オレンジワインが第4のカテゴリに。自然派ブームも後押し

オレンジワインが第4のカテゴリに。自然派ブームも後押し

近年ワイン界で注目され、ブームを巻き起こしているオレンジワイン。その歴史は古く、ワイン発祥当時からあるといわれています。そもそもオレンジワインとはどのような製法で作られているか解説しながら、自然派ワインやジョージア料理などのトレンドと合わせて、なぜ今日本で注目を集めているのかを紐解いていきます。

オレンジワインとは?アンバーワイン

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オレンジワインとは、白ブドウを使って赤ワインと同じ製法で作られたワインのこと。白ワインのフルーティーな香りや爽やかなキレ、赤ワインの渋みや濃厚さを兼ね備えたワインとして近年人気を集めています。

フルーツのオレンジで造られたワインではなく、ワインの色がオレンジ色なので「オレンジワイン」と呼ばれるようになりました。この名称は2000年代に生まれた造語で、明確な定義はありません。

ジョージアが発祥?オレンジワインの歴史

近年よく耳にするオレンジワイン。歴史は意外にも長く、約8000年前にも遡ります。起源は、現代のワインの祖でもあるジョージアの伝統的な素焼きの甕で作るワインといわれ、ジョージアはワイン発祥の地としても有名です。現地ではアンバーワインと呼ばれています。
アンバーワインは、旧ソビエト連邦の一国で支配下にあったため、諸外国に広まることはなく、主に国内のみで流通していました。1991年にジョージアが独立し、イタリアのワイン生産者のヨスコ・グラヴナー氏がその魅力に着目。自身でも製造するようになったことから世界に広がり、イギリスのワイン商がオレンジワインと名付けたことで一気にトレンド入りしました。現在、ヨスコ・グラヴナー氏は、オレンジワインの巨匠ともいわれています。

近年はヨーロッパをはじめ、オーストラリアやアメリカなど世界各地で造られるようになっています。日本でも2019年頃から製造するところが増え、国産のオレンジワインにも注目が集まっています。

赤ワイン、白ワイン、オレンジワイン
それぞれの特徴と違い

赤ワイン、白ワイン、オレンジワインはそれぞれ、製造方法、色合い、味わいに違いがあります。

赤ワイン:
黒ブドウの果汁を搾り、果皮や種子とともに発酵させ、その後、果皮や種子を取り除いてろ過することで完成します。赤~赤紫~黒に近い色合いで、ベリーっぽい味わいや、渋み、苦みは、赤ワイン特有といえるでしょう。

白ワイン:
白ブドウの果汁を発酵させて造ります。多くは果皮や種を取り除きますが、種も皮を漬け込んで発酵させる醸し発酵で作られることも。黄味がかった白〜黄金色で、透明感のある色合い。さわやかな香りや、スッキリした味わいやキレなどを感じるワインが多いのも特徴です。

オレンジワイン:
白ブドウが原料で、赤ワインと同じ製法で造られているワインです。伝統的な製法は、クヴェヴリという卵型をした大きな甕(かめ)を土の中に埋め、白ブドウを発酵させる方法ですが、現在は世界で様々な製法で作られています。
果皮や種子も一緒に漬け込んで発酵させるので、白ワインの色が濃くなったようなオレンジ色。赤ワインと白ワインのいいところどりで、どんな料理ともマッチするといわれています。

味わいや色だけじゃない?
オレンジワインが世界で人気になった3つの理由

ここ数年で、オレンジワインは赤、白、ロゼに続く第4のカテゴリーとして注目され、知名度もぐっと上がってきています。その理由は、主に以下の3つと考えられます。


人気の理由1:
自然派ワインが世界的にブーム

2000年代に入ってから、自然派ワイン(ナチュラルワイン)が世界的に注目を集め、日本にもブームが上陸。オレンジワインの特性が自然派ワインブームとマッチしたのが、人気のきっかけといわれています。

自然派ワインを謳う上で重視されるのが、添加物。白ワインは赤ワインとは違い、酸化防止の役割も担うタンニンが入っていないため、亜硫酸という添加物を加えざるを得ません。一方で、白ぶどうを使いながらも皮や種ごと醸すオレンジワインには、タンニンが含まれるため添加物の少ない製造が可能です。自然派ワインブームのなかで、添加物の少ない新ジャンルのワインとして注目されるようになり、オレンジワインの認知度が飛躍的にアップしました。


人気の理由2:
柔軟で新しいペアリングが魅力

オレンジワインは、白ワインと赤ワインのちょうど中間の特徴を持っています。そのため、オレンジワインによって、面白いフードペアリングができる点も人気の理由。幅広い料理とペアリングしやすいだけでなく、これまではワインと合わせにくいとされていた料理でも新たなペアリングが楽しめ、ワイン好きのみならず、新鮮さを求めるお酒好きの心も掴みました。


人気の理由3:
いま日本では、ジョージア料理が熱い!

特に日本においては、近年ジョージアの食への関心が高まっています。そのきっかけとなったのが、牛丼チェーン「松屋」の「シュクメルリ鍋定食」。日本人の味覚に合い、コンビニやスーパーでもジョージア料理の商品が並ぶなど、人気を集めています。このジョージア料理は、もちろんジョージア発祥であるオレンジワインとも相性抜群。人気を後押ししているひとつの理由といえそうです。

関連記事:ジョージア料理が人気急上昇。松屋のシュクメルリがきっかけ

健康志向や環境配慮から、お酒も自然派へ。
オレンジワインの可能性は?

飲食店や小売店で扱うお店が増えているオレンジワイン。新しい味、見た目で関心を集めるだけでなく、昨今のSDGsの観点や健康志向の高まりによって、自然派というキーワードは多くの人に刺さる要素です。積極的にオレンジワインを選びたいという生活者はますます増え、今まで以上にニーズが高まっていくのではないでしょうか。

また、料理を選ばず合わせやすい味わいのオレンジワインは、日本食との新たなペアリングも期待できます。また、国内のオレンジワインも続々登場し、クオリティも上がっていくばかり。今後の人気も、さらに高まっていくことが予想されます。



writing support:Miyuki Yajima



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