
広告・販促事例
「イシイのミートボール」実売UPに導いたメッセージとは
1974年の発売以来、ずっと愛され続けるおなじみの「イシイのミートボール」。近年、人気商品の新たなチャレンジとして、若年層への訴求を目的に多角的な施策を展開されています。クックパッドで取り組んだデジタル施策の事例をご紹介しながら、お客様へ届けたかった不変的なメッセージについてお話をうかがいました。
今回お話をうかがった方
石井食品株式会社
社長室 阿部 純哉さん (以下、敬称略)※実施時は広報/広告を担当
マーケティング部 小原 尚敏さん(以下、敬称略)
実施内容
●つくれぽタイアップ:https://cookpad.com/pr/tieup/index/1421
●レシピ開発(4品)
●商品パッケージ等へのロゴ利用
「お弁当」を中心に長年愛される
人気商品の新たなチャレンジ
編集部:今回は、初めてクックパッド施策をご実施いただきありがとうございました。長年お弁当で親しまれている「イシイのおべんとクン ミートボール」で施策をおこなった背景を教えてください。
阿部:80年代に朝のアニメの放映時間に合わせてCMを展開し、マスを中心とした訴求をおこなってきました。その時期には「ミートボール=イシイ」という印象を強く持っていただいていたのですが、近年は、若年層への認知やお弁当以外での用途拡大が課題として挙がっており、新たな情報発信のチャレンジをおこなう必要が出てきました。
編集部:クックパッドを含め、どのような施策を設計されたのですか?
阿部:以前のようなマス展開ではなく、どのような方法が今の時代にあった広告宣伝なのかを検証しながら、クックパッドのようなデジタル施策のほか、雑誌や地方限定のCMなど多角的に検討し実施していきました。
見つめ直した商品価値
「イシイの本気は裏に出る」
編集部:なるほど。いろいろな広告を展開する中で、発信するメッセージはどのように定められたのでしょうか?
阿部:子どものいるご家庭を中心に支持されている「無添加調理」というメッセージは、どんな媒体においても変えずに進めていきました。
小原:基本的に弊社の商品には「お母さんがわかる材料しか使わない」というコンセプトがあります。裏面を見て、食品添加物などは使わず「キッチンや冷蔵庫にある食材」だけを使用する商品づくりをしており、そのメッセージを軸に、すべてのメディア戦略を展開しています。
編集部:それはどのような背景で決まったのでしょうか?
小原:営業、生産部門含め従業員にヒアリングをおこないました。そこで「自分の会社を紹介する時にどう表現するか」という質問をしたところ、「素材や品質管理へのこだわり」というキーワードが多く出てきました。それをわかりやすく表したのが、今採用している「イシイの本気は裏に出る」というお客様へのメッセージです。
クックパッドを選んだ理由と施策の効果
〜前年比8%増の成長〜
編集部:さまざまな媒体や施策を検討される中で、クックパッドでの実施を決定した理由を教えてください。
阿部:Webのレシピサービスの中で規模が最も大きく、名前が知られている媒体であることが大きかったです。今までこうした広告施策の経験がない中、社内でもサービスを知っていたり、利用している従業員が多かったので、自分ごと化しやすいだろうと思いました。実際に、現場の営業もよく知っている媒体ということでバイヤーさんと商談がしやすかったという声もあがりました。
編集部:今回おこなった施策では、お弁当用途ではなく「食卓での登場頻度向上」を目的に、トマトシチューやミルクチーズ鍋、ロールキャベツなどの開発メニューを訴求しましたよね。ユーザーの「気になる」「作ってみたい!」度合いを測る指標ともいえる、MYフォルダ(※)の登録数が1,831件という大きな反響があっただけでなく、アンケート内容ではメッセージの軸である「無添加調理」について初めて知り今後も使いたくなった、というコメントも多く集まっていましたね。
阿部:はい、施策の内容はもちろん、ユーザーコメントを中心とした反響は社内にも展開の上、商談時の資料やPOPにも反映させました。
編集部:各レシピについた、つくれぽ(※)では「ミートボールだけで味が決まってこんなに簡単にできた!」や「お弁当でしか使ったことがなかったけど、こんな使い方もできるんだ!」という驚きの声が集まり、期待通りの反応が得られましたね。
※MYフォルダ:ユーザーがお気に入りのレシピを保存することができるしくみ
※つくれぽ:クックパッドに投稿されているレシピを見て料理を作った利用者が、料理写真や動画とともに感想を投稿するレポート
【開発レシピ】
ミートボールと白菜のミルクチーズ鍋
https://cookpad.com/recipe/5841529
ミートボールで簡単!ロールキャベツ
https://cookpad.com/recipe/5841538
ミートボールのトマトシチュー
https://cookpad.com/recipe/5841530
食パンで!ミートボールピザまん
https://cookpad.com/recipe/5841535
編集部:実際の売上にも結果はあらわれたのでしょうか?
阿部:クックパッドを含め、一連のプロモーションをおこなった冬の期間で継続的に売上が伸び、前年比8%増と実売にも大きく貢献しました。
施策に接触して購入された方が、その後も継続していただいた結果かと思います。
編集部:それは素晴らしいですね!子どもの頃食べていたユーザーや、一度関心を持って購入したユーザーが、商品の良さと使い易さを理解してくれた結果だと思います。
施策実施で変わった社内の空気
編集部:色々お話をうかがってきましたが、クックパッドでの施策を振り返ってみた結果と、今後のご意向を聞かせてください。
阿部:しばらく広告施策をおこなっていなかったので、最初は営業メンバーも商談や資料の連携など戸惑いながら対応していたのですが、今回の施策を経て、営業活動としても有効であることが改めて理解され、広告の取り組みに非常に前向きになってくれたのは嬉しかったです。今では営業の方から「こういうのどうかな?」という提案が来ることもあり、社内の空気が変わった印象があります。
小原:社内が「広告慣れ」してくれたのは大きいですね。今後はさらにデジタル上でのバリエーションや、顧客接点の拡大を考えていきたいです。また、ミートボールはもちろん、今注力している地域の旬食材を使用した取り組みを検討していく際には、地域毎の違いや特性などクックパッドの持つデータ面でもご協力いただけると助かります。
編集部:今後とも新たなチャレンジでご一緒させていただくことを楽しみにしております!ありがとうございました。
著者情報

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