2023年も「米粉」が熱い。ブームの背景と家庭での使われ方をチェック[トレンド調査隊]

2023年も「米粉」が熱い。ブームの背景と家庭での使われ方をチェック[トレンド調査隊]

急上昇のトレンドメニューを調査する「トレンド調査隊」。小麦の国際価格の高騰やグルテンフリー需要から「米粉」への関心がますます高まっています。「米粉」の利用がいま急拡大している理由や、家庭では実際にどのように使われているのかなど、詳しくご紹介します。

米粉の利用が急拡大!このブームの背景は?

ロシアのウクライナ侵攻により、2022年3月以降の小麦価格が急騰しました。日本人の主食のコメ、パン、麺類のうち、家計支出の約7割がパンと麺類で、主な原料の小麦は約8割を輸入に頼っています。輸入小麦はいったん政府が全て買い取り、国内の製粉会社などに売り渡す仕組みです。急激な価格変動の影響を緩和するための緊急措置として、農林水産省が決定する輸入小麦の政府売渡価格は、4月期から実質据え置きが続いています。

このように輸入小麦の価格が安定しない状況下で、農林水産省による米粉の普及活動はますます盛んになってきました。これまでもアレルギー対策やグルテンフリー需要の観点から注目を集めていましたが、近年さらに米粉に適した品種「ミズホチカラ」や「笑みたわわ」が開発されたり、米粉用のコメ生産者への助成が行われたり、米粉の需要創出への活動が支援されたりと、普及活動が広がりを見せています。

民間の動きも活発です。2017年には、生産者や食品製造業者、生活者団体などによる「日本米粉協会」が設立されました。世界初の自主規制として、ノングルテン米粉の表示制度を整備したり、料理や製菓や麺など米粉の用途に合わせた基準を設けたりと、生活者にとって米粉がより身近で、使いやすいものになるような環境整備が進んでいます。

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米粉と小麦粉の違いを改めて確認

コメを原料とする米粉と、小麦を原料とする小麦粉の違いは何でしょうか。よく知られるのは「グルテン(グリアジンやグルテニン)」というタンパク質の有無です。これは小麦粉には含まれ、米粉には含まれません。

小麦粉に水を入れてこねると、グルテンの働きにより生地に弾力や粘りが出て、加工しやすくなったり、もちもちした食感が生まれたりします。その一方でグルテンは、体質によってはアレルギー症状を起こしたり、欧米では自己免疫疾患のセリアック病の原因になるといわれています。小麦の高騰に関わらず、グルテンフリーの食材として米粉が注目されたのはそのためです。

また、米粉は小麦粉よりも、油の吸収率が低いという特徴があります。具体的には、鶏もも肉を揚げた時の衣の油吸収率が、小麦粉は38%なのに対して米粉は21%というデータがあります。そのため米粉を天ぷらやから揚げなどの揚げ物に使うと、さっぱりとしてヘルシーな一品となり、サクサクした食感も長く続きます。小麦粉と米粉そのもののカロリーにはさほど差がないため、油の吸収率の違いが、揚げ物料理全体のカロリーに影響すると言えそうです。

一方、気になる糖質や食物繊維についてはどうでしょうか。日本食品標準成分表2020年版によると、100gあたりの糖質は小麦粉(薄力粉)が73.3gに対して米粉は81.3gです。また、体内への糖質の吸収を緩やかにする働きがある食物繊維は、小麦粉(薄力粉)が100gあたり2.5gなのに対して、米粉は0.6gです。つまり米粉のほうが糖質が多く、体内への吸収もされやすいと言えそうです。血糖値の急上昇を抑えたいときには、食物繊維を多く含む食材との組み合わせを意識し、米粉のなかでも食物繊維が豊富な玄米粉を使うといいでしょう。

家庭での米粉メニューも拡大中

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クックパッドでの「米粉」の検索頻度をみると、2022年は前年よりも検索頻度が伸長しており、米粉を使ったレシピに注目が集まっていることがわかります。家庭で米粉を利用する機会が増えていると推測できます。

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「米粉」で検索されるレシピの傾向を見てみましょう。レシピ検索では「クッキー」が最も多く、パンやスイーツでの利用が多くなっています。とはいえ、年々「お好み焼き」や「ちぢみ」といった食事メニューが増えており、食卓での米粉利用が定着しつつあることがうかがえます。「てんぷら」や「から揚げ」といった揚げ物が増えている背景には、油の吸収率が低い米粉の特性を生かしたいニーズもありそうです。

クックパッドの「米粉」レシピ

米粉でヘルシー♪紅生姜と蓮根の揚げ焼き♪ by yu228 さん
https://cookpad.com/recipe/7367206

recipe

腹持ちいい☆簡単☆米粉のお好み焼き by ハッピーまるしぇ さん
https://cookpad.com/recipe/7302706

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2023年は米粉のメニューが食卓の定番になりそう

もともと日本人になじみがあり、安定供給が可能なコメを用いた米粉。近年の農林水産省の後押しに国際情勢の影響が加わり、家庭メニューへの定着が進みつつあります。今後はさらに、小麦粉の代替品という発想からシフトし、米粉の良さを生かした商品や家庭メニューが増えていくかもしれません。

writing support:Sachie Mizuno

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