[スーパーマーケット偏愛日誌]サミット編

[スーパーマーケット偏愛日誌]サミット編

自他共に認めるスーパーマーケットオタクの谷尻純子さんによる偏愛コラム。
第2回目は、関東圏で広範囲に展開されている「サミット」の特集です。
読んだら訪問せずにはいられない、スーパーマーケット偏愛情報をぜひご堪能ください。


新型コロナの影響で、図らずもおうちごはんの機会が増えた2020年。
皆さん、おうちごはん生活をいかがお過ごしでしょうか?

私は初期の頃こそ「この機会に自炊で節約&料理の腕を上げよう!」と張り切っていたものの、早々に挫折。我が家は夫婦2人暮らしなので子どもの食事作りはありませんが、毎日仕事をしながら料理の献立を考えて買い物に行って作って…なんて、大人2人だけでも超つらいです。

そんな中、改めて活用していきたいのがスーパーのお総菜です。デパ地下まではそう頻繁に出かけられない今、スーパーのお総菜をおうちごはんに上手に取り入れてみませんか?

第2回:総菜選挙が話題に!
サミットのお総菜のヒミツ

時は2017年6月頃、Twitter上ではとあるスーパーの企画が注目を集めていました。

仕掛けたスーパーの名は「サミット」。関東圏に店舗を展開する地場の大手スーパーです。スーパーの催しとしては稀にみるほど話題となったこの企画の題材こそ、今回深掘りしたいサミットの偏愛ポイントに関連するもの。そう、お総菜です。

企画の正体は「総菜選挙」と名付けられた取り組み。サミットで人気のお総菜(の担当者)がそれぞれ1位になった際の公約を掲げ、お客さんの投票によって順位を競うといった内容ですが、その公約を掲げたポスターが…。え、ちょっと待って…。本気すぎるでしょ。

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本当の選挙ポスターみたいなチラシ(提供:サミット株式会社)


この遊び心満載の試みは瞬く間に注目を集め、サミットの名前が全国に知られるきっかけにもなりました。これまでいろいろなスーパーを見てきた私も、ここまで本気で面白い企画に取り組んでいるスーパーはなかなか見たことがありません。

ねぇサミット、貴方はいったい何を考えているの? 

事業ビジョンに込められた想い

実はサミット、2016年に現在の竹野会長が社長に就任したタイミングで「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」という事業ビジョンを新たに掲げました。

当初は社内も「そうは言っても何をすれば…」と、消極的な雰囲気だったそうですが、社長自らがこれまでにないような仕掛けをどんどん企画していくと、少しずつ従業員たちからも「お客さんに喜んでもらうための自由な発想」が生まれるようになったそう。

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当時の社長が企画したチラシの一例。何も書いていないマル秘チラシが話題となった
(提供:サミット株式会社)


総菜選挙も、実はこのビジョンに基づいて発案されたものです。2017年に開催された第1回は当時の東京都知事選挙に合わせて、お客さんと一緒に楽しめる企画として実施されました。

前述の通り、バイヤーたちが担当総菜に関する公約を掲げ、お客さんに投票してもらった結果、1位の公約を実現するといったこの企画。記念すべき第1回目の1位を獲得したのは「桜姫鶏の焼とり」で、「史上最安値!88円セール実施」の公約が果たされました。

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選挙後に発行されたチラシ(提供:サミット株式会社)


好評だった本企画は、2019年に第2回目を実施。今度は参議院選挙に合わせて開催したそうです。世の中の流行りをしっかりキャッチして、独自の企画を絡めて話題にしていく。意図せずしてかもしれませんが、これってめちゃくちゃ上手な広報だと思います。

名実ともに超優秀、サミットのお総菜力

企画の話が長くなりましたが、伝えたい内容はここからが本番。企画が面白いだけでなく、サミットのお総菜はおいしさも折り紙付きの商品ばかりです。

例えば、2019年度に開催された「第10回からあげグランプリ®」では、数あるエントリーの中から、東日本スーパー総菜部門でサミットの「塩にんにくの若鶏もも竜田揚」が金賞を受賞。店頭でも人気の高い商品となりました。

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「塩にんにくの若鶏もも竜田揚」


また、全国スーパーマーケット協会が開催する「お弁当・お惣菜大賞2019」の寿司部門では、期間限定で販売された「秋を味わう2種のさんま箱寿司(炙り・蒲焼)」が最優秀賞を受賞しています。

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秋を味わう2種のさんま箱寿司(炙り・蒲焼)(提供:サミット株式会社)


ちなみに「お弁当・お惣菜大賞2019」にエントリーされた数は、全国各地のスーパーなどから、なんと53,285 件。サミットは全国の数多ある強豪を抑えて、寿司部門のトップの座に立ったのです。 

サミットのお総菜は
「家庭で作ったようなやさしい味」

「スーパーを楽しくするサミットは、お総菜力が高い」なんて言うと、「さぞ変わったお総菜を展開しているんだろう」と思う方もいるかもしれません。ですが、実際はその逆。サミットのお総菜は地に足のついた…という表現が正しいかわかりませんが、特に変わった食材や商品名でもなく、ストレートに勝負しているメニューばかりです。

「どこのスーパーにでもありそうなメニューが多いのに、サミットのお総菜がここまで受けているのは何が理由なのだろう?」

気になったのでサミット株式会社の総菜部アシスタントマネージャーである和田行博さんにお話をうかがったところ、以下のような回答をいただきました。

「サミットでは『家庭で作ったようなやさしい味』というコンセプトを大事にし、ブレずに商品作りをしています。これがお客さまに伝わっていることが、大きな要因であると思います」

以前「お総菜のライバルは、他社のスーパーではなく家庭の味」なんて言葉を聞いたことがあります。確かに「A店のお総菜よりB店のお総菜のほうがおいしい」も大切ですが、「家で作るような親しみのある味で、代用するのに罪悪感がない」ことって、実はとても重要。

なるほどな~と思ったわけですが、まさにサミットはここに焦点を当ててお総菜の企画・開発をしているというわけですね。

ちなみにサミットでは、取引先のメーカーと一緒にお総菜を作っていく際にも、オリジナル性にこだわり、使用する食材・調味料から選ぶなど、商品をとことん作り込んでいくそう。
メーカー側から提案のあったお総菜をそのまま店舗におくスーパーも多い中で、ここにもサミットのお総菜がおいしい秘密が隠されています。

また、できる限り店内で調理することや、化学調味料を極力使わないことへのこだわりも、サミットのお総菜が愛される理由。これらのこだわりで、お客さんの胃と心の負担を減らしているのです。

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サミットのお総菜。どれも本当においしい!

売上高構成比25%を目指す、
大総菜プロジェクト

現在、サミットのお総菜は売上高構成比10%ほど。この数字は全国スーパーマーケット協会が発表した全国平均10.2%(2019年※)とほぼ同じ程度で、他社と比べて突出しているわけではありません。

※参考:全国スーパーマーケット協会「2019年 スーパーマーケット年次統計調査報告書」
http://www.super.or.jp/wp-content/uploads/2019/10/2019nenji-tokei.pdf

ただし、今後は差が出てくるかもしれません。実はサミットでは「大総菜プロジェクト」と名付けられた、お総菜に力を入れる取り組みが始まっているのです。

この取り組みは、対象商品(即食、半調理品を含む)の売上高構成比25%を目標に、オリジナリティーの高いお総菜の開発を目指すというもの。

具体的には、精肉売り場で販売している鶏肉を総菜部門でパン粉付けをして「チキンかつ(国内産若どり使用)」を作り、そのチキンかつを使ったベーカリー部門のコッペパンも販売するなど、部門の垣根を越えて開発しています。

この取り組みもまた、事業ビジョンである「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」に繋げていくものとしてスタートしているそうです。

お総菜は毎日を楽しく、ラクにしてくれるもの

最後に。
この原稿を書いている2020年7月中旬の某日、Twitter上で「ポテトサラダ」に関するツイートが物議を醸していました。内容を要約すると、「スーパーでポテトサラダを買おうとしている母子に対し、見ず知らずのある男性が『ポテトサラダくらい自分で作れ』と言った場面を、ツイート主さんが見かけた」というもの。

さまざまな意見が飛び交ったこのお話。私はツイートの内容を見てすごく悲しい気持ちになりました。

ポテトサラダをはじめとするお総菜は、男女が平等に忙しく働く中で、家庭料理の負担を少しでも減らしたいとスーパーが総力を挙げて取り組んでいる商品。「手間隙はスーパーで代行し、家族団らんの時間においしいものを食べて喜んでもらいたい」といった想いのもとに生まれています。

お総菜は、決して誰かを罪悪感で苦しめるためのものではありません。

ひと昔前は「お総菜=手抜き」のイメージでしたが、今のお総菜は企業努力の賜物で、おいしいものばかり。私なんて、作る余裕があるときでも、好きなお総菜が食べたくてスーパーへ買いに行くことだってあるくらいです。

「サミットのようにポジティブなイメージのお総菜がもっと世の中に増えて、こういった悲しい出来事が減りますように…」と祈りを馳せつつ、今からサミットへ。今日はポテトサラダと唐揚げを買いに行こうと思います。





著者プロフィール

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谷尻純子
1986年生まれ。編集者としてはたらく傍ら、スーパーマーケットキュレーターとして小売りや食品の情報を集め、自身の運営するWEBサイトやSNS、各種メディアで発信している。スーパーマーケットに関するメディア出演、執筆、監修など多数。暮らしの道具と台所も大好物。
Twitter:https://twitter.com/gotouchisuper
ゴトウチスーパードットコム:https://gotouchisuper.com/