
企業・業界動向
オーケー、花王製品「値上げで一部販売中止」消費者はどう感じた?
フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitoriz(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から月間1500万枚のレシートを収集する国内最大規模の(提携サイト含める)、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ(以下、POBデータ)」を活用し、生活者の購買行動を分析しています。
原材料高を理由に洗濯洗剤などの値上げを表明した「花王」に対し、首都圏地盤で低価格が売りのスーパー「オーケー」が反発し一部の製品の販売中止に関する報道が2月16日にありました。背景として、花王は原材料の価格の高騰を受け、3月以降に洗剤や紙おむつなどを、実質的に値上げする方針を打ち出し、オーケーによると、花王側の仕入れ価格を値上げするという申し入れをきっかけに、取り扱う商品について見直しをしたと言い、顧客の要望に応じて、販売再開も検討するとしています。注目スーパー「オーケー」と日用品最大手「花王」ということもあり、大きく報道され、消費者はどう受け止めたでしょうか。
全国の消費者1884人(エリア別では、関東41.7%、関西21.7%、中部15.1%、九州7.6%、中国四国5.0%、東北4.7%、北海道4.2%)に、2022年2月16日~17日にかけてアンケートを実施しました。
調査結果概要
・「オーケーによる花王一部製品の取り扱い中止に関するニュース」の認知度は、全体1884人のうち、「知っている」と回答した人は(全国平均38.8%)オーケーのマーケットシェアが高い関東在住の782人になると、(46.1%)で半数近く。
・直近半年以内にオーケーで花王製品の購入経験がある108人に、この報道を受けてどう感じたか尋ねると、「原材料や物流費の高騰による値上げはしょうがないこと」(43.0%)が最多回答で、「いつもかっていた花王製品がオーケーで扱いがなくなると困る」(31.8%)、「エブリデーロープライスを貫いていると思う」(30.8%)を挙げる割合も多く、「オーケーの商品は他社よりも安いため、花王製品が値上げになってもあまり気にしない」(28.0%)、「価格が高くなってもいいからいつも買っていた花王製品を置いてほしい」(17.8%)顧客としての要望も挙がった。
・またオーケー来店時に購入予定の花王製品がなかった場合、「購入予定だった花王製品を他のお店で買う」(57.0%)が半数を超え、花王製品に対する商品やブランドに対するロイヤルティの高さが伺える。
オーケーが花王製品の一部取りやめに関する報道の認知度はおよそ4割
まず、「オーケーによる花王一部製品の取り扱い中止に関するニュース」の認知度は、全体1884人のうち、「知っている」(38.8%)となり、全国的にも関心の高さが伺え、オーケーのマーケットシェアが高い関東在住の782人になると、半数近くの(46.1%)となり、全国平均値より+7.3pt上回りました。
続いてアンケートでは、直近半年以内にオーケーで花王製品を購入したことがある108人を対象に、今回の報道を受けてどのように感じたか、今後商品の買い方に変化があるのかさらに聞いてみました。
この報道に関して、普段オーケーで花王商品を買う人はどう思った?
まず、「今回のオーケーの花王製品に対する報道を受けて感じたこと」を尋ねると、世界的な物価の上昇や現在の状況を考えると「原材料や物流費の高騰による値上げはしょうがない」(43.0%)と考える人が最も多くなりましたが、「オーケーで購入していた花王製品の扱いがなくなると困る」(31.8%)、「エブリデーロープライスを貫いていると思う」(30.8%)を挙げる割合も多い結果となりました。また、「オーケーの商品は他社よりも安いため、花王製品が値上げになってもあまり気にしない」(28.0%)、「価格が高くなってもいいからいつも購入していた花王製品を置いてほしい」(17.8%)顧客としての要望も挙がりました。
オーケー利用者、花王商品に対するロイヤリティが高い。半数以上が他の店で買うと回答
また、「オーケー来店時にいつも購入していた花王製品がない場合、どのような行動をするか」尋ねると、「購入予定だった花王製品を他のお店で買う」(57.0%)で、「他社メーカーの同様の製品をオーケーで買う」(36.4%)を上回りました。
コメントをみると、「我が家は花王製品を沢山使用しているので、花王製品が棚に無ければ、花王製品と食品等を一緒に購入できるお店に変えるかもしれない(50代女性)」「近所のドラッグストアで割高にはなるが購入せざるを得ないと感じた(50代男性)」など、花王の商品やブランド対するロイヤルティが高い消費者のは購入店舗が替わることが伺える一方で「前から今まであった商品が仕入れ値の高騰によって取り扱いなくなることはあったので気にならない(30代女性)」「花王の商品が無くなったとしても、OKに買い物に行く頻度は変わらない(40代女性)」など、商品の入れ替えや選択肢が減ったとしても、利用し続けるなど様々な意見が挙がりました。
商品の値上げラッシュが続き、値上げに踏み込んだ「花王」とエブリデーロープライスの姿勢を貫く「オーケー」、これによる競合他社や小売りチェーン、消費者の動きに注目したいと思います。
●調査概要
2022年2月16日~2月17日
インターネットリサーチ
調査期間:株式会社mitoriz
Point of BuyⓇデータベースとは?
Point of BuyⓇデータベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ」 https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos/
■【株式会社mitoriz】 https://www.mitoriz.co.jp/
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著者情報

- 株式会社mitoriz
- その商品が「なぜ・どう買われたか?」レシート分析で解き明かす。
市場調査会社mitoriz(東京都/木名瀬博)が、月間1500万枚のレシートを収集する、国内最大級の消費者購買データベースを活用し、小売業界・消費財メーカー様が気になる消費実態を独自調査で明らかにします。
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