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食品業界の新常識?リモート記者発表会+試飲会の作り方
今、オンライン記者発表が急増しています。食品業界の場合は、試食や試飲体験の設計が難しく実施方法に頭を抱えている方も多いと思います。そんな中、リモート記者発表会と試飲体験を実現させ、WBSなどのTV露出にも成功した事例をご紹介します。
今回、取材した方
株式会社WORC(ワーク) 代表取締役
株式会社ライトアップコーヒー代表取締役 おうちコーヒー専門家
川野 優馬さん (以下、敬称略)
1990年東京都生まれ。 慶應義塾大学在学中にコーヒーの魅力に取り憑かれ、2012年ラテアート全国大会で優勝。その後シングルオリジンコーヒーと出会い、おいしいコーヒーで世界を明るくする「LIGHT UP COFFEE」を吉祥寺にオープン。店舗を経営する傍ら、株式会社リクルートホールディングスに就職し、UXデザイナーとして1年半勤務した後、株式会社ライトアップコーヒーを設立。日本の働く場所をもっと豊かに楽しくしたいとの思いで、この度、2019年10月に株式会社WORCを設立し、オフィスで働く人においしいコーヒーを届ける福利厚生サービスWORCを開始。
◾WORC
おいしいコーヒーを通して「働く」を応援し楽しくするコーヒースタートアップです。リモートワーク時代の福利厚生として、ワークシーンに合ったコーヒーを自宅へお届けします。
▶WORC WEBサイト: https://lightupcoffee.com/worc/
【商品:①エスプレッソキューブ】
「エスプレッソキューブ」はバリスタが抽出したエスプレッソを急速冷凍して真空包装した商品です。ご自宅でもお店で飲むような本格的なコーヒー、カフェラテを手軽にお楽しみいただけます。
【商品:②働く人のためのCOFFEE BAG】
「COFFEE BAG」は専門的な器具が不要で、ティーバッグ方式のコーヒーバッグにお湯を注ぐだけで本格的なブラックコーヒーが抽出できる商品です。働くシーンにあわせた3つの味「CREATIVE、RELAX、REFRESH」をお届けします。
今回、記者発表会と試飲会を
実施した背景とは?
編集部:今回は、オンライン発表会『働く人をコーヒーで応援するWORC(ワーク)Withコロナ時代の福利厚生 法人向け新プラン発表会及び「エスプレッソキューブ」リモート試飲会』についてお話をうかがわせてください。よろしくお願いいたします。まずはじめに、今回記者発表会を実施した背景を教えてください。
川野:今リモートワークで働く方が増えていく中で、行きたくてもコーヒーショップに行けない、でも美味しいコーヒーを求めている方は多くいるという印象を受けていて、僕たちのサブスクリプションを今こそ提案したいと考えていました。当初は店舗に数名でもメディアの方をお呼びして実施しようと思っていたんですが、それもちょっと大変そうで、それならオンラインで記者発表会をしようということになりました。
編集部:そうだったんですね、オンラインだから「商品のサンプリングだけ」ということにはしなかったんですね。
川野:はい。物だけ急に送られてきても唐突ですし、録画した説明動画と商品を渡しても興味を持ってはくれないと思いました。
これまで経験のないリモート記者発表
どのように準備をした?
当日配布したPR資料 (提供:株式会社フロントステージ http://frontstage-pr.co.jp/)
編集部:では実際に、どのようにリモート記者発表会を実施されたのか、詳しく教えてください。まず初めにどんな座組で進行されたんですか?
川野:フロントステージさんというPR会社とずっとWORCのPRプロジェクトを進めていて、今回もメディアリレーションから案内など連携して進めました。基本的にはどんな構成で何を伝えるのかを整理して、プログラムを決めていきました。
編集部:リモートでの試飲会もある中で、商品の到着も配慮されたんですか?またリモート記者発表会の開始時刻もどのように決めたのか気になります。
川野:商品はベストなタイミングを考えて、前日到着で進めました。発送が早いと冷凍庫の奥底に入ってしまうかなとか商品の鮮度も気になりますし。ただ配送の不手際で到着できない場合も想定できたので、少しリスクもありましたね。
発表会の時間は14時スタートで設定しました。昼食をとった後の午後のリラックスタイムとしてコーヒーを試飲いただきたかったからです。
編集部:なるほど!配信環境は何を利用されたんですか?
川野:100名まで参加できるZoomでライブ配信しました。また発表には興味あるけど時間帯がNGな方も数名おられたので、その方々には限定公開にしたYouTubeのURLを事後にメールでお伝えさせていただきました。
編集部:細かいマニュアルなども準備されたんでしょうか?
川野:そうですね、細かい準備とシュミレーションは念入りにしました。まず画面フレームは、かなりクリアに理解しました。どこまでが映ってどこからが映らないのか。映らない部分には実はたくさんの備品などが置いてあったりして(笑)、手際よくおこなわないといけないので、手元に置いておきたいけど余計な情報は画面に入れたくなかったので意識しました。
編集部:そうだったんですね‥全くそんな風には見えませんね。
川野:あとZoomで映るスタッフの名称も意識しましたし、誰がマイクをオンにするかオフにするのかも決めていました。多くの方がログインするのでノイズが入らないようになど‥起こり得る懸念は事前にクリアにしましたね。あと誰がスタッフなのかなど、ひと目でわかるようにしておいたほうが良いと思いました。
リモート試飲会の成功の秘訣とは?
リモート試飲会のワンシーン。調理したコーヒーを「乾杯!」の合図でいただく。
編集部:続いて、リモート試飲会についてもお話を聞かせてください。配送した商品を参加者が自宅で調理して試飲するスタイルで、資料を見ると当日準備されるものも記載されていますね。
川野:はい。お湯や牛乳、氷や砂糖、マグカップなどですね。点数は少し多いんですけど、基本的には全て手軽に揃うものです。この商品が「自宅での美味しいコーヒーが飲める商品」なので。
編集部:リモート試飲会では川野さんが工程を説明されて、そして最後に「乾杯」のコールをされたのが印象的でした。(上記画像)
川野:「乾杯」はしっかり言おうと決めていました。少し練習もしたかな‥皆さんとコーヒーを味わう一体感のようなものを作りたかったので意識しました。
リモート発表会の強み
「チャット機能」を活用
編集部:リモートだから苦戦されたところもあったと思いますが、逆にリモート記者発表だったから良かった!というものはありますか?
川野:個人的には、とても楽しくて何も辛くなかったです。
編集部:さすが(笑)、確かに手慣れていらっしゃいましたよね。緊張したご様子も画面からは感じられませんでした。
川野:本来の記者発表だったら緊張してしまうと思いますが、リモートだったらカンペも十分準備できますし、タイムキーパーもメンションしてくれて助かりました。
これまで「LIGHT UP COFFEE」でインスタライブなど実施していたので、僕自身が慣れていたのかもしれません。
編集部:確かにリモート記者発表会は、SNSのライブ配信に極めて近いですもんね。
川野:はい、チャットの反応も良かったです。画面越しだと皆さん緊張しないで気軽に質問を投げかけてくださるので盛り上がりますよね。とても自然体で商品の想いやメッセージを届けることができたと思います。
編集部:逆に反省点などはありますか?
川野:そうだな‥チャット機能はもっとアップデートできるなと思いました。まだ整理できていませんが。
ずばり、リモート記者発表会の効果は?
編集部:最後に、今回のリモート記者発表会の”効果”を可能な範囲で教えていただけますでしょうか?
川野:反応は予想以上でした。テレビ東京のWBSさんに事後取材をしていただき、放映直後から問い合わせも多くいただきました。また新聞やWebでも複数のメディアに取り上げていただきました。リモート記者発表会は、従来のイベントよりも圧倒的に割安で実施できるので、経営者としても納得のいく結果でした。
今回のリモート記者発表会のプロデュース・設計は株式会社フロントステージ(http://frontstage-pr.co.jp/)
取材を終えて
他業界では既に一般化しつつあるリモート発表会(オンライン発表会)。食品業界の場合は、試食試飲のハードルがあるのでどう突破できるのだろうと思っていたところ、「WORC」さんが実際におこなっていると知り、実施に至った背景や運用面についてお話をうかがいました。今後実施をご検討されている方も多いと思います。ぜひご参考になさってください。