SHIBUYA109ガールズが選ぶ2021年の食トレンド

SHIBUYA109ガールズが選ぶ2021年の食トレンド

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」が、独自ネットワークによる15〜24歳の女性545人を対象に、2021年のトレンド調査を実施しました。アーティスト、コスメなど8部門で大賞を選定。今回は、食トレンドに関わる「カフェ・グルメ部門」や「ヲタ活部門」の大賞を中心にご紹介します。(SHIBUYA109 lab.調べ)


若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」では、「ヒト部門」「アーティスト部門」「コンテンツ部門」「コスメ・スキンケア部門」「ファッション部門」「カフェ・グルメ部門」「体験部門」「ヲタ活部門」の8部門にわたるノミネート一覧を、13名の高校生・大学生と選定。その後、選択式アンケートをおこない、各部門のトレンド大賞を決定しました。トピックスは以下の通り。「体験部門」や「ヲタ活部門」にも食にまつわるコンテンツが食い込んでいます。

SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2021 トピックス
【ヒト部門】共通点は“みんながマネできるフォーマット”を持つ人
【アーティスト部門】特徴は日常のニュアンスを彩る楽曲
【コンテンツ部門】コンテンツを観てなくても楽しめちゃう仕掛けで波及
【コスメ・スキンケア部門】マスクメイクに対応した美容投資の配分―「ヘアケア」と「アイメイク」に注目
【ファッション部門】 1回のお出掛けに気合を入れる!1クセ追加し差別化コーデを楽しむ
【カフェ・グルメ部門】共通点は“背徳感”ボリュームやハイカロリー感を楽しむ!
【体験部門】気心の知れた友達と少人数で楽しむ。世界観が明確な体験を重視
【ヲタ活部門】創作ヲタ活大流行!ハンドメイドで楽しむヲタ活が主流に

【カフェ・グルメ部門】キーワードは背徳感!
ボリューム・ハイカロリー食

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2021年のカフェ・グルメ部門は、コロナ禍で外食が減ったこともあり、おうちで楽しめる食が多く挙げられました。2020年に引き続き、ボリューミーな見た目やハイカロリーな食が注目を集めています。


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1位 マリトッツォ
カフェだけでなく、コンビニなどでも展開され、幅広い世代でトレンドとなったマリトッツォ。2020年にトレンドとなったフルーツサンドに続き、ボリュームのある見た目が魅力です。

2位 地球グミ
TikTokでインフルエンサーが食べる姿が話題になった地球の形をしたグミ。包装を噛んで開ける様子が動画映えするため、マネするZ世代が多くみられ、一時は入手困難でした。

3位 かじるバターアイス
バター餅やあんバターサンドなど、バター味がトレンドになっている中、「バターをまるごとかじる背徳感を体験できる」と話題になりました。また今年はこの商品以外にもグミや飲料など、コンビニなどで購入できる商品が多く話題に。外食が制限されていたため、コンビニなどで気軽に楽しめる“エンタメ食(※)”に注目が集まったと考えられます。

※エンタメ食…普段の生活のための食事ではなく、カフェやお菓子など“楽しむための食事”のこと


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カフェ・グルメ部門へのノミネートのみで、ランクインしなかったものがこちら。韓国料理や台湾料理などもあり、日本にいながら旅行気分を味わいたいといった需要もみられます。

【体験部門】友達と少人数で。
世界観が明確な体験を重視

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遠方への旅行などが難しい中で、気心の知れた友達と少人数で楽しむ体験が人気となりました。また、空間の世界観やコンセプトが明確な体験が重視されており、中でもレトロな雰囲気を楽しめる体験がトレンドであることも特徴です。


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1位 都道府県スタバ巡り
6〜8月に展開されたスターバックスの「47JIMOTOフラペチーノ」。都道府県ごとのご当地フラペチーノが発売され、ドライブで密を避けながら各地方のフラペチーノを味わいに出かける人がみられました。Z世代の間では、発売前から「自分の地元のフラペチーノはこれだった!」や「ここの都道府県のフラペチーノ飲んでみたい」などのコメントがSNSで投稿され、コミュニケーションが生まれていました。

2位 おしゃピク・海ピク
密を避けたオープンエアな環境で楽しめる「ピクニック」が体験としてトレンド入り。2016年頃から話題となりはじめた「おしゃピク=おしゃれなピクニック」に加え、2021年は海でピクニックをする「海ピク」が特にトレンドに。学校が時差登校になり、朝の時間に余裕ができたことで、「朝に海ピクを楽しんでから登校した」という声もありました。

3位 ホテル女子会・ホカンス
「ホカンス」とは「ホテル」と「バカンス」を合わせた造語で、ホテルに泊まりながらバカンス気分を味わうこと。都内近郊に格安で楽しめるコンセプチュアルなホテルが増え、仲の良い友達と宿泊し、ヲタ活や誕生日会などの「ホテル女子会」を楽しむZ世代が多くみられました。ホテルの空間コンセプトを重視して、どのような写真が撮れるのかSNSで確認しつつ宿泊先を決定している様子も見られています。


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「おうち居酒屋」「おうち縁日」など、ランクインしなかったものも、グルメのトレンドとリンクしていることがうかがえます。

【ヲタ活部門】カフェ巡りで
自ら生み出す推しとの時間

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多くのZ世代が楽しんでいるヲタ活。引き続き、推しと直接会う機会が少ないなかで、手作りで楽しむ「創作ヲタ活」が主流となりました。推しとの繋がりを保つためだけでなく、SNSに投稿することでヲタ友とのコミュニケーションのきっかけづくりにもなっています。


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1位 推しグラス
透明のコップに推しの名前を書いたクリアテープを貼って作るグラスです。今年トレンドとなった「おうち居酒屋」などと合わせて楽しまれるケースも多くみられています。
またグラス以外にも、推し傘や推しゴーグルなど、クリアテープを活用した創作グッズも見られました。

2位 センイルケーキ
「センイル」は韓国語で誕生日を意味しており、推しの誕生日や記念日をお祝いするために用意されるケーキのこと。もともとK-POPヲタの間で楽しまれていたカルチャーですが、今はジャンル問わず幅広いヲタ活に転用されています。特注したり、手作りなど、楽しみ方はさまざま。今年はティアラをケーキに乗せた「ティアラケーキ」もトレンドとなりました。

3位 推しとカフェ巡り
カフェに行く際に、推しのアクスタ(アクリルスタンド)などのグッズを持参し、写真を撮って楽しむ「推しとカフェ巡り」。今年はカフェだけでなくヌン活(アフタヌーンティー活動)もヲタ活の場に。カフェやヌン活は推しとの時間を自ら作り出すためのツールとなっています。


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推しメンの担当カラーを反映した「メンカラクリームソーダ」は、ヲタ活層ならではの食の楽しみ方といえるでしょう。

共通点は「オリジナリティ」より
「再現性の高さ」

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2021年トレンドの共通点について、SHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣氏は以下のように分析しコメントしています。

「Z世代の2021年のトレンドの共通点はオリジナリティよりも「再現性があること」です。彼らのトレンドの発端は常にSNSですが、中でも誰でも気軽に真似して楽しめるフォーマットがあることが重視されています。

このフォーマットがコピーされ、更に多くのZ世代に広まることで大きなトレンドとなります。これは、SNS上で友達とのコミュニケーションを生み出す行動に重きを置いているZ世代ならではのトレンドの生まれ方と言えるでしょう。

トレンドの主導権が常にSNSとなっている今、企業としてZ世代にアプローチする際も、オリジナルのものを提供するのではなく、彼らの世界に参加していく姿勢に切り替えていくことが必要です。」


学校での情報のやり取りやSNSなど、拡散力がありトレンドの発端となるZ世代は、グルメトレンドの火付け役としても注目しておきたいところ。2022年はどんなトレンドが生まれるのでしょうか。今後の動向に注目です。



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