[トレンド調査隊]カヌレブーム再燃。トロリ半熟の進化系も

[トレンド調査隊]カヌレブーム再燃。トロリ半熟の進化系も

急上昇のトレンドメニューを調査する「トレンド調査隊」。近年レシピの検索数も増え、第二次ブームがきていると言われる2022年の注目スイーツ「カヌレ」について調査します!

カヌレとは

12799_image01.jpg

カヌレとは、外はカリっと固く、中はモチっと柔らかい食感が特徴のフランスの伝統菓子のことです。正式名称を「カヌレ・ド・ボルドー(cannelé de Bordeaux)」といい、カヌレ(cannelé )はフランス語で「溝のついた」という意味。溝のついたカヌレ型に蜜蝋(※)をぬって生地を焼き上げます。
諸説ありますが、名前の通りフランス・ボルドー(Bordeaux)地方の修道院が発祥。ボルドーはワインの銘醸地でもあり、ワインの熟成中に澱(おり)を取りのぞく工程で、多くの卵白が使用されます。余った卵黄を活用するために作られたのがカヌレだといわれています。

※蜜蝋とは、ミツバチが巣を作るために分泌する蝋(ロウ)のこと。

ブームは2回目?
全国に広まるカヌレブームの背景

カヌレは、1990年代後半に日本に上陸し、ピエール・エルメが発売して話題に。第一次ブームが巻き起こり、洋菓子店やベーカリーなどにもカヌレが並び、広く認知されるようになりました。2012年以降も、芦屋の洋菓子の名店「ダニエル」、カヌレ専門店「カヌレ堂 カヌレ ドゥ ジャポン 桜川店」など、関西を中心にじわじわ人気は広がり焼き菓子のひとつとして定着しました。

現在、第二次ブームともいわれ、焼き菓子店以外にレストラン、カフェでもカヌレを看板商品とするお店も登場。ホテルのアフタヌーンティーメニューにも取り入れられ、アフタヌーンティーを楽しむ「ヌン活」人気と相まって注目を集めています。

小ぶりで見た目もかわいらしく、手土産に手頃。コロナ禍では自分用のご褒美、お取り寄せスイーツとしても選ばれるようになっています。バリエーションも増え、新たに登場した「半熟カヌレ」は2022年トレンド予測でネクストトレンドのスイーツとして挙げられています。

▶食トレンド予測2022
https://static.cookpad.com/campaign/foodtrend2021/forecast2022/
▶今年を代表する注目料理は?食トレンド大賞2021を発表
https://foodclip.cookpad.com/12346/

専門店も拡大中!
人気のカヌレが食べられるお店5選

第一次ブームから続くお店のほか、個性派のニューカマーも。その波は全国に広がっており、人気ぶりがうかがえます。

大阪 芦屋:カヌレの名店「ダニエル」
▶︎http://unaginonedoko.com/
関西、大阪でカヌレといえばココ!といわれるほどの名店。老舗の洋菓子店で、カヌレが看板商品です。

東京 練馬:本格パティスリー「アルカション 本店」
▶︎https://arcachon.co.jp/
カヌレ発祥の地であるボルドー地方の地名、アルカションが店名となっている洋菓子店。日本の名店やフランスで修行したシェフによる伝統的なカヌレが味わえます。

東京 原宿:見た目も美しい半熟カヌレ「カヌレ専門店 ボブ(boB)」
▶︎https://anlg.jp/aurum/bob/
2021年4月オープン。銀座のトリュフ専門レストラン「AURUM+truffle」が作り上げた半熟カヌレの専門店です。花束のような美しい見た目にこだわり、旬のフルーツを使用したスイーツ系から食事系まで、バリエーション豊かなカヌレがあります。

大阪:日本の四季を傘ねた「カヌレ堂 CANELÉ du JAPON」
▶︎http://canele.jp/
日本の味と季節を感じる「日本のカヌレ」がコンセプトの専門店。大阪で3店舗構えています。月替わりで和の食材を取り入れた商品を展開するなど、オリジナリティ溢れるカヌレが味わえます。

京都 京都市:店名そのままの人気カフェ「カヌレ」
▶︎https://cannele.base.shop/
京都のカヌレが看板メニューのカフェ、その名も「カヌレ」。濃厚でもちっとした食感が評判で、売り切れ必至の人気店です。

在宅時間のお菓子作りに
カヌレのレシピ検索頻度が上昇

12799_image02.jpg

クックパッドのレシピ検索から見ても、その注目度は歴然です。2019年以降、検索数が伸長し、2020年からは一気に上昇。在宅時間にお菓子作りにチャレンジする生活者が増え、その選択肢としてカヌレを選ぶ人も増えていると考えられます。

「〇〇なし」の組み合わせ検索に見る
カヌレに求めるもの

12799_image03.jpg

組み合わせ検索では「簡単」がトップに。「型なし」「ラム酒なし」などのキーワードも上位で、「型なし」からは、本格的な型がなくても作れるレシピを探している人が多く、新たにカヌレ作りを始めようとしている人が増えていることがうかがえます。加えて、「ラム酒なし」からは、子どもと一緒に食べたり作ったりするニーズが増えたとも考えられます。
2018年以降、「米粉」が再び上昇していることから、ヘルシー志向、グルテンフリーなどアレルギーを考慮したお菓子を作りたい層が増えている、とも推測できます。

クックパッドで人気の「カヌレ」レシピ4選

おうちで簡単☆カヌレ by まるまる研究所さん
https://cookpad.com/recipe/5643657
12799_おうちで簡単カヌレ.jpg
簡単にできる超定番、基本のカヌレの作り方です。


外はカリッ中はトロッ♡とろける半熟カヌレ by ♪♪maron♪♪ さん

https://cookpad.com/recipe/6975061
12799_外はカリッ中はトロッとろける半熟カヌレ.jpg
最近話題の半熟カヌレが自宅で再現できるレシピです。


カヌレ・ド・ボルドー by*miokaレシピ*さん

https://cookpad.com/recipe/5254932
12799_カヌレ・ド・ボルドー.jpg
プロ顔負けの本格的なカヌレ・ド・ボルドーが作れるレシピです。


米粉と豆乳の抹茶カヌレ by OYATUYA37さん

https://cookpad.com/recipe/2246184
12799_米粉と豆乳の抹茶カヌレ.jpg
米粉を使用したグルテンフリーのレシピ。抹茶と豆乳の和風カヌレです。

バリエーション豊かなカヌレ
ブーム継続が期待できる

半熟カヌレのカリッとモチモチトロトロの食感や、進化系カヌレのSNSに映える見た目は、トレンドとなる要素を備えているといえます。第一次ブーム以降、定番としての地位を着実に確立していったカヌレは、これからも日本人の心を掴み、2022年はさらなる人気スイーツとなるでしょう。



writing support:Miyuki Yajima



この記事が気に入ったらフォロー

ニュースレター登録で最新情報をお届けします!





著者情報

著者アイコン
FoodClip
「食マーケティングの解像度をあげる」をコンセプトに、市場の動向やトレンドを発信する専門メディア。
月2-5回配信されるニュースレターにぜひご登録ください。 
登録はこちら>>> https://foodclip.cookpad.com/newsletter/
twitter : https://twitter.com/foodclip