FOODEXレポート。代替食品、海外進出を狙う展示多数

FOODEXレポート。代替食品、海外進出を狙う展示多数

2022年3月8日から11日に幕張メッセで「FOODEX JAPAN 2022」(主催:一般社団法人日本能率協会 他)がおこなわれました。アジア最大級の国際食品・飲料展示会で、食品、飲料、機械設備などを扱う企業や団体が出展。代替食品、ヴィーガン対応の食材や、海外輸出を視野に入れた食品の展示のほか、世界各国の企業からの出展も多数みられました。今回は、数あるなかから食のネクストトレンドを予感させる企業を紹介します。

FOODEX JAPAN(国際食品・飲料展)とは?

FOODEX JAPANとは、アジア最大級の出展者数を誇る国際食品・飲料総合展示会のことです。国内外の出展者が、小売や卸などの食品流通業界に向けて情報発信し、来場者と商談できるイベントで、食に関するさまざまな課題解決を目指しています。

名称:FOODEX JAPAN 2022(フーデックス ジャパン)(第47回 国際食品・飲料展)
主催:一般社団法人日本能率協会・一般社団法人日本ホテル協会・一般社団法人日本旅館協会・一般社団法人国際観光日本レストラン協会・公益社団法人国際観光施設協会
場所:幕張メッセ
日程:2022年3月8日(火)・9日(水)・10日(木)・11日(金)

47回目の開催となった当イベントは、4日間で33,726人が訪れ、昨年2021年を上回る盛況ぶりを見せていました。2022年は生鮮、加工食品、ドリンク&アルコール、日本食輸出展、海外出展ゾーンなどのほか、新たに代替食品・新食材がテーマの出展ゾーンが加わり、計14の出展ゾーンが設置されました。

また、イベントに足を運べない人や、混雑を避けて出展者と商談したい人に向けて、バーチャル展示会を同時開催。2022年10月7日(金)まで、オンライン上で出展者への問い合わせや商談の申し込みが可能です。

展示会場を巡った中で、食のネクストトレンドが期待される企業をご紹介します。

栄養素豊富で低GI
オートミールを積極的に取り入れる企業続々

 

代替食品・新食材ゾーンには、注目を集めるオートミールを使った食品を扱う企業が多数出展していました。

レンジで解凍するだけ、冷凍オートミール弁当を展開
J'S OAT MEALS

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「J'S OAT MEALS(ジェイズオートミールズ)」は日本初のオートミール専門店。オートミールと野菜、肉をコンソメスープに仕立てて冷凍した「冷凍オートミール弁当」を展示していました。レンジで温めるだけで栄養に配慮したスープが味わえ、食べ応えを実感できます。サラダやカレーのルーに混ぜるなどのアレンジも可能です。

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そのほかにも、オーツ麦を使用したオーツヴィーガンブレッドやオートミール粉も展開。オーツ麦で作られたブレッドは、卵アレルギー、小麦アレルギーの人でも安心していただけます。

韓国でシェアNo.1のオートミールが日本上陸
アイワ インターナショナル株式会社

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韓国でシェアNo.1オートミールが日本に上陸しました。口の中ではじける食感とほんのりした甘さで、「今までにない味」と話題を呼んでいます。ヨーグルトやデザートのトッピングとして相性抜群で、日本でもカフェやレストランを中心に導入がすすんでいます。現在は業務用のみの流通ですが、今後は一般向け商品も販売予定。使いやすい分量をパウチにして展開します。

オートミール粥がカップスープタイプに
ダイショー株式会社

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食品メーカーダイショー株式会社でも、2022年3月からオートミールを使用したスープを販売しています。一人分の食べきりサイズで、マグカップに入れてお湯を注ぐだけで簡単に食べられるカップスープタイプ。早くもトレンドのオートミールの米化に対応し、まだオートミールを使い慣れていない生活者向けに、食べ方の提案もおこなう目的で開発されました。展開するのは「オートミールde中華粥」と「オートミールdeリゾット」の2種類で、今後全国のスーパーで販売予定です。

小麦の高騰で、玄米粉や米粉が代替として台頭か


不安定な世界情勢の中、小麦の代わりに、玄米粉や米粉を提案する食品も多く見られました。

玄米粉や米粉をレシピとともに提案
Orange Spoon

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米粉のグルテンフリー料理教室などのサービスを提供するOrange Spoonのブースでは、千葉県の無農薬玄米を使用した玄米粉や、米粉の展示をおこなっていました。

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自然栽培玄米と水で作られた植物性ミルク「のむ玄米」も販売しています。ヴィーガン対応飲料で、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。主食の代わりに飲めて、料理、お菓子作りにも使用できます。

海外の代替食品にも注目


海外出展ゾーンにも、ヴィーガンやグルテンフリーを謳う食品が数多く展示されていました。

タイ本場の味を表現したプラントミート
日本フードサイエンス株式会社(let’s plant meat輸入代理店)

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タイのブースでは、タイで開発製造されるプラントベースブランドlet’s plant meatの代替肉が展示されていました。ハーブ、スパイスですでに味付けされており、そのまま活用できます。タイの本場の味を表現して差別化をはかっており、現在はヴィーガン商品を取り扱うECサイトで販売中。今後は写真上部のミートボールも日本で販売していく予定です。

汎用性の高いライスパスタを家庭で
株式会社ディー・エム広告社(PERFECT EARTH 輸入代理店)

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タイで製造・販売されるライスパスタブランドPERFECT EARTHが日本初上陸。タイ産の米を使用しており、白米、玄米、赤米、黒米と使用する米で4種類のラインナップを揃えています。ヴィーガン、グルテンフリー対応で、パスタよりも低GI値なのが特徴。チアシードが配合されたタイプもあります。タイの焼きそば、パッタイや、サラダ、スープにプラスしても使えます。現在は公式サイトやオーガニック専門のECサイトで販売中です。

新たなトレンドを呼びそうな海外食品


日本未発売の海外食品、これからより販路が拡大しそうな海外食品を紹介します。

日本駐在員に人気のぶっとびスープ
軒閣食品

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通称「ぶっとびスープ」とも呼ばれる台湾の伝統料理、佛跳牆(フォーティャオチァン)(写真左)。スペアリブ、フカヒレ、エビなど10種類の具材が煮込まれた栄養満点の高級スープが食べきりサイズで楽しめます。こちらの缶詰シリーズは、他にも干し貝柱入り鶏スープ(写真右)やバクテーなど、バリエーション豊か。日本人駐在員にも非常に人気が高く、今後は日本での販路を開拓する予定です。

バリエーションが楽しいハニーバターアーモンド
株式会社アクレア(HBAF輸入代理店)

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韓国で大人気のハニーバターアーモンド。キャラメル味やガーリックパン味など、さまざまなフレーバーが楽しめ、お酒のおつまみにも最適です。最近は日本でもコストコやカルディなど、輸入食材店や量販店などで販売されています。アクレアの輸入する商品は、新大久保のスーパーなどを中心に販売中。最近は韓国系YouTuberが積極的に取り上げていることからも、ますます日本で普及しそうです。

日本の名産品や技術を世界へ輸出


海外輸出を視野に入れた食品や、すでに海外で高いシェアを誇る日本の食品を紹介します。

25団体の醤油メーカーや職人が集結
木桶仕込み醤油輸出促進コンソーシアム

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日本の伝統的な手法で造られた「木桶仕込み醤油」を広めるために、日本の醤油メーカーや職人25団体が連携して出展。木桶で仕込んだ伝統的な醤油を日本で復活させ、その価値を世界中に伝えるプロジェクトで、海外市場での販路拡大も視野に活動しています。

 


発酵ジンジャーエールで国内外のマーケット拡大を狙う
株式会社しょうがのむし

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発酵ジンジャーエール醸造会社、しょうがのむしが埼玉県に誕生。地元産の生姜や果物などの原材料を使用し、発酵させることで、芳醇な香りとすっきりとした味わいに仕上げています。廃棄される和服の端切れを緩衝材として使用しており、SDGsにも貢献。日本でのマーケット拡大とともに、今後はアジアをはじめとした世界への輸出も視野に入れていくとのことです。

代替食品や日本未発売の輸入食品が
ネクストトレンドを生み出す予感

イベント全体として、ヴィーガン、グルテンフリーなどの食の多様性に対応する食材や食品が多く見られました。健康志向にマッチし、サステナビリティに貢献する商品は来場客からも注目度が高く、プラントベースフードなどの代替食品市場はさらに拡大するでしょう。日本で培った技術や伝統的な製法を生かした、ヴィーガンやオーガニックで海外進出をはかる日本企業も多くみられました。

一方、海外の輸入食品は日本未発売のものも。昨今、日本では海外の食文化からトレンドが生まれており、ここに新たなトレンドの種が埋まっているのではないかとも感じます。まさに日本と世界が繋がる架け橋となるようなイベントで、見どころ満載でした。

 

 

writing support:Yuko Kondo



 

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