女性特有の悩みを食で解消するサブスク「ムーントリーツ」

女性特有の悩みを食で解消するサブスク「ムーントリーツ」

2021年9月、「すべての女性を、我慢から解き放つ。」をミッションに掲げるセルフケアブランド「MOON TREATS(ムーントリーツ)」が誕生しました。メインとなる商品は、毛髪検査キットとスイーツBOX。毛髪検査キットで体に足りない栄養素を診断し、医師監修のもと開発されたスイーツで必要な栄養を補えるサービスを提供しています。株式会社eminessの代表取締役である小松佐保氏に、サービス立ち上げの経緯やブランドを通じて伝えたいメッセージをうかがいました。


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同ブランドは代表取締役である小松氏が「自分へのご褒美(TREATS)である”スイーツ”を起点に、まずはPMSと栄養価の関係性を知ってもらうきっかけにして欲しい」、「生理前に ”罪悪感” と共に暴食しがちなスイーツに、女性のココロとカラダが喜ぶ栄養素を付与することで、生理前を ”憂鬱な期間” としてではなく、”ご機嫌な期間” に変えて欲しい」との考えから生まれました。1人1人に必要な栄養素が詰まったグルテンフリー&ヴィーガンスイーツBOXを、単発購入・定期購入で販売。スイーツBOXの種類は、カルシウムやマグネシウムが入った「Relax」、鉄分を多く含む「Energy」など、体の状態に合わせて10種類以上を用意しています。

お話をうかがった方

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株式会社eminess 代表取締役
小松 佐保 氏

ボストンで刺激を受け起業
食で女性特有の悩みにアプローチ

ー株式会社eminessの立ち上げと「MOON TREATS」開発の経緯をお聞かせください。

小松氏(以下、小松):1年ほどアメリカのボストンに住んでいた期間があり、帰国後の1年間会社員として働いたのちに起業しました。ボストンはスタートアップ文化が根強く、起業家と投資家が集まるイベントが頻繁に開催されています。女性起業家にお会いする機会も多く、日本にいた時よりも起業を身近に感じたこともあり、滞在期間中に帰国したら起業しようと決意。1年ほど会社員として働きながら起業準備やブランドの開発を進め、退職とともに「MOON TREATS」をローンチしました。


ー「MOON TREATS」のコンセプトなどは、どのように固めていたのでしょうか?

小松:これまで食の領域でコンサルなどの経験を積み、米国代替医療協会認定IINヘルスコーチという、食と健康にまつわる資格も取得していたこともあり、私が事業をやるなら食×セルフケアをテーマにしたものが良いと考えていました。誰かを応援するプロダクトを作りたいという軸もあったので、女性起業家として食でできることを模索した時に、同じ女性の悩みを食で解決できるサービスとして生理やPMSに着目。起業する際には、ブランドコンセプトは決まっていましたが、具体的なプロダクトは未定でした。


ー生理やPMSなどがテーマになっていますが、ご自身の悩みなどと照らし合わせて考えられたのでしょうか?

小松:実はPMSや生理は重くないほうなんです。友人からの「毎月、痛くて辛くて起き上がれない」との声には驚くばかりでした。でも、彼女たちの話をよくよく聞くと食生活も関係していそうだと考えるようになり、私にできることがありそうだなと。

私自身が何かに挑戦し続けるパワーがあるのは、健康な心と体をもっているからこそ。幼い頃から健康的な食事を意識する環境があり、食をベースにセルフケアできる習慣が身についているおかげだと思っています。もちろん、薬やサプリ飲むのも不調を解決するひとつの方法ですが、ホルモンバランスが乱れやすいなら、まずは食を整えることからはじめてほしいんです。食事からセルフケアもできるし、健康が手に入れば、色んなことに挑戦できる。今回のサービスは、「食と健康について考えてほしい」というメッセージも込めています。

ブランドやサービス設計は
大切な友人を思い描いて

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ーメインターゲットはどういった方なのでしょうか?

小松:20代後半から40代前半の女性です。ブランドターゲットとしては、私の大好きなマンハッタンでバリバリ働く女性を意識し、キャラクターものや、ハート、ピンクなどは避けて、女性らしさを押し出しすぎないようにしています。

サービス開発の際には、「この子に刺さるサービスを」と考えた具体的なペルソナがいます。私の友人です。誰にでも受けるように作ると誰にも刺さらないので、たった一人のためのサービスを作りました。


ー今回のサービスをスイーツに絞ったのは、なぜでしょう?

小松:SNSや周囲の女性にヒアリングすると、「生理の期間は3食好きなものを食べたい」との意見がある一方で、「ストレスでスイーツをドカ食いして後悔してしまう」との声がありました。スイーツなら自分へのご褒美として、生理のネガティブな気分を上向きにできるのではと考えたのです。個人的に生理は毎月くる最大のサブスクだと感じていて、生理周期に合わせてお届けする、スイーツのサブスクという販売形態をメインに据えました。

またメインターゲットは、従来の健康食品やサプリの情報に不安を感じている人も多い層。プロダクトを信頼してもらえるよう、医師の監修や毛髪検査キットの数値に基づいた提案など、ファクトベースでの情報発信も意識しています。


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ーなるほど。毛髪検査キットは、手軽に検査できて確実な情報が手に入るのがいいですよね。

小松:体内の足りない栄養素を調べるのに、検査とひとことで言っても爪、尿、血液などいろいろあります。その中で、もっとも現実的でハードルが低いのが毛髪検査でした。自分の体を知れる上に、数値的に判断して商品を提案するので、自分で選ぶ手間が省けるのが嬉しいとのお声もいただいています。


ー商品開発はどのようにおこなったのでしょうか?

小松:医師にPMSや生理に関する論文などを集めてもらい、打ち合わせの上で私がスイーツのカテゴリを4種類設定。栄養素や大まかな食材を指定してパティシエに依頼し、試作を繰り返しました。動物性食品不使用でグルテンフリーであるのに加え、栄養素と美味しさを叶えるのは難易度が高く、サービスを立ち上げる中で商品開発が一番大変でした。サプリパウダーの使用も検討したのですが、化学的な原料に抵抗があり、ナチュラルな食材で仕上げたので、10種類の商品全てが完成するのに半年以上もかかりました。


ー食品ロス削減に貢献する食材も使われているんですよね。

小松:酒粕やおからなど、栄養価が高いにも関わらず廃棄されてしまう食材を使用しています。パッケージも可能な限りシンプルにして、地球環境に優しい商品を目指しました。


ー本当にさまざまなメッセージが詰まっていますね。今後はどのような展開を考えているのでしょうか?

小松:「MOON TREATS」はスイーツブランドと捉えられがちなのですが、スイーツはあくまで「食を整えることで、心や身体の悩みを緩和できる」ことを伝えるためのフックだと思っています。今後は食のブランドというよりも、セルフケアブランドとして展開していくことを検討しています。

そのため、生理やPMSをはじめ女性特有の悩みや、食生活の悩みを募集してLINEでMOON TREATSの監修医が回答する「相談室」のようなサービスも実施しています。女性特有の悩みは、ネットで検索しても何が正しいかわからないことも多いもの。「MOON TREATS」に頼れば、心が軽くなったり、悩みが解決できたりするような、女性に寄り添うブランドを目指しています。また、起業するには少し遅い年齢だったかもしれませんが、そんな私を見て「何歳でもチャレンジはできる」と思っていただけたら嬉しいです。


ーパワフルに突き進む小松さんの姿勢がブランドやサービスにも表れているようです。今後のご活躍も楽しみにしています。ありがとうございました。



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