韓国発「ロゼクリーム」味が日本の食卓に拡大中。その理由は?[トレンド調査隊]

韓国発「ロゼクリーム」味が日本の食卓に拡大中。その理由は?[トレンド調査隊]

急上昇のトレンドメニューを調査する「トレンド調査隊」。今回は、韓国で話題となり日本にもその流れがやってきた「ロゼクリーム」です。パスタやカップラーメンで新テイストとして採用されるなど、グルメ界で注目を集めています。一体どんなものなのでしょうか?

ロゼクリームとは?「ロゼカラー」であることがポイント

ロゼクリームとは、近年韓国で話題になっているグルメのひとつで、ホワイトソースや牛乳とトマトソースなどを混ぜて”ロゼカラー”にしたクリームソースのことです。コチュジャンや唐辛子などを混ぜたピリ辛味のものもあります。

ロゼとはフランス語でバラのことで、ロゼワインなどと同様に薄いピンク(バラ)色の見た目から、ロゼクリームと呼ばれています。ロゼクリームは、韓国の洋食店ではパスタソースとして定番ですが、ここから派生して、ロゼトッポギ、ロゼラーメン、ロゼチムタクなど、「ロゼカラー」の韓国グルメがブームとなっているのです。

クリームのまろやかさでマイルドになった程よいピリ辛味は、辛いものが苦手な人でも食べやすいと人気で、韓国ではトッポギの味付けの新定番になっているのだとか。これとこれを混ぜればロゼクリーム、という厳密な定義はなく、ロゼの色になるのがポイントで、辛みをおさえたい場合はコチュジャンのかわりにケチャップを入れるなど、様々なレシピが生まれています。

ロゼカラーの料理が日本でも拡大中のワケ

若者を中心に日本にもこのブームは到来中で、2022年からは食品大手各社で「ロゼクリーム」「ロゼソース」味の商品が続々登場しています。

日清製粉ウェルナの「マ・マー 韓国風パスタソース 濃厚ロゼクリーム」、カルディオリジナルの「ロゼラーメン」、日清食品カップヌードルの「超無敵クラス ロゼクリームヌードル」など、新しい味として注目されています。

その理由として、ロゼクリームは辛さが控えめ(または辛くない)なので、万人受けするということが考えられます。「韓国料理=辛いものが一般的なので、どうしても食べる人を選びがちです。小さなお子さんとも一緒に食べられることは、食卓に広がってきている要因のひとつだと言えるでしょう。

また、ピンクの優しい色味はトマトソースや明太ソースなど、もともとあるソースに見た目が似ているので親しみやすい、けれども味は新しい、という点も商品化に繋がりやすいポイントではないでしょうか。

ロゼクリームを味わいたいニーズが上昇傾向

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クックパッドのキーワード検索を見ると、「ロゼクリーム」は2020年から年々検索数が増加。市販の商品が増えて知名度があがったこともあり、レシピ投稿も増加傾向にあります。

2022年4月以降はカルディの「ロゼラーメン」が新商品として注目され始め、さらに手軽にロゼクリーム料理が作れる「韓国風ロゼソース」も発売。8月には日清食品「超無敵クラス ロゼクリームヌードル」の発売とともに再び検索数が上昇し、昨年比で見ると2022年の注目度はより高まっていることがわかります。

寒くなる冬場には、クリーム系など温かいイメージのある食品に注目が集まるので、この冬から2023年にかけて、いっそう伸長することが予想されます。

「ロゼトッポギ」「ロゼラーメン」などロゼ味はアレンジしやすい

ロゼトッポギ、ロゼラーメン、ロゼパスタなど、さまざまな料理で手軽にアレンジしやすいところが、食卓に定着しつつあるポイントになっています。

ロゼクリームに使う食材は、牛乳やホワイトソース、トマト、ケチャップ、唐辛子など、家庭の冷蔵庫によくある身近なものばかり。最近では、コチュジャンなどの韓国調味料を常備している家庭も増えています。

スーパーで購入できる袋麺の「辛ラーメン」や「ブルダック」をロゼ風にアレンジすれば、辛さを抑えた味わいに仕上げることができ、味のバリエーションも広がります。

また、日本も炭水化物の料理を食べる機会が多い食文化です。麺類や米などの食材と相性が良いと食べる頻度も上がるので、これもロゼクリームが根付きやすいポイントだと考えられるでしょう。

クックパッドの「ロゼクリーム」レシピ

簡単!韓国風トマト☆ロゼ鍋 by 渡部アキ さん
https://cookpad.com/recipe/7370318

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【アレンジ】ピリ辛ロゼパスタ風辛ラーメン by ネネノキッチン さん
https://cookpad.com/recipe/6848691

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2023年、ロゼクリームはさらに人気が高まりそう

チーズタッカルビ、マヌルパン、クロッフルなど、毎年新たな韓国グルメが日本でトレンドになっています。加えて、ロゼという言葉、ピンク色の優しくかわいらしい色味は、トレンドには必須ともいえる女性ウケもバッチリです。辛いものが定番の韓国料理のなかで、ロゼクリームは辛みがマイルドな味わいで、辛さのないレシピもあります。食べられる層が広いこともあり、ますます人気が集まりそうです。

外食や旅行の制限が緩和されたとはいえ「家での食事を楽しみたい」というテイクアウト需要、「より本場の味を自宅で再現したい」という本格的な自炊需要は、まだまだ続くと思われます。ちょっとしたひと手間でメニューに新鮮さを与えてくれるロゼクリームは、冬場のクリーム人気&需要とともに、人気に火が付きそうです。

writing support:Miyuki Yajima

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