
企業・業界動向
食マーケットの変化に挑む クックパッドのtoBビジネスにいま必要な変革とは
コロナ禍を経て、円安、物価高騰と世界規模の変化は立て続けに起こり、食マーケットは今までにないスピードで変化しています。FoodClipでは「チャレンジ」をテーマに、食関連企業の経営層が変化をどう捉え、どのように事業を牽引していくのか、その思考をたどる連載をスタートします。はじめに、クックパッドのマーケティング関連のビジネスやFoodClipが今後どんなチャレンジに挑んでいきたいのか、クックパッドの北井からお話いたします。
【食のチャレンジ:記事一覧はこちら】

クックパッド株式会社
マーケティングソリューション事業部
事業本部長
北井朋恵
クックパッドのtoBビジネスはどう進化していきたいのか
クックパッドのtoBビジネスにおいて、長年に渡って多くの食関連企業の皆さまに、マーケティングの一環である商品認知や商品の使用頻度をあげていくという観点で、クックパッドの媒体をご活用いただいています。
また、クックパッドが所有している生活者の膨大な食卓データを使って企業活動をサポートさせていただくことで、食関連企業の皆さまのお役に立てる方法を常に考えながら、事業を進めてまいりました。
そんな中、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大があり、数年の中で、生活様式は大きく変化しました。コロナ禍、Withコロナ、Afterコロナという形で推移すると思われたマーケットに、今度は物価高騰という大きなイシューが発生し、食のマーケットは世界規模で急速な変化を続けています。
この状況において、食関連企業の皆さまが事業を進めていくにあたり、今までにない課題が発生していることは間違いありません。そしてそれは、今までにないスピードで、さらに、より複雑になっていくのではないか、と感じています。
これまでクックパッドがご提供させていただいていたソリューションは、お客さまのバリューチェーンのほんの一部でしかなく、それだけでは今のマーケットにおいてお役に立てないということを痛感しています。 クックパッドも食関連企業の皆さまのスピードに合わせ、ニーズの変化に早急に対応していかなければなりません。
一方で、クックパッドの持っている競争優位性は、認知媒体としての価値以外にもたくさんあると思っています。月間利用者数約5,100万人(2022年12月末時点)の行動データなど、今の生活者のリアルなインサイトが見える食卓関連データは、皆さまが想像しているよりも多彩(検索データ、ハッシュタグデータ、オウンドメディアの記事PVデータ、レシピ投稿データ、つくれぽデータなど)ですし、アンケートやサンプリングに参加してくれる好意的で活動的なユーザー(クックパッドのファンの皆さま)、生活者の皆さまに一定量安心していただけるネームバリューのようなものもございます。食のリアルマーケティングができる環境が整っていて、そこに大きな価値があると感じています。
また、IT企業であるからこそ、クックパッドユーザーに向けたファンマーケティングのプラットフォーム(Makers Town by cookpad)を構築することもでき、食関連企業とクックパッドユーザー(料理を作る人)に直接コミニュケーションをとっていただき、DtoCに繋げていくプロダクトもローンチさせていただきました。
今後、私たちの持っているノウハウや食卓データ、IT技術などのリソースをもっと活用し、バリューチェーン全てでお役に立ち、食関連企業の皆さまの売上利益の拡大に大きく貢献できる新しいソリューションを、ゼロベースで考えて構築していきたいと思っています。
FoodClipのこれまでとこれから
私が着任しすぐに立ち上げたクックパッドの食業界向けメディア「FoodClip」も、2月で3年が過ぎました。食に特化したWebメディアが多く存在するわけではない中で、クックパッドとしてキャッチしている食マーケットの動向やトレンドなど、食業界で働く方々に向けてより良い情報をお届けできるように邁進してきた3年間でした。
おかげさまでたくさんの人に読んでいただき、初めてお話させていただく食関連企業の方に「FoodClip読んでいます」という嬉しいお声をいただけるようになりました。
メーカー、小売、外食などさまざまな分野で働く方がフラットに集い、情報収集できる場として読者を増やしてきた一方で、読者の皆さまの実際のビジネスにどのくらい貢献できているのか、という不安はございました。
今、マーケットの変化に合わせてクックパッドのtoBビジネスを進化させていく中で、FoodClipも、皆さまに役に立つ情報を届けるメディアから、もう一歩進化すべきタイミングだと思っています。
具体的には、メディアとして日々のビジネスのヒントになるような情報発信を強化することで、FoodClipに集まっていただける読者の方を増やしながら、その中で企業と企業のマッチングができるようなプラットフォームを構築していきたいと考えています。
多様化する生活者のニーズを掴み、選んでいただける製品を構築するために、メーカーとメーカーをお繋ぎできないか、例えば材料素材の卸しなどのご商売が始まったり、メーカーと流通や外食産業をお繋ぎすることで、生活者の皆さまがワクワクする棚作りやメニューや製品が発信されたり、FoodClipに集まった皆さまのご商売に貢献できるようなプラットフォームを想定しています。
このようなプラットフォームについては長年考えてきたことですが、食のマーケットが急速に変化している今こそ、弊社データから生活者ニーズをお伝えしつつ、BtoB、BtoBtoCのご商売に繋がる出会いの創出をご提供できるようにチャレンジしたいと思っています。
「食のチャレンジ」企画で実現したいこと
FoodClipでは、食関連企業の経営層の方々と私が「チャレンジ」をテーマに語る、対談コンテンツの連載をスタートします。
クックパッドの toBビジネスの強化や、FoodClipを進化させていかなければいけない状況で、その第一歩として、この「食のチャレンジ」企画を立ち上げようと思いました。
FoodClipで、今まで以上にビジネスに役立つ中身の濃い情報発信をしていきたいと思う中で、今、経営者層の皆さまが考える事業戦略や、変化するマーケットに挑む姿勢などをお届けできれば、日々の業務のモチベーションに繋がったり、ビジネスのヒントを得ていただけるのではないかと考えました。
また、私自身、未来を見据え、指揮を執っていらっしゃる経営層の方々にお話をお聴きすることで、クックパッドの持つ競争優位性の何を活かし、何をご提供できるのかの輪郭を正確に捉えることもとても重要だと考えたためです。
対談させていただく企業さまには、さまざまな観点で、今アウトプットしたいこと、届けたい情報を語っていただくことで、皆さまの企業ブランディングに貢献できれば幸いですし、さらには協働が生まれることを心より願っております。
まずは「食のチャレンジ」の対談記事において、この「企業さまと組みたい」「一度話を聞きたい」といったひらめきが生まれるような、ビジネスに繋がる情報をお届けできるよう、邁進していきたいと思います。
たくさんの皆さまのお話をお聴きできること、私自身も心より楽しみにしておりますし、読者の皆さまもご愛読いただけましたら幸いです。
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