環境配慮原料×品質保持。両方を兼ねた新・食品容器

環境配慮原料×品質保持。両方を兼ねた新・食品容器

SDGsへの意識の高まりなどを背景に、食品容器や包材のリプレイスに関心を寄せる企業が増えています。FoodClipが2021年4月におこなったアンケートでは、9割を超える読者が「関心がある」と回答。一方で、実際の導入はコスト面、品質面の懸念などを背景に、思うように進んでいないのが現状です。
多様な選択肢がある中、企業はどのような「現実解」を求めていくべきか、長年に渡り容器原料・包装資材を提供している丸紅プラックスのご担当者に、食品容器の現状と同社が提供を開始した新素材についてお話をうかがいました。

お話をうかがった方

丸紅プラックス株式会社
グリーンプロダクト部
高橋 真一 氏
油井 賢司 氏

企業9割が関心「環境配慮の食品包装資材」
一方で、情報の収集に戸惑う現場の声も

ー 2021年6月にFoodClipで「環境に配慮した食品用容器包材」に関するアンケート調査をおこなったところ「関心がある」と91%が回答し、「具体的にどのような包装や資材に関心があるのか」の設問では「脱プラスチック」という回答が78%という結果になりました。
皆さんも業務の中でお客さまの関心の高まりは感じますか?


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高橋氏:私たち丸紅プラックスのグリーンプロダクト部はバイオマス原料や製品、パルプモールド、などを扱っていますが、おっしゃる通り近年は問合せが増えており、環境意識の高まりを感じます。


ー 一方で、実際の導入や検討はあまり進んでいなかったり、そもそもどのような手段があるのか、情報の収集がうまくできていないという声も集まっています。

高橋氏:「脱プラスチック」と簡単に言っても、品質面やコスト面で自社に最適な方法をなかなか各社が見つけられていないのが現状ですね。

油井氏:また、「環境配慮×食品容器」の選択肢としては、リユースが困難であったり、リサイクルには多額の投資が必要なので、例えばプラスチック容器に使用される原料を別の素材に変えて、プラスチック使用量を減らすなど、リデュースの観点での製品設計が現実的だと思います。
そんなリデュースを叶える食品容器の選択肢として「パルプモールド」製品があります。パルプモールドとは、一般的に段ボールなどの古紙を原料として作られた紙成型品です。当社のパルプモールド容器も紙成型品ですが、食品容器に適したバージンパルプから作っています。

6割以上のプラスチックを削減
パルプモールドの特徴を活かし、
環境配慮と機能性の両立を叶える食品容器

ー パルプモールドを使った食品容器として、貴社が提供しているものを教えてください。

油井氏:「EUCALP(ユーカルプ)」という商品が2021年秋に誕生しました。特徴はパルプモールドの耐水性と耐油性を強化するためのフィルム加工です。また、蓋はプラスチック素材を使用することで、中の食材が見えるようにしました。原料はユーカリの木で、適切に管理された森林由来のパルプであることを証明するFSC認証を取得している容器であり、SDGsにも貢献できる製品です。


ー 環境に配慮された商品ということですが、プラスチック不使用というわけではないんですね。

油井氏:この製品は、プラスチック製食品容器が通常使われているコンビニやスーパーのお弁当・お惣菜に使用されることを想定し、蓋の原料にプラスチックを使用しています。

生活者の方が安心して購入できるように、中身が見えるほうが好ましいですし、輸送時に蓋が外れづらいなどの機能性や一定時間、油や水気が含まれた食品が運ばれることを考えると、フィルム加工による耐水性や耐油性はどうしても欠かせないものです。どんなに環境配慮をしたとしても、それで食材の油分・水分が漏れたり、中身が見えないと、クレームに繋がりますから。


ー どのぐらいのプラスチックの削減(リデュース)が実現しますか?

高橋氏:既存のプラスチック容器と比較すると、本体が紙に代わるので、プラスチック使用を60%程度削減できます。例えば、日本中で使用されているプラスチック製食品容器のうち10%を「EUCALP(ユーカルプ)」に置き換えられると、約5万トンのプラスチック削減につながります。


ー 価格面についてはいかがですか?

高橋氏:パルプモールドは成型に時間が掛かり、かつラミネート加工を施しているためプラスチック容器に比べて価格は2〜3倍程度になります。環境配慮の資材や包材はコスト面も懸念になりますが、品質面や機能性を考慮のうえ、ご理解いただけたらと思っています。

環境配慮型容器でも品質はプラスチック並
お弁当やサラダも利用可能。食体験を豊かに

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ー プラスチックの代替品として、どんなメニューでも利用可能なのでしょうか?

高橋氏:耐水・耐油性があり耐熱温度は120℃、レンジアップも可能です。そのためお弁当や丼もの、サラダなど、さまざまなメニューの容器として利用可能です。タイプも14型あるのでコンビニエンスストア、スーパー、デパ地下のお惣菜売り場など、今プラスチック製の食品容器が使われている業態の多くで、この商品は活躍してくれると思います。


ー 環境を配慮した食品容器の導入については、衛生面や品質保持面に懸念を感じる企業が多いようです。その点はどうですか?

高橋氏:既存のプラスチック容器と同様の耐久テストをして、量産化していますので安心してご利用いただけます。


ー 実際に商品を手にした関係者の反応はどうでしたか?

高橋氏:紙素材だけど従来の紙皿のような柔らかさはなく、しっかりしているというコメントは多かったですね。この容器の強度は金型の技術なんです。あと従来の商品は蓋のはまり難さに不安視する方も多かったのですが、この商品ならぴったりはまります。また、表面の平滑性は特徴のひとつです。


ー 容器の色合いも自然ですね。

油井氏:紙ならではのやさしい風合いに、好印象を持たれる方もいます。添加剤を入れて容器の色を白くすることもできますが、余計なものを入れずにパルプの自然な色を生かして勝負をしていこうと。これは好みが分かれてしまうかもしれませんが、この色合いの容器を通じて「あ、この飲食店やブランドは食品容器でも環境を意識しているのか」といった生活者へのメッセージにもなってほしいと思っています。

環境配慮と機能の両立
食品容器の現在の”最適解”

ー 口に入れる食品を扱う以上、機能や品質も担保しながら、環境を配慮していかなくてはいけません。両方を兼ね備えた「環境配慮型の容器」であると理解しました。

高橋氏:世の中の動きをふまえ、プラスチックの使用量を減らしていきたい一方で、食品である以上品質保持について苦慮されている方々の声をよく耳にします。特にお弁当やお惣菜といった中食にはプラスチック容器以外の選択肢があまりありません。そういった企業さまへ、新しい選択肢をご提示できるなら、これ以上嬉しいことはありませんね。


ー 今後の商品の展望を教えてください。

油井氏:現状はプラスチック6割削減ですが、将来的には蓋や容器内側のフィルムを生分解性フィルムにするなど、更なる環境配慮型の容器を目指していきたいと考えています。


コロナ禍でテイクアウト、デリバリー需要が増える中で食品容器の消費量も増え続けています。さまざまな企業が「脱プラスチック」を模索する中、丸紅プラックスは環境配慮と機能性との両立を叶える選択肢を見出しました。今後の「EUCALP(ユーカルプ)」プロジェクトの展開は、容器改革へのヒントとなっていきそうです。


HP:EUCALP by molded pulp
Instagram: https://www.instagram.com/eucalp_official/


[提供:丸紅プラックス株式会社]



writing support:Sayaka Takahashi



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