ゼロウェイストを意識した外食も。地方自治体や企業の取り組み事例

ゼロウェイストを意識した外食も。地方自治体や企業の取り組み事例

貴重な自然を守り続けるため、未来に負の遺産を残さないために不可欠な「ゼロウェイスト」の取り組み。さまざまな事例を紹介しながら、行政、企業、個人が進めていきたい取り組みや、今後の動向について紐解きます。

ゼロ・ウェイスト(ゼロウェイスト)とは

ゼロウェイストとは、ごみや廃棄物の発生をゼロにすることを目指し、できるだけ無駄や浪費を減らす考えのことです。ウェイスト(waste)は直訳すると無駄や浪費を意味し、ごみをどう処理するかではなく、そもそもごみを出さない社会を目指していくものです。

1996年、オーストラリアの首都キャンベラが世界で初めて「ゼロウェイスト宣言」を出し、ヨーロッパや北米の都市でも宣言を掲げるようになりました。近年は、ごみ問題や環境破壊への意識の高まりから、世界中で広まっています。

日本の先駆けは徳島県上勝町
ゼロ・ウェイストを宣言する市区町村

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日本では、現在5つの自治体がゼロ・ウェイストを宣言しています(2022年2月現在)。

徳島県上勝町

2003年、日本で初めてゼロ・ウェストを宣言した都市が徳島県の上勝町です。上勝町ではごみ収集をおこなっておらず、町民自らゼロ・ウェイストセンターに持ち込み、さらに自ら13種類45分別に細かく分別します。それらを活用した結果、リサイクル率は 80%を達成しています。
また、2017年には飲食店向けにゼロ・ウェイスト認証をスタート。事業所の取り組みや従業員教育など8種類の基準で審査し、通過した店舗は認証店として認められます。これによって店舗のブランド価値向上、町の経済効果に貢献にも繋げることを目指しています。町が一丸となってゼロ・ウェストに本気で取り組む活動や仕組みづくりは、国内のみならず世界からも注目されています。
▶︎https://zwtk.jp/

福岡県大木町

未来のために無駄のない町の暮らしを目指そうと、2008年に「大木町もったいない宣言」を公表したのが福岡県の大木町です。生ごみの分別回収をおこない農作物の肥料として農地に返す取り組みや、資源物だけで27種類の分別収集をおこなうなどし、実際に13年間で約40%の可燃ごみ削減を実現しています。
▶︎http://www.town.ooki.lg.jp/soshiki/machizukuri/kankyo/kikou/7/1422014520001.html

熊本県水俣市

熊本県水俣市は「水俣がめざすゼロ・ウェイストのすがた」に向けて、2009年に「ゼロ・ウェイストのまちづくり水俣宣言」をおこないました。四大公害病のひとつである水俣病を発生した経験を活かし、産業廃棄物処理場建設への反対運動、高度分別回収、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の活動を推進。「自然と共に生きる」をテーマに取り組みを進めています。
▶︎https://www.city.minamata.lg.jp/kankyo/kiji00377/index.html

奈良県斑鳩町

2017年にごみを燃やさない、埋め立てないまちを目指し「斑鳩まほろば宣言」を制定。町内のごみ焼却処理の廃止、ごみの資源化、ごみ分別体験ステーションの設置などの活動を推進しています。
▶︎https://www.town.ikaruga.nara.jp/0000000728.html

福岡県みやま市

2020年に「みやま市資源循環のまち宣言」が採択されました。未来に向けて資源循環のまちを目指すことを決意し、バイオマスセンターで生ごみを肥料やエネルギーとして利用する、エネルギーの地産地消、環境教育などを積極的におこなっています。
▶︎https://www.city.miyama.lg.jp/s036/kurashi/050/090/20210817110840.html

日本でも広まるゼロ・ウェイスト
具体的な取り組み内容は?

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日本でも広まり始めたゼロウェイスト、企業や事業者における具体的な取り組みを紹介します。

ゼロ・ウェイスト×小売店
事例5選

ゼロウェイストスーパー、バルクショップ(Bulk Shop)とは、いわゆる量り売りショップのことで、欧米では広く浸透している買い物スタイルです。包装が最小限でゴミも削減でき、容器を持参すればゴミが出ません。欲しいものを必要な分量だけ買うことができるので無駄が出ず、食品ロス削減にも繋がります。

斗々屋
日本初のゼロ・ウェイスト・スーパーは、2021年7月に京都でオープンした「斗々屋」です。オーガニック食材や量り売り什器などを販売する株式会社斗々屋が運営。量り売り食材から石鹸や生活雑貨など日用品まで、取り扱い点数は数百種。店内すべての商品は個包装せず販売されています。
https://totoya-zerowaste.com/

無印良品
無印良品の一部店舗では、2020年9月からお菓子の量り売りがスタート。さらにお米やパスタ、コーヒー豆、シリアル、茶葉などが好きな分量で購入できる店舗もあり、洗剤などの生活用品のほか、マフラーなどユニークな量り売りもおこなっています。
https://www.muji.com/jp/ja/shop/assort/923

ビオ・あつみ エピスリー豊橋
愛知県でスーパーマーケットとレストランを展開している渥美フーズの「ビオ・あつみ エピスリー豊橋」。デリコーナーの量り売りでは、容器で持参すれば店内で使える木のお金がもらえます。調味料やドライフルーツでも量り売りを実施。少量から購入でき、容器の価格分安く買えるのもメリットです。
https://toyohashi.bioatsumi.com/

ローソン
コンビニ大手のローソンでは、ナチュラルローソンで始めていた日用品の量り売りに加え、2021年7月からは5店舗で食品のセルフ量り売りをスタートさせました。さらに2021年11月には、ローソンの店舗でも洗剤やシャンプーなど日用品の量り売りを始めています。
https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1444395_2504.html

HACARI(ハカリ)
HACARIという名の通り、農家直送の新鮮な野菜や果物、生鮮食品が、グラム単位で購入できる八百屋です。
https://store.hacari.jp/

ゼロ・ウェイスト×外食
事例3選

ごみゼロを目指し、ゼロウェイストを掲げる飲食店も増えています。

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
日本のゼロ・ウェイストの先駆け、徳島県上勝町にあるマイクロ・ブリュワリー「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」が東京でもタップルームを出店。ゼロ・ウェイストの理念に基づいて製造したビールを提供し、店の内装やスタッフユニフォームも3Rを意識しています。
https://www.kamikatz.jp/ja/taproom.html

スターバックス
スターバックスは、ごみ削減、CO2排出減、水の使用減などの環境配慮型店舗「グリーナーストア」の日本1号店となる「皇居外苑和田倉噴水公園店」を2021年12月にオープンしました。グリーナーストアとは、世界自然保護基金(WWF)とスターバックスで共同策定した国際認証です。
https://lifehugger.jp/news/starbucks-eco-friendly-store-tokyo-2021/

IKEA
2021年5月、IKEA新宿店では北欧料理のデリメニューを量り売りで購入できる「スウェーデン バイツ(Swedish Bite)」を日本で初めてオープンしました。
https://www.fashion-press.net/news/73003

ゼロ・ウェイストな食の取り組み

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その他、ゼロウェイストに向けたさまざまな取り組みがあります。

CSA LOOP
CSA LOOPは、年間契約で農家の野菜を購入でき、自宅の生ごみをコンポストした土を農家に渡せる循環サービス。農家と消費者、都市と生産地、農業と食の新しい関係性を生み出しています。
https://www.4nature.co.jp/works/circulation-service/csaloop

Osakaほかさんマップ
2021年10月、大阪府は使い捨て容器を捨てないために、マイ容器やマイボトルで購入、使用できるスポットを探せる「Osakaほかさんマップ」を公開しました。ほかさんとは、関西では「捨てない」という意味です。
https://www.osaka-hokasan.jp/

ゼロ・ウェイストは生活者の暮らしにより身近に

先進国に比べると、日本におけるゼロ・ウェイストに向けた活動はまだまだ始まったばかり。ここ数年でSDGsへの関心の高まりにより、生活者の食の消費意識にも変化が見られ、ゼロ・ウェイストもより認知が広まることが予想されます。
食品メーカーやブランドが製造工程でごみをださない工夫や、飲食店等で使い捨て食器やペーパーナプキンを廃止するなど、ゼロ・ウェイストを意識した取り組みが増え、生活者の暮らしに身近なものになっていくでしょう。



writing support:Miyuki Yajima



 

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