共働きママの実態とは?食事支度意識のクラスター分析

共働きママの実態とは?食事支度意識のクラスター分析

忙しい共働きママたちの「食」に関するインサイトを探るべく、“今どきの子育て家族” の価値観や行動パターンを捉え、実態について研究調査をおこなっている、ジェイアール東日本企画(jeki)の「イマドキファミリー研究プロジェクト」を取材しました。取材から見えてきた共働きママの実態を、全3回に渡ってお届けします。

忙しさを増すママたち

2017年に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、18歳未満の子どもがいる世帯では、働くママの割合が全体の7割を占め、専業主婦ママの約2倍を超えたことから、働くママたちが著しく増加していることがわかります。

また同調査では、共働き世帯における妻の家事・育児時間(買い物など含む)が、1日あたり平均4時間54分なのに対し、夫は1日46分という結果も示されており、忙しい毎日を送る共働きママたちの姿も浮かびあがってきます。

そこで、実際にママたちがどれくらい忙しいのか、また忙しい毎日の中で「食」に対してどのようなニーズやモチベーションを持っているのかを把握するために、“今どきの子育て家族”を研究調査し、その実態に詳しい「イマドキファミリー研究プロジェクト」の方々に取材し、お話をお聞きしました。

イマドキファミリー研究プロジェクトとは

「イマドキファミリー研究プロジェクト」は、2014年度より子育て家族や共働きママに関する研究を開始したチームです。イマドキファミリーがどんな価値観を持ち、どんな行動をしているのかを定期的に研究・分析し、広告やコミュニケーションのプランニングのほか、商品開発支援や企業向け勉強会などをおこなっています。プロジェクトメンバー全員が共働きママであり、イマドキファミリーのインサイトを持っているという点も大きな強みです。

2322_logo.jpg

▶イマドキファミリー研究プロジェクト:https://www.jeki.co.jp/field/imafami/index.html

2018年には「食」に関する 多くの知見を持つオレンジページ「次のくらしデザイン部」とタッグを組み、「イマドキ家族の食事に関する共同研究」を実施し、イマドキのママたちが、家事や食事の仕度にどのくらい時間をかけ、どのような工夫をしているかなど、食事の支度の実態や、食事に関する価値観などを調査されています。

1回目となる今回は、2018年の「食」に関する調査の中で、食事の支度に関する意識調査から、ママたちを5つのクラスターに分類し、それぞれの特徴について示した興味深い分析結果について、プロジェクトリーダーの高野さんにインタビューし、詳しく解説していただきました。

以下に、そのインタビュー内容を紹介します。

食事の支度意識による5つのママ・クラスターとその特徴

2322_image01.jpg

参照:ジェイアール東日本企画 オウンドメディア「恵比寿発、」
https://ebisu-hatsu.com/3464/


先ずクラスターを作成するにあたって、食事の支度に関する意識回答をもとに「料理を愉しむ」「簡便肯定」「家庭での栄養バランス重視」「食材重視」「見た目を気にする」といった5つの因子を抽出。この5因子に対する反応をもとに、共働きママであるか専業主婦ママであるかについては特に区別せず、ママたちを下記5つのクラスターに分類したものです。


➀栄養バランス重視の手作り志向ママ(構成比:23.9% 共働きママ含有率:42.3%)
2322_image02.jpg時間的・経済的余裕があり、手間がかかっても栄養バランスのとれた食事作りを意識しています。お助け食品(冷凍食品やレトルト食品など)の利用率が低く、利用意向も低め。自身も幼少期から冷凍食品やレトルト食品の利用が低かったママたちです。
・夕食への冷凍食品利用率(週1以上):6.4%
・夕食メニューとしての丼もの登場率(週1以上):33.3%


➁枠に捉われない料理ポジティブママ(構成比:17.8% 共働き率:57.5%)
2322_image03.jpg
共働きママの割合が高く、料理が得意という意識が最も高いクラスターです。ただし、手作り志向へのこだわりは低く、お助け食品や総菜なども積極的に取り入れているのが特徴。従来型の「食事の支度はこうあるべき」というハードルが低く、ポジティブに料理を楽しめているママたちです。
・夕食への冷凍食品利用率(週1以上):40.2%
・夕食メニューとしての丼もの登場率(週1以上):56.9%


➂体裁は整え、簡便もありのママ(構成比:22.3% 共働き率:51.8%)
2322_image04.jpg
共働きママ、専業主婦ママの構成比がほぼ同程度であり、世帯年収がやや低めのクラスターです。このクラスターのママたちは料理に対して苦手意識があり、簡便化商品の利用に対してポジティブ。添加物などはあまり気にしませんが、最低限、買ってきた惣菜を皿に移すという行動をとっています。
・夕食への冷凍食品利用率(週1以上):28.0%
・夕食メニューとしての丼もの登場率(週1以上):42.7%


➃自分に厳しい頑張り屋さんママ(構成比:14.5% 共働き率:47.2%)
2322_image05.jpg専業主婦ママの構成比がやや高く、世帯年収は低め。夫の帰宅時間が比較的遅く、食事の支度への関与度も低いのが特徴です。ママ自身の食事の原体験も乏しく、料理の苦手意識が強いですが、「簡便」「レトルト」といったワードにはやや抵抗を示し、冷凍食品の利用率も高くないです。
・夕食への冷凍食品利用率(週1以上):23.2%
・夕食メニューとしての丼もの登場率(週1以上):40.8%


➄現実的なメリハリ型ママ(構成比:21.5% 共働き率:52.4%)
2322_image06.jpg共働きママの構成比がやや高く、世帯年収は概ね平均値。時間的な余裕がないせいか、平日の夕食負担感が非常に高いクラスターです。そのため簡便なものにも寛容ですが、素材の産地や添加物など、食材にはこだわりを見せる傾向もあります。
・夕食への冷凍食品利用率(週1以上):27.6%
・夕食メニューとしての丼もの登場率(週1以上):35.2%

次に、「簡便肯定因子」を縦軸に、「料理愉しむ因子」を横軸にしてチャート化し、各クラスターをプロットしてみると、簡便化にプラス意識を持っているクラスターの方がボリュームが多いという結果がわかります。その一方で、料理を愉しめているママたちは少なく、料理への負感が大きいという状況もみえてきます。
2322_image07.jpg

参照:ジェイアール東日本企画 オウンドメディア「恵比寿発、」
https://ebisu-hatsu.com/3464/


その中で、少し特徴的なクラスターと思われるのが、➁枠に捉われない料理ポジティブママです。共働き率が57.5%と高いのですが、「料理が好き」「料理が得意」という意識も高く、先進的なクラスターともいえます。おかずの素などの便利食品やお助け食品も積極的に取り入れているので、お助け食品を使うことで気持ちに少し余裕が生まれ、「料理が好き」という意識にもつながっているのではないかと考えています。あまり頑張りすぎないというバランス感覚を持っているようです。

また、➁枠に捉われない料理ポジティブママの特徴として、「パパの帰宅時間が早い」という傾向がみられます。夫が19時台までに帰宅する割合が全体では33%なのに対して、ポジティブママについては42%という結果です。夫が早めに帰宅して子供の相手をしてくれている間に、食事の仕度に専念できるという状況が確保できているのかもしれません。 

<調査概要>
2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』
夕食の実態と支度に関する調査
調査地域:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県(東京駅を中心とする40km圏)
調査方法:インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
調査対象:満1歳〜小学校4年生以下の長子がいる25~49歳の既婚女性 978ss
     夫婦と子どものみの同居世帯である人。(女性側の勤務形態と子供の年齢で割付)
調査日:2018年6月8日(金)〜14日(木)

次回は‥

5つのママ・クラスターいかがでしたでしょうか?
プロジェクトリーダー高野さんに解説いただいた、各クラスターごとのママたちの特徴や意識は、クックパッドが持つ検索ビックデータでは捉えることのできない内容でもあり、とても面白く興味深いものでした。

次回は、現役の共働きママでもある「イマドキファミリー研究プロジェクト」のメンバーの方々にリアルな日常についてうかがい、忙しい共働きママたちの心理を探っていきます。



writing support : Emiko Tanaka





著者プロフィール

著者アイコン
FoodClip
「食マーケティングの解像度をあげる」をコンセプトに、市場の動向やトレンドを発信する専門メディア。月1-2回配信されるスロー・ニュースレターにぜひご登録ください。