【レポ】本領発揮なシメパフェ店で「人と会う」を考える

【レポ】本領発揮なシメパフェ店で「人と会う」を考える

「よしだけいすけの飲食店最前線巡り」シリーズ5回目となる今回は、2020年12月末にオープンした「INITIAL(イニシャル)」でシメパフェを体験してきました。コロナ禍に開店し、緊急事態宣言が明けた今、いよいよ本領発揮の時です。

緊急事態宣言が明けて
人と会う=飲みじゃない場所に

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2021年を振り返ると「なんでもない日」はたった28日しかなく、飲食店は営業時間短縮やアルコール提供に制限があったりと、私たちにとって人とお酒を飲む機会はグンと減っていました。

東京では10月に緊急事態宣言が解除され、飲食店は胸を張ってお酒の提供ができるようになりました。さっそく親しい友人と焼鳥屋で久々の乾杯をしたのですが、そこで驚きの光景を目にしました。隣のテーブルに座った20代中ごろと思しき2人がアルコールは頼まずにコーラで焼鳥を楽しんでいたのです。「若者のアルコール離れ」という言葉も耳にするようになりましたが、一番の目的は友だちと話をすることであって、いつしか大人同士が会って話をすることを「飲む」と表現されているだけ。アルコールが苦手な人も多いし、そこにお酒が無くても話をする環境、場所として飲食店が使われているのだなと感じました。

まだまだ先の見えない世界。仕事終わりや夜に「飲み」じゃなくても人と会って話せる場所はこれから重宝されるのではないかと思い、その筆頭になりそうな場所として気づいたのが「INITIAL(イニシャル)」というわけです。

冒頭からタイトルとマッチしない焼鳥の写真を失礼しました。余談ですが、その舞台である池尻大橋の「やおや」のハツは私の中で生涯ベストオブハツです。焼鳥がお好きな方はそちらもぜひ要チェックです。

札幌のシメパフェブーム
流行のきっかけは?


シメパフェが世に出始めたきっかけは、2015年に札幌市内の飲食店7店舗が集まって「札幌シメパフェ推進委員会」を作ったことと言えそうです。今では20店舗以上になり、取り合うのは胃袋ではなく手と手。共に締めのパフェを拡げようと、全国各地の「北海道展」に出店したり、時には講演をしたりとPR活動を繰り広げた結果、特に北海道では飲んだ後の締め文化として根付いてきました。

北海道で育った私も帰省の際に札幌に寄り、友人と会った夜にはシメはラーメンか、はたまたパフェかで迷い、いつも両方行ってしまいます。シメパフェ専門店はどのお店も混んでいて、人気ラーメン店同様にお店の前に行列ができるほどです。

札幌のシメパフェ人気店
東京2号店の場所として選んだのは

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札幌のシメパフェ人気店のひとつ、「INITIAL(イニシャル)」が2020年12月に中目黒に出店しました。時はコロナ禍。シメるどころか、お酒を飲む機会さえ作りにくい状況でしたが、10ヶ月たった今、飲んだ後におしゃべりができるシーンとして、シメパフェが本領を発揮する時が来たと思います。

東京への出店は表参道に続く2店舗目。飲食店の成功は立地戦略が鍵を握ると言われますが、多店舗展開の場合は集客だけでなくお店のイメージ作りにも影響があります。あえて渋谷ではなく表参道、中目黒なのは、ターゲット世代が好む街ということに加えて、喧噪を離れて少し落ち着いた場所で話をする「空間」へのこだわりを感じます。

ちなみに中目黒は20代が選ぶ東京の住みたい街ランキング2位。住んでいる、ではなく住みたいというのがポイントで、憧れをもてる場所なのですね。

目移りするパフェの種類
縦型画像にもフィット

飲食店の営業時間制限が解除されて間もないとある月曜日。20時を迎える中目黒駅周辺は一時期よりも心なしか人出が増えている印象です。駅の東口から歩いて5分ほどに「INITIAL(イニシャル)」があります。路地に入った場所にあるせいか、喧噪から離れた隠れ家に向かう気持ちになれるのが不思議です。

話をする場所としての価値をターゲット層に感じてもらいたくて、職場の同僚である櫛引さんに一緒に来てもらいました。その櫛引さん、3か月前までは札幌に住んでいてシメパフェ文化に長く接していたこと、アルコールが苦手なこと、でも人と会う場が好きなこと、と感想を聞くのはベストマッチな女性です。


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カウンターやテーブル席など合わせて30席ほど。2組のお客さまがいらっしゃいました。札幌のお店の行列の印象が強かったので、本音は少し拍子抜け。緊急事態宣言が明けたとはいえ、人数や営業時間前倒しの要請があったりと、外食の頻度が元に戻るのは難しいですよね。

メニューには1,000円から2,000円ほどのパフェやコーヒーなどのドリンク、アルコールも並びます。パラパラと捲りながら何往復しても決められません。フルーツ大好き、甘いもの大好きな私にとって、たったひとつを選ぶことは酷なこと。サイズも様々ですが、迷った時には桃、りんご、シャインマスカット、ぶどう…などなど好きなフルーツ軸で選びます。

私が選んだのは「パルフェ ポム~りんごと和栗と季節のフルーツ~」です。シメパフェは皆さんの想像の通り、映えの世界です。アルコールを飲んだ後におしゃべりして甘いものを食べるだけではなく、体験を記録する、これも重要なエッセンスです。


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食べる前に写真を撮る。パフェへの最低限の礼儀かのごとく2人でしばし撮影に没頭。撮っていて感じましたが、パフェはSNSとの相性も抜群に良いですね。InstagramのストーリーズやTikTok、Twitter画像の縦型表示など、近年のソーシャルメディアは縦型コンテンツが中心です。では、Instagramのフィードはどういう画像がいいんだろう…?
どんな時は、飲食店で写真の撮り方に迷ったら公式アカウントの投稿を見るのがおすすめ。キレイ過ぎない絶妙の写真で、テキストには書かれてはいませんが、お手本を示すことでUGCを増やしていると感じます。「茶色っぽいものを撮る時はバックに緑を入れよう」「テーブルを俯瞰で撮るならカップに手を添えると動きが出るよ」など、お店の利用者が写真を撮影する時にマネができるよう、店舗のテーブルや店舗周りの木々などを背景にしている印象です。

飲みに行こうの代わりに
誰かと会うきっかけにも

櫛引さんがオーダーしたのはシャインマスカットのパフェ「パルフェ・ブーケ」です。商品名の通り、シャインマスカットがたっぷりと使われていて、まさに花束のようなパフェ。ちなみに提供時には、パフェの写真が入ったカードが手渡され、どの部分に何の食材が使われているかがわかりやすく記載されています。ひとつひとつをより美味しく味わえる気遣いだなぁと感動。


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「ん、これなんだろう」「クリームおいしい~」と、レシピカードと見比べながらパフェを堪能。話題にも事欠かないパフェの力を感じます。グラスが大きくて食べ応えがあり、フルーツ以外にも食材が多種使われていて飽きずに楽しめます。
パフェを食べながら、櫛引さんにシメパフェの話を聞きました。彼女自身は人と集まったり、話をするのが好きなので、お酒は得意ではなくても「飲み会」には参加するそうです。飲まない人同士ならカフェに行ったり、それこそ札幌ではシメパフェのお店に行くことも多かったようです。

1997年と2017年の飲酒習慣率の変化を調べてみると、20代女性で習慣的にアルコールを飲む人は3%しかいないのには驚きました。


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出典:さらに進んだ若者のアルコール離れ-20代の4分の1は、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=63562?pno=2&site=nli


確かにコロナ前から、性別年代関係なく、アルコールを飲まない人は目に見えて増えている印象がありました。職場の仲間や同世代の友人と仕事終わりに話をする誘い文句として「今日飲みに行く?」と声をかけることが多いけれど、飲めない人、飲まない人もある程度いることを考えると、食事メインだったり、カフェでしっぽりなアフター6も良いなぁと思います。

街で飲むという世界がいよいよ戻ってきたら、オープンしてから発揮できていなかったシメパフェの本領のみせどころ。札幌のムーブメントが東京でどう広がるのか楽しみです。ずっと我慢してきた誰かとの2次会に、あるいは飲まない時のおしゃべりの場所として、パフェというパワーアイテムがあるからこそ「飲みに行こう」ではなく「パフェ行こう」が成立すると感じました。

同店はシメパフェ以外にもドリンクメニューも充実しているので、カフェとしても使いやすそう。お持ち帰りできるフルーツサンドはお土産にも喜ばれそうです。

私自身はお酒が好きなので、ぜひ飲んだ後にまた来たいなと思います。じっくりと、大切な話をしたい人と一緒に。


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INITIAL Nakameguro
▶︎https://www.instagram.com/initial_nakameguro/

※商品や価格は2021年10月時点の情報です。



 

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著者情報

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よしだけいすけ
2020年5月よりカラビナハート株式会社に入社。10社ほどの企業SNSアカウントのコンサル・運用支援を行っている。公式アカウントのフォロワー増や投稿のノウハウだけではなく、目的に合わせた目標設計やビジネス貢献の可視化、再現性ある仕組み作り、SNS担当者のトレーニングが得意領域。2020年4月までは株式会社すかいらーくHDのマーケティング本部にてコンテンツコミュニケーションチームのリーダー。7つの公式Twitterアカウントを立ち上げて合計210万フォロワーに。広告宣伝のほかアプリ、メルマガ、公式サイト、ファン施策、ポイントプログラムなどを担当した。店舗勤務含めて15年間在籍。