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食ビジネスで活用したい「Webセミナー」実践編
クックパッドのBtoB施策を一手に担う「ひがしくん」が、食品業界を想定したWebセミナー開催のノウハウをお伝えします。前回の「入門編」に続き、今回の「実践編」では実務者が注意すべき事前事後の項目ポイントについてまとめました。
Webセミナーの開催メリットやツールの選び方をまとめた「入門編」はこちら。
https://foodclip.cookpad.com/1921/
開催までに準備するものと注意点
・事務局構築
参加者からの質問やキャンセル連絡などの受付窓口となる連絡先を設けましょう。「セミナー事務局」として運営メンバーが共有するメーリングリストを作りましょう。
・申込みフォーム
まずはきちんと申込みフォームを準備し、申込み者の管理をおこなう必要があります。
申込みフォームには会社名・氏名・メールアドレスなどの基本情報の他、「当日聞きたいこと」や「抱えている課題」などを設問に入れて情報を集めておき、セミナー内の話題として触れると満足度向上にも繋がります。
・開催案内/集客メール
メーリングリストで事務局から一斉配信する、あるいは担当者から個別に案内するなど、さまざまな方法がありますが、統一したメールテンプレートを用意しておくとよいでしょう。
目安として1ヶ月〜3週間前くらいから案内を開始し、1回だけで申込み者が十分に集まらない場合には、1週間前までに最低でも2回ほど開催案内を配信するとよいでしょう。
・参加者リスト
申込みフォームの登録状況を随時更新し、担当者がいつでも確認できるようにしておきましょう。セミナーの質や、事前事後の円滑なフォローに繋がります。
・視聴方法の事前案内
申込み者へ事前に視聴方法や視聴URLを案内します。入門編でも触れたように、Webセミナーは視聴し忘れも多発しやすいという側面があります。3日前〜前日までに必ず1回案内し、さらに当日セミナーを開始する1時間前にも案内します。計2回以上おこなうことで参加率の向上に繋がります。
・講演資料/講演者リハーサル
講演資料は、「スライド1枚あたりの情報量をできる限り少なくする」ということを意識するとよいでしょう。情報を詰め込み過ぎると、1スライドの説明時間が長くなり、視聴者が情報を整理しきれない状態で次のスライドへ移ることになります。また、テンポが単調になり停滞感も出やすいので、満足度が下がってしまいます。
講演開始の序盤に、チャット機能を活用して視聴者へ質問を投げかけるなど、双方向のコミュニケーションが生まれやすい雰囲気を作っておくことも重要です。
・アンケート
視聴後のアンケートは、セミナーの感想や質問とともに「試食・資料請求希望」や「個別商談希望」など、KPIとなる視聴後のネクストアクションを問う設問を入れておくのが望ましいでしょう。
ウェビナー開催当日に
運営スタッフが注意すべき点
・講演中の問い合わせ専任対応
事前の対策を重ねても、当日何らかの理由で「視聴ができない」「音が聞こえない」などの問い合わせが入ることがあります。講演中でもそうしたケースに随時対応するために、講演者以外に対応できる専任担当者が待機しておきましょう。
・視聴者側のアクションを促す
講演者が口頭で促すだけでなく、運営側がチャット機能欄にコメントを記入して、質問回答の促進やコメントに対するリアクションをおこなうと、活発なコミュケーションがおこりやすくなります。
・録画は必須
当日やむを得ず視聴することができなかった方のために、講演の録画は必ずおこなっておきましょう。録画をしておくことで、見逃してしまった方への事後フォローの他、その後の営業資料や社内研修資料にも有効利用ができるので、忘れずにおこないましょう。
開催後のアフターケアや社内報告のポイント
・集計はすぐにおこなう
Webセミナーでは視聴結果がすぐにレポート化され、視聴者の満足度や視聴傾向を知ることができます。その結果をセミナー講演者や営業フォローをおこなう各担当者にできる限り早めにフィードバックできると、組織内の関心やイベント開催後の達成感(いわゆる、ヤッタ感!)を生み出すことが出来ます。
・「見せっぱなし」にしない
社内外問わず、視聴後は興味が高まっている最も重要なタイミングなので、商品紹介の資料や見てほしいものを案内する「サンクスメール」をできるだけ早く送信することが重要です。
電話でのフォローもできる限りおこなえるとよいでしょう。
「鉄は熱いうちに打て!」がオンラインコミュニケーションの鉄則です。
・視聴しなかった方にもフォローを
申込み者は少なくともセミナー内容に関心を持っている方なので、当日視聴することができなかった方にも、録画したデータの案内をおこなっておきましょう。
初めてのWebセミナーを開催する方向けに、チェックシートを用意しましたので、よろしければぜひお使いください。
さいごに
これまでのFoodClipとは切り口の異なる内容となりましたが、いかがでしたでしょうか。
今後Webセミナーは、商談やイベントの主戦場となっていくでしょう。初めての配信実施の際は、いろいろと不安が尽きないものですが、記事でご紹介した内容を参考に開催チャレンジをしてみてください。
また今後は、BtoCだけでなくBtoBの観点でも、顧客接点の変化を掴み成果へつなげるための新たなマーケティング手法を検討していくことが求められるでしょう。
自社でのお悩みや今後取り上げてほしいテーマのご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
▶FoodClipお問い合わせ:https://foodclip.cookpad.com/contact/
著者情報

- ヒガシナオキ
- BtoB向けWebメディアを運営する会社に新卒で入社し、大手IT企業のメディアを使ったマーケティング支援に携わる。
2019年、クックパッドに法人向けサービスの営業として入社し、社内の営業管理やマーケ施策を並行して推進する中で「FoodClip」の立ち上げに関わり、2020年よりマーケティング専任に。
FoodClipでの担当領域はマーケティング・フードテック周辺。
休日は劇団をやっています。
https://twitter.com/nao181715