
企業・業界動向
共創とは?共創マーケティングの事例からメリットや実践する際のポイントをご紹介
共創(きょうそう)とは何か、共創マーケティングの事例とともに、共創の3つのタイプ、メリット、成功のポイントなどをご紹介します。
共創(きょうそう)とは?
共創(きょうそう)とは、企業が自社だけで行ってきた事業活動を、顧客や他企業など社外の様々なステークホルダーと対話し、協業して進めることで、新しい価値を生み出していくことをいいます。
顧客の価値観やニーズの変化はめまぐるしく、予期しない異業種が参入してくるなど、ビジネス環境の変化も加速する中、一企業だけで競争優位を保つことは難しくなっています。
そこで、共創によって市場の変化に合わせた価値を生み出し続け、競争優位を確立していこうという企業が増えています。
共創は、新しい事業の立ち上げ、既存事業の改善、マーケティング戦略などにおいて、重要な考え方として注目されています。
共創の3つのタイプ
共創する相手との関係性によって、共創には3つのタイプがあります。
①双方向の関係
企業と顧客がお互いにアイデアを出し合い、新しい商品やサービスなどの価値を生み出していく形です。
企業が顧客に一方的に価値を提供し、売れたら終わりという考え方は古くなりました。企業と顧客が継続的につながり、価値を生み出し続けることが、市場の変化に対応する手法の一つになっています。
②提携の関係
自社に不足しているリソースを持っている企業と、リソースを補完しあうことで、協力して価値を生み出していく形です。共創における提携は、受注・発注といった関係性ではなく、企業の規模に関わらず対等なパートナーシップのもとで協力し合うことをいいます。
③共有の関係
一つの課題やテーマに対して、企業や自治体や研究機関などの異なる組織が議論し、アイデアを出し合って価値創出に取り組む形です。コミュニティやコンソーシアム(共同事業体)を形成して、オープンな関係のもとで行います。
共創マーケティングとは?
顧客や他企業と一緒に、商品企画など企業のマーケティング活動をおこなう手法のことです。
企業のマーケティング活動というと一般的には、企業が一方的に顧客のニーズを調査して仮説を立て、出店する場所を決めたり、商品開発を進めます。膨大な時間とコストがかかりますが、仮説が必ずしも正しいことはなく、実際にヒットした商品やサービスを見ても、偶然によるところが多かったりします。価値観が多様化する中で、一方的にニーズを捉える従来のマーケティング手法は通用しなくなってきています。
顧客との共創マーケティングの特徴は、企画段階から顧客と交流してニーズを汲み取り、一緒に商品やサービスを創り上げていくところです。
顧客目線の商品・サービスを開発できることや、長期的なファンづくりになること、リリース後にもフィードバックを受けて、継続的に商品やサービスの価値を高めていけることなどのメリットがあります。
共創マーケティングの事例:食メーカー×クックパッド
共創の3つのタイプのうち、顧客との「双方向の関係」を実現している事例から、共創マーケティングの具体的な取組内容を紹介します。食関連メーカーと生活者のコミュニケーションを通じて企業マーケティングを支援するプラットフォームである「メーカーズタウン」の事例です。
『商品力に自信はあるが、その美味しさを認知してもらえない』『自社サイトでアピールしても、そもそもサイトに訪れてもらえない』『ファンになってもらいたいけどコミュニケーションの手段がない』『プロモーションの効果が一過性で終わり、積み上がらない』といった課題は、多くの食関連メーカーが抱えています。
「メーカーズタウン」は、そのような企業が抱える課題を解決できるマーケティング支援サービスです。
具体的には、①ニーズ調査、②商品開発、③広告宣伝、④販売促進、⑤販売、⑥顧客ロイヤル化のさまざまなフェーズにおいて、日本中のクックパッドユーザーと双方向のコミュニケーションを取りながら、企業のマーケティング活動を推進することができます。
例1:レシピコンテストで顧客と共創し、ブランド価値を高める
メーカーズタウンの機能の1つとして「レシピコンテスト」があります。商品を使ったユーザーレシピを募集して、レシピコンテストをおこなう機能は、まさに「双方向の関係」の共創を実現します。
商品のサンプリングを通じて、商品認知度を高めつつ、商品の魅力を実感しながらレシピ投稿を促します。そして投稿されたレシピから、企業が気づいていない商品の使われ方やニーズを読み取り、新たなレシピ開発・販促・新商品開発のヒントを得ることができます。
また、ユーザーからの商品を活用した投稿レシピはその他のユーザーの目に触れますので、新たなファンを呼ぶきっかけにもつながります。
例2:未発売商品のテストマーケティングでリスク軽減
発売している商品のサンプリングだけでなく、未発売商品のテストマーケティングをおこなうことも可能です。 未発売商品をユーザーにお渡しして、実際に使った感想や意見をもらい、発売に向けて商品を改善していくことができます。
テストマーケティングは商品改善のほかに、ターゲットをより明確にしたり、売れ行きの予測や販売戦略などに役立ちます。商品発売に向けたリスク軽減のために、テストマーケティングをおこなうメーカーが増えています。
例3:ファン限定のオンラインイベントで顧客とつながる
サンプリングやテストマーケティングに参加したユーザーに対して、オンラインイベントをおこなうことでファン化を促進することができます。商品や企業のこだわりを知ってもらい、一つの商品だけでなく、企業自体のファンになってもらうことができれば、長期的な繋がりを構築できるでしょう。
例えば商品のオンライン工場見学など、参加者とコミュニケ―ションをとりながら楽しく参加してもらえるイベントがおすすめです。
事例からみる共創を実践する際のポイント
共創する相手とは対等に
事例のように、ユーザーの生の声を聞くことには大きなメリットがあります。「もっとこうしたほうがいい」など建設的な意見も出してくれるでしょう。ユーザーと「双方向の関係」の共創を続けていくことはファンづくりにも繋がっていきます。
一方で、ユーザーの御用聞きにならないように注意が必要です。意見やアイデアを受け取り、商品やサービスに活かそうとする姿勢は大切ですが、主導権はしっかりと握って優先度を判断しましょう。顧客だからといって持ち上げすぎず、一意見だといって軽くみることもなく、対等な立場を意識し続けることがポイントです。
事例からみる共創が生み出すメリット
共創することでニーズを的確に捉えることができ、自社単独ではでてこないアイデアが生まれたり、ファンづくりに繋がることも期待できます。長期的に顧客と関わることで、商品やサービスをリリースして終わりではなく、ニーズに合わせて改善し、価値を提供し続けることができるでしょう。
また、共創することで新しいマーケティング手法や販路、アイデアの生み出し方なども獲得でき、社内の人材育成面にも良い影響をもたらすといわれています。
自社だけで選ばれる商品やサービスを提供し続けることは難しい時代になりました。ビジネスにおいて共創は重要な戦略の一つになりそうです。
日本中のクックパッドユーザーとの共創マーケティング
メーカーズタウンについて、お取り組みの申込み・お問い合わせはこちら。
makerstown-support@cookpad.com
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著者情報

- メーカーズタウン
- 食関連メーカーと料理への関心が高い月間5,290万人※のクックパッドユーザーが、双方向のコミュニケーションを継続的に取りながらさまざまな課題を解消していく、企業マーケティングを支援するユーザー参加型のプラットフォームです。(※2022年12月時点)
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