
食トレンド
アウトドアスパイスが話題!キャンプブームが追い風に
昨今のアウトドアブームの影響で話題を集めているアウトドア用スパイス。数十種類のスパイスがブレンドされているため、振りかけるだけで本格的な味わいが楽しめ、アウトドア愛好家のみならず、家庭料理の調味料としても受け入れられています。今回は火付け役であるアウトドアスパイスの「ほりにし」と、アウトドア用スパイスの人気の理由について、解説します。
アウトドアスパイスとは「ほりにし」のこと!?
アウトドアスパイスは、和歌山県にあるアウトドアショップ「 Orange」が開発したアウトドア向けの万能調味料「ほりにし」の商標です。
近年は、アウトドアシーンで本格的な料理が簡単に楽しめるように開発された「ほりにし」以外のアウトドア用スパイスも人気です。複数のスパイスがブレンドされており、他の調味料を使わなくとも味が決まるため、荷物が多くなりがちなアウトドアシーンで重宝されています。
コロナ禍のアウトドアやバーベキュー需要がきっかけに
アウトドア用スパイスに注目が集まったのは、コロナ禍以降、アウトドアブームがきっかけ。特に「ソロキャンプ」は、2020年の流行語に選出されるほどのブームを巻き起こしました。
ご飯は、アウトドアの醍醐味のひとつ。アウトドア用スパイスは、まぶすだけで手間なく本格的な味わいを楽しめることから、「荷物を少なくしたい」「テントの設置など準備に時間がかかるので手の込んだ料理が作れないけれど、おいしい料理が食べたい」といったニーズを捉え、愛好家のみならず幅広い層に支持されています。
近年はアウトドア人気の波に乗り、バーベキューも注目を集めています。分厚い塊肉をスパイスで調味し、炭火でじっくり調理するアメリカンスタイルのバーベキューが取り入れられている背景も、近年のアウトドアスパイスへの人気を高めていそうです。
また本格的な味わいが楽しめ、サラダやご飯にかけるなどアレンジも多様で、家庭料理でも使いやすいとメディアなどで話題に。SNSではアウトドアスパイスを使ったレシピが投稿され、賑わいをみせています。
アウトドア用スパイストレンドの火付け役「ほりにし」
とりわけ人気が高いのが、アウトドア用スパイスのオリジネーターともいわれる「ほりにし」です。
「ほりにし」は、和歌山県にあるアウトドアショップ「Orange」が、手軽に使えて1本で食材をおいしくできる調味料として、開発した商品です。商品名の「ほりにし」は開発を手がけたマネージャーの堀西 晃弘氏の名前からつけられ、「アウトドアスパイス」の商標も、ほりにしの販売元である株式会社ミモナが取得しています。
同商品は5年もの歳月をかけて開発され、20種類以上の厳選されたスパイスと醤油、フランス料理でも用いられるミルポワパウダー、ガーリックなどを使用。和と洋のテイストがバランスよくブレンドされています。
2019年4月に販売を開始したところ、キャンプ愛好家を中心に口コミで話題になり、瞬く間に大ヒット。スーパーなどに置かず販路を限定したことで、希少価値の高さが生活者の購買意欲をいっそう高め、発売からわずか1年で約10万本を販売する大ヒット商品となりました。
クックパッドでも「ほりにし」の検索頻度が急上昇
クックパッドでも、「ほりにし」の検索頻度が前年比519.1%と伸長。アウトドアブームに加えて、コロナ禍の自炊回数増加により、いつもの食卓に変化を加えたいというニーズがうかがえます。
「ほりにし」を使ったクックパッドレシピ4選
具材たっぷり!スパイス香る中華粥 by 山ごはん隊・トモミンさん
https://cookpad.com/recipe/6647140
味付けは「ほりにし」を加えるだけ!簡単に中華粥が作れるレシピです。
アサリと菜の花のアクアパッツァ風 by ビューティキャットさん
https://cookpad.com/recipe/6710736
魚介とも相性抜群。手軽にアクアパッツア風を楽しめます。
ほりにしのミルフィーユ鍋 キャンプにも! by NUINUIさん
https://cookpad.com/recipe/6512983
スープの味付けに「ほりにし」を使用した鍋のレシピです。
ほりにしチーズクラッカー by みき*tetoさん
https://cookpad.com/recipe/5991149
ほりにしを生地に練り込んだチーズクラッカーのレシピです。おつまみに最適。
アウトドア用スパイスは激戦に
当初、話題となっていたアウトドア用スパイスの多くは、食肉店やアウトドアショップが手がけていましたが、ブームにより続々と個性豊かなアウトドアスパイスが登場。大手の調味料・スパイスメーカー、アウトドアブランドも参入し、市場を賑わせています。
かしわ屋くろ瀬「黒瀬のスパイス」
▶︎https://kashiwaya-kurose.com/menu/
福岡県の鶏肉販売店「かしわ屋くろ瀬」が手がけ、ほりにしやマキシマムと並んでメディアに紹介されることの多い人気商品です。醤油ベースで肉や魚にも最適。
中村食肉「マキシマム」
宮崎県の中村食肉が手がけた商品で、カルディなどでも取り扱われる万能スパイスです。アウトドア用スパイスとして注目を集め、一時入手困難になりました。
リベルタ「アウトサイドハーブスパイス」
▶︎https://liberta-online.jp/shop/products/01799331
大手スパイスメーカーの「GABAN®」とキャンプ番組のMCも務める田中ケン氏とのコラボ商品も登場。焚火料理にマッチする仕上がりです。
CHUMS「チャムスオリジナルスパイスマイルド」
▶︎https://www.chums.jp/shop/c/c5520/
アウトドアメーカー「CHUMS」のアウトドア用スパイスはマイルドとホットの2種類を展開。バーベキュー用のドライスパイスやソースなども登場しています。
テンマクデザイン「テンマク」
▶︎https://www.tent-mark.com/wahuu_umami_spice/
アウトドアブランドのテンマクデザインが手がけるのは、醤油やかつおの風味を生かした和風旨味スパイス。おにぎりやカプレーゼなど、シンプルな食材も味が決まるよう作られました。
有野実苑オートキャンプ場「ちこりこMAX」
▶︎https://activeknock.stores.jp/items/5f20fd8ed3f16709ab21f20c
千葉県山武市にある有野実苑オートキャンプ場と地元の醤油メーカー「大高醤油」がコラボして生まれたオリジナルキャンプスパイス。地元の魅力を伝えるオリジナルアイテムを開発している、有野実苑オートキャンプ場ならではの商品です。
2022年のアウトドアシーズンに人気加速か
アウトドアブームはコロナ禍以降、加速しています。キャンプのハイシーズンでもあるGW以降は、アウトドア用スパイスの人気がさらに上昇しそうです。そのシーズンを目がけて、新規参入する企業も現れるのではないでしょうか。すでに家庭料理でも取り入れられている流れにともなって、今後は一家に一本ストックされる存在になるかもしれません。
「キャンプ飯」などのキーワードが注目される昨今。アウトドア用スパイスのみならず、アウトドア×食のジャンルには、まだまだ新たなトレンドの種が眠っていそうです。
writing support:Yuko Kondo
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