タイガーが家電で食卓の悩み解決!ターゲットの選定と発見

1923年に設立され、大阪府門真市に本社を構えるタイガー魔法瓶株式会社。真空断熱保温のまほうびんや土鍋IHの圧力炊飯器をはじめ、創業以来、暮らしに根付く製品を生み出してきました。

2019年には、調理もできる炊飯器JPKシリーズを発売。炊飯器調理の認知・拡大を課題に、クックパッドと取り組んだ年3回にわたるタイアップ企画について、マーケティングソリューション事業部・齋藤がお話しを聞きました。

タイガー魔法瓶株式会社
ソリューショングループ
広報宣伝チーム
林優紀さん(以降、敬称略)

クックパッド株式会社
マーケティングソリューション事業部
部長
齋藤貴生


調理の時短に活躍する
炊飯器調理のメリットを
幅広く浸透させるには?

1777_01.jpg

齋藤:タイガー魔法瓶(以下タイガー)さんは、クックパッドでおこなっている家電などの機器にレシピを提供するスマートキッチンサービス「OiCy」にご参画いただいているパートナー企業の一社です。当社ではタイガーさんが2019年に新発売した、圧力IH炊飯ジャー「炊きたて」のタイアップ企画に携わらせていただきました。

林:「炊きたて」は、2020年に発売から50周年を迎えます。今回の商品は、その中のJPKというシリーズで、価格は中価格帯。「時短に活躍する」をテーマに、1合のごはんが約17分で炊ける機能、冷凍保存用のごはんをおいしく炊くコースのほか、調理コースが付いており、忙しい共働き世帯におすすめの商品です。なかでも、調理の時短につながる調理コースは、この商品の大きな特徴。通常の炊飯器は調理のコースが付いているものが少なく、炊飯器での調理を推奨していないメーカーもあります。当社では推奨メニューであれば、どんどん調理に活用していただけます。

クックパッドでは将来のスマートキッチン構想を掲げています。当社でも自動調理の第一歩として炊飯器での調理を提案し、近い将来、炊飯調理器で料理することがごく自然なことになったらいいなと考えています。


齋藤:炊飯器調理はすでに浸透している印象がありましたが、分析してみると、炊飯器で調理したことがある人はわずか5%程度。課題が大きいなと感じました。

1777_02.jpg

林:鍋やフライパンを使うコンロ調理は、下ごしらえや味付けをしながらの調理が可能ですが、炊飯器での調理はまず下ごしらえを完了させて、材料や調味料を全てそろえてから加熱するという流れ。準備に時間がかかり、面倒というイメージを持たれる方もいます。そこで当社では、食材を切るなどの工程をなるべく減らしたり、材料も調味料も少なめにしたりと、手間をかけずに作れるレシピの訴求と提案に力を入れてきました。加熱時間が長い場合も、ボタンをひとつ押すだけで火加減を調整する必要はありませんから、“ほったらかし”で調理が可能。平均して15~20分で料理が一品完成します。

齋藤:クックパッドでは、ユーザーが炊飯器調理のメリットをどう感じているかを調査しました。林さんのおっしゃっていた「ほったらかしで作れる」という意見のほか、「焦げにくい」「崩れにくい」「じっくり熱を通す」といった声があがりました。

林:「火を使わないので、暑い夏でも調理しやすい」との意見は、私にとっても気付きでした。「ほったらかしで作れる」「じっくり熱を通す」というメリットもありますので、夏の暑い日でも、時間がかかる料理をしようという気持ちになれますよね。炊飯器調理は、内なべで調理するので「ケーキ形状のものがきれいに焼ける」、保温機能を利用して「あたたかいままキープできる」といった意見もあって、炊飯器調理の良さを体感していただけていると感じました。


時短調理×コトの検索が伸長
データによって導き出された
年3回のタイアップ企画

1777_03.jpg

(※)検索頻度(SI)値:Search Indexの略。クックパッドでの検索1,000回あたりのキーワードの検索回数


齋藤:当社で割り出した「時短調理を意識した“コト”検索」の検索率を見ても、炊飯器は電子レンジと同じくらい伸長している傾向にあり、炊飯器調理に大きな可能性を感じました。ただ、実際に炊飯器調理をしているユーザーは5%しかいません。ターゲット層をどう設定するか、またどんなメリットがあればトライアルしてくれるのかを知るために、すでに炊飯器調理をしているユーザーが、何を作っているのかを調べました。

1777_04.jpg

(※)マッチ度:「炊飯器×おでん」など「○○×●●」の組み合わせて検索される割合


上位はチャーハンなどの「炒めごはん系」や「ケーキ類」。次いで「ローストビーフ」「角煮」「チャーシュー」といった調理に時間がかかる「肉料理系」でした。まずはこういうメニューを伝えていくべきではないかと。さらに検索率が伸びているメニューを探ったところ、「おでん」と「角煮」の伸び率がとても高かったですね。

林:「おでん」はじっくり時間をかけて作る料理の定番ですから、炊飯器調理の良さを感じていただくにはぴったりのメニューだと感じました。

齋藤:クックパッドでは、300万件以上のレシピがユーザーから投稿されていて、各レシピに「コツ」「ポイント」「生い立ち」を書いていただいています。あるユーザーが投稿した、炊飯器で作るおでんのレシピの生い立ちに「とにかく時間がかかるおでんを炊飯器で作ってみたら、簡単においしくできた」とありました。時間がかかるメニューを簡単においしくできること、ユーザーの心を動かすにはこれだな、と確信したわけです。

林:そこで、クックパッドとは夏・秋・冬の年3回の構成で、タイアップ企画に取り組むことになりました。

齋藤:おでんをはじめ、時間のかかる料理がおいしくできるレシピをどのタイミングで伝えればトライアルに繋げられるのか。そのポイントを探った結果、タイガーさんには、8月に夏レシピ「火を使わないほったらかしレシピ」を、10月にはおでんを含む冬レシピ「ほうりこむだけ、ほったらかしレシピ」、12月にはパーティーレシピ「おもてなしもラクラク、パーティーレシピ」を提案しました。

林:例えば12月のパーティーレシピ。クックパッドで12月によく検索されるパーティーメニューを出していただき、炊飯器調理が実現できそうなものを当社で選ばせていただきました。特にパエリアは人気が高かったですよね。炊飯器調理にぴったりなレシピを、ぴったりなタイミングで、ユーザーに響く訴求ができること。クックパッドならではだと感じました。

1777_05.jpg

齋藤:ありがとうございます。今回は炊飯器調理を認知・拡大していくため、クックパッド内でフィルタリングせずに、オールターゲットで配信。例えば10月の配信時には、おでんを検索した全ての方がタイアップページを閲覧できるようにしました。今回はタイガーさんにかなりご協力いただき、家電量販店の売り場作りとも連動させた、ポップ作りなども一緒に進めさせていただきました。当社としては新たなチャレンジにもなりました。

1777_06.jpg

林:タイアップページのクリック率(CTR)は好調な結果。さらに売り場での反響もよく、炊飯器調理に関心がある人がこんなにいるんだと、嬉しい発見になりました。

齋藤:CTRの平均値は0.1~0.3%ですが、10月の冬レシピはCTR0.95%、12月のパーティーレシピのCTRは0.56%。オールターゲットで配信して、この数字はかなりの好成績。

林:夏レシピで紹介したサラダチキンなど、「こういうものも作れるんだ」という意外性を打ち出したことも、好評の理由ではないでしょうか。クックパッドから人気が高いと聞いていた芋を使ったメニューなど、ユーザーが求めているレシピを掲載できたことも大きく影響していると思います。アンケートでは、95.8%が「時短に活躍しそう」と回答。「タイガー=時短」という認知を高めることが目標だったので、この回答率には大満足。さっそく、この結果を自社の公式ブランドサイトに入れたり、販促物に展開したり。時短で活躍することを「クックパッドのお墨付き」として、さまざまなところで発信できたのもありがたかったですね。



より詳しく知るなら[Cookpad Report]
1475_download.jpg

炊飯器調理のレシピを提案したタイアップページについてや、ユーザーが実際に調理体験したことによるつくれぽ投稿の結果については、下記より資料ダウンロードをしてご確認ください。ダウンロードはこちら





著者プロフィール

著者アイコン
FoodClip
「食マーケティングの解像度をあげる」をコンセプトに、市場の動向やトレンドを発信する専門メディア。月1回配信されるスロー・ニュースレターにぜひご登録ください。