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食の偏愛コラム
[世界の台所探検]カカオの故郷に教わる「ホットチョコレート」の楽しみ方
世界中の台所を訪れて現地の人と料理をする台所探検家・岡根谷実里さんのレポートから、世界各地の家庭料理を通じて、さまざまな食の文化と歴史、それぞれの暮らしを感じることができます。今回は、カカオの故郷である中南米から、ホットチョコレートをより楽しめるアイデアをご紹介します。
※毎日の食卓を楽しくする「料理の知恵」メディア【クックパッドニュース】より
冬の寒い日にホットチョコレート
冷え込む日には、体を芯から温めてくれるホットドリンクが恋しくなりますね。中でも今回取り上げたいのは、リッチな風味で特別な気分にしてくれるホットチョコレート。その"生まれ故郷"である中南米から、より楽しめるアイデアをご紹介します。
そもそも、ホットチョコレートとココアの違いって?
ホットチョコレートとは、名前の通り温かいチョコレートドリンクのこと。メキシコなど中南米の国々は、カカオ豆の原産地で、大航海時代にスペインの征服者たちが到来する以前にカカオ豆をすりつぶしてお湯に溶かして飲んでいたと言われます。これがホットチョコレートの始まりですが、現在は専用のチョコレートをミルクやお湯に溶かすことで簡単に作れるようになりました。
一方ココアはココアパウダーと牛乳から作られるわけですが、ココアパウダーはカカオ豆からココアバターという油脂分を取り除いて作られるため、チョコレートよりもあっさりしています。
チョコレートのリッチな風味が楽しめるのがホットチョコレート、手軽にあっさり楽しめるのがココアと言えるでしょう。
現地で売られている専用のチョコレートと、攪拌(かくはん)用の道具モリニージョ
基本のホットチョコレートの作り方
家庭で簡単に作れるレシピがこちらです。現地では専用のチョコレートが売られていますが、製菓用チョコレートや板チョコで代用します。
材料(2人分)
チョコレート 60g
牛乳 300ml
砂糖 お好みで
作り方
1.鍋に牛乳を温め、砕いたチョコレートを入れる。
2.軽く沸騰させ、かき混ぜてしっかり溶かす。
これだけで、普段のココアよりもリッチな一杯が楽しめますが、ここでもうひと工夫。メキシコやコロンビアなど中南米の家庭では、もっと多様な楽しみ方がありました。
本場に学ぶアレンジ3選
1. スパイスを入れる
現地で売っている「専用のチョコレート」には、シナモンやクローブといった甘い香りのスパイスが入っていることが多く、カカオの香りをより豊かに膨らませてくれます。
ご家庭にシナモンパウダーやクローブパウダーがあれば、鍋にチョコレートを入れるタイミングでひと振り加えるとGood。その他には、ナツメグやバニラエッセンスも甘い香りが相性抜群です。ハンバーグやお菓子作りに買った残りがあれば、ぜひお試しを。さらに冒険したい方は、唐辛子をどうぞ。
市場に売られている専用のチョコレート。Canela(シナモン)入りの文字
2. 泡立てる
メキシコやコロンビアでは、泡こそがホットチョコレートの醍醐味と言っても過言ではありません。「モリニージョ」と言われるこのためだけの攪拌(かくはん)棒があって、ホットチョコレートの入ったポットに入れて回転させることで、泡を作ります。ふわふわに泡立ったホットチョコレートは、口当たりが一層まろやか。口に含むと香りがふわっと弾けて広がり、より風味が楽しめます。
日本で作る場合は、少しコツがいりますが、鍋で温める時に泡立て器でシャカシャカまぜるかミルクフォーマー(クリーマー)を使うとよいでしょう。
ふわふわの泡が命。ここに甘いパンをひたして食べたらもう完璧
3. 水で作る
これは現地でも好みの分かれる飲み方ですが、牛乳の代わりに水で作るというもの。カカオの香りが、よりストレートに楽しめます。作り方は、牛乳を水に置き換えるだけ。薄く感じる場合は、チョコレートと砂糖の分量を少し増やすとよいです。
メキシコでお世話になった家庭の方は、私がこの方法を聞いてきて教えたら、「牛乳しかあり得ない!」とはじめは全否定。しかし一度試してみたら「こちらの方がカカオが楽しめるしヘルシーね」と、はまっていました。
モリニージョで泡立てる。水だけの場合、牛乳ほどは泡立たない
“旬”のホットチョコレートを楽しんで
夏になったら飲む気にならない、この時期だけの味。自由なアレンジで、この時期だけの贅沢を楽しんでみてください。寒い冬を元気に乗り切りましょう!
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著者情報

- 岡根谷実里
- 台所探検家。世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をしている。これまで訪れた国は60カ国以上。2014年クックパッド入社。料理から見える社会や文化、歴史、風土を伝えている。
note : https://note.com/misatookaneya
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