンやお菓子のレシピ、本格的な調味料レシピといった「簡単・時短」とは異なる調理ニーズが大きく可視化されました。「家事」としての料理ではなく「作ってみたい」という好奇心によって自ら料理と向き合うといったニーズの変化は、クックパッドのミッションである「毎日の料理を楽しみにする」ことに繋がることですから大変嬉しく思います。

一方で、私たちの力不足を痛感するタイミングでもありました。「時短や簡単」に限らない食の楽しさや多様性を後押しする提案がまだ十分ではなかったように感じます。


ー 食の楽しさや多様性を後押しするような提案とはどういったことでしょう?

北井:具体的に言えば、食や料理が楽しくなる食卓まわりの提案です。新しいレシピへの出会いもそうですし、調味料や調理家電との出会いがつくれたら、もっと作り手はワクワクしてくれていたかもしれません。時短や簡単とは違った価値のある商品をユーザーに提案する、それがこのアライアンス事業を立ち上げた背景でもあります。


ー また、中小企業を支援したいという意向もあったそうですね。

北井:クックパッドは食の「つくり手を増やす」というミッションも掲げています。食品製造業の99.5%を構成する中小企業・小規模事業社ですが、その企業様たちへのソリューションはこれまでは十分はものではなかったと思っています。

その点もクックパッドでは中小事業者に向けたプラットフォームを準備しています。企業が直接ユーザーとコミュニケーションができる拠点を作り、ユニークな商品との出会いを活発にしていきたいと思っています。

「クックパッドの強さ」と「脱クックパッド」
目指すのは、食特化の経営パートナー

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ー ここからは具体的な内容について教えてください。「クックパッド・アライアンス」は、クックパッド広告事業とはどのような点が違うのでしょうか。

北井:最大の違いは、パートナー企業の売上利益にコミットしている点です。

クックパッドの強みであるレシピサービスの利用動向やマーケティング、販路チャネルなどを活かしながら、ボトルネックとなる壁は一緒に突破していくつもりです。実行する施策はクックパッドのプラットフォーム内に止まらず、新しい販路の開拓だったり販促POPだったりブランドサイトのリニューアルなど、関わり方にボーダーラインは作っていません。ゴールのために必要であれば全て取り組んでいく気持ちです。


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ー 広告宣伝のパートナーから、経営のパートナーになるということですね。

北井:そうですね。パートナー企業のゴールに向かって伴走できたらと思います。クックパッドのソリューションを基盤としつつも、私たちも「脱クックパッド」を目指して進化していかなくてはなりません。これまでのコアなメンバーをはじめ、新メンバーと一緒に、本当のパートナーになれるよう日々泥臭く取り組んでいるんですよ。

商品目利きは、クックパッドユーザー
すでにファンをもつ食品を後押し

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ー 今回はパートナー企業として6社と契約されていますが、気になるのは選定の基準です。どのようなフローでお取り組みがはじまったのでしょうか。

北井:選定の流れは、はじめにクックパッドユーザー90万人が登録しているメールマガジンでアンケート調査を実施しました。

「これまでにオンラインで購入した食品はありますか?」といった内容で、そこで回答された商品名をひとつひとつ、メンバーでリサーチしました。その中で「この商品はもっと多くの生活者に知ってもらうべきだ」と思った企業へ、私たちから経営者にご連絡しました。


ー 最初の目利きは「クックパッドユーザー」だったのですね。

北井:私たち以上にユーザーの目は厳しいですから。もちろん安心、安全への意識が高い企業様でなくてはなりませんから、パートナー契約するステップの中で、実際に工場などの製造現場を見学させてもらいました。今後広くクックパッドユーザーに商品と出会ってもらう以上「安心・安全・おいしい」は譲れません。その点でも納得できる企業と握手をさせてもらいました。

市場であまり知られていない良質な商品を伝え
食産業の活性化を後押ししていきたい

ー この事業を通じて、どのような世界にしていきたいですか?


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北井:市場であまり認知されていない良質な商品をもっと多くの方に知ってもらい、生活者の料理における選択肢を増やし、クックパッドのミッション「毎日の料理を楽しみにする」の実現を目指していきたいと思っています。難しいことだとわかっていながらチャレンジした事業、粘り強く向き合っていきたいと思っています。



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