共働きママへのコミュニケーション設計のポイントは?

共働きママへのコミュニケーション設計のポイントは?

今回で最終回となるジェイアール東日本企画(jeki)の「イマドキファミリー研究プロジェクト」の取材記事では、現役の共働きママでありストラテジック・プランナーであるメンバーの方々と「共働きママへのコミュニケーション設計のポイント」について議論しました。

前回の取材記事はこちら:https://foodclip.cookpad.com/3272/

共働きママたちに共感してもらえる
コミュニケーションとは?

これまで過去2回に渡って進めてきた、ジェイアール東日本企画(jeki)の「イマドキファミリー研究プロジェクト」への取材では、忙しい共働きママたちのリアルな実態や食事の支度に関するインサイトを探ってきました。

最終回となる今回は、「ワーキングマザーに関する調査」(イマドキファミリー研究プロジェクト調べ)における家事時間の中で、専業主婦ママが61.1分に対し、共働きママは21.3分と最も時間差の大きかった「買い物」について考えます。

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引用:イマドキファミリー研究プロジェクト
「ワーキングマザーに関する調査」


特に、年々増えつつある共働きママたちの購買意欲を高めるためには、商品訴求のタイミングやコミュニケーション方法で、どんな点を意識すべきかについてアドバイスをいただきました。

以下より、その内容を紹介します。

簡単・便利は当たり前!
重要なのはプラスの付加価値

編集部:さて今回は、共働きママたちへ商品やサービスを訴求するには、こんな視点や意識が大事!というテーマでお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願いします。

クックパッドではこの数年間で「メニュー名 ✕ 簡単」といった検索ワードが顕著に伸びてきているんですが、買い物場面においても同様のニーズがあるとすると、共働きママたちへの商品訴求ではどんなことを意識すべきでしょうか?

イマドキファミリー研究プロジェクト(以下、イマファミ)Yさん:
そうですね、共働きママ・専業主婦ママを問わず、ママたち全体に求められるコミュニケーションメッセージとして、いまや「簡単」「簡便」は当たり前で大前提の条件になっていると思いますね。なので「簡単」「簡便」だけではもう不十分で、そこにさらにプラスとなる付加価値が求められているのではないでしょうか。

編集部:そうなんですね。それは例えば、どんな価値が加わると良いのでしょう?

イマファミRさん:例えば、「アレンジいろいろ」「レパートリーが広がる」とか「家族が喜ぶ」「子どもと一緒に楽しめる」のようなプラスの価値が付くと、少しくらい金額的に高くてもコレを買おうという意識に繋がるのではないかなと思います。

商品説明は簡潔なメッセージで

編集部:コミュニケーションのタイミングやコピーライトなどでは、どんなポイントをおさえておくべきでしょうか?

イマファミYさん:特に共働きママたちに関して言うと、買い物にゆっくり時間をかけられないので、店内でゆっくり選んだり、商品をじっくり眺めたりする余裕はない。となれば、できれば店頭へ行くまでの手前の通勤途中などで、何らかの情報インプットやコミュニケーションができるとよいですよね。

編集部:前回のお話の中にも、共働きママが通勤中や帰宅途中に、インターネットなどを利用して事前にメニューや献立を決めている割合が多いというお話がありましたものね。

イマファミRさん:それに、共働きママは仕事のことであったり、家庭や子どものことであったり、毎日常に何か考えていることが多くて「すでに脳内には空きがない」という状態です。商品情報がたくさん書いてあっても処理しきれない。なので、脳内でこれ以上編集しなくても済むように、商品情報が一言で伝わるキャッチコピーなど、簡潔に訴求することが重要だと思います。

イマファミEさん:私自身のことを考えても確かにそうで、よくあるシズル感とか情緒的なコピーで誘導されるより、事実や商品特性を早く教えて!と思ってしまいます。

編集部:具体的にはどういったコミュニケーションが望ましいですか?

イマファミEさん:例えば、味付け済みの食品を訴求する際に「すでに味付けされています」と伝えるのではなく、「焼くだけ!」とか「混ぜるだけ!」とか「加えるのは◯◯だけ!」といったように、パッと見て理解できることが大事だと思います。調理工程なども、3ステップくらいで簡潔に説明してほしいなと思いますね。

編集部:なるほど。すぐに具体的な行動に結びつくメッセージやアイキャッチが必要ということなんですね。

「子どもが喜ぶ」はキラーフレーズ

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編集部:他にもママたちの購入を後押しする要素みたいなもの、何かありますか?

イマファミYさん:「子どもに喜んでたくさん食べてほしい」という想いは、共働きママ・専業主婦ママどちらにも共通してあるんですよね。

子どもが喜んでたくさん食べてくれると、ママたちにとっては成功体験にもなり、ストレス軽減にも繋がるので、子どもが食べやすいメニューかどうか、子どもが好む味付けであるかどうかは、ママたちにとって非常に重要なポイントだと思います。

編集部:よく耳にするような「子どもが喜ぶ」とか「子どもが大好き」といったフレーズは、やはりママたちのニーズに合っているってことですね。

イマファミRさん:そうですね。初めて購入する商品などは特に、「子供が好きな味だった」「子供が喜んで食べた」といった購入者のクチコミコメントなども、ママたちにとってインパクトを与えてると思いますよ。

イマファミEさん:特に朝食シーンだけで考えてみても、一日のスタートを担う大事な食事でもあり、最も慌ただしい時間ですよね。「子どもにちゃんと食事を摂らせて、気持ちよくスムーズに送り出したい」と思っているママがほとんどだと思います。そういう意味でも「子どもが喜んで食べる」というのは訴求力として強いと言えるのではないでしょうか。

編集部:なるほど。確かに子どもが喜んでくれると、そのメニューを継続して作りたいと思いますし、食べてくれないと次回作るときに少し悩むというか、何か変えなくてはと思ってしまいますものね。そういったママたちの潜在的なニーズを理解して、掘り起こして考えていくことが大事ですね。

イマファミYさん:そう思います。なので、ママたちへのコミュニケーションを考える上では、我々が同じ境遇であるからこそお役に立てていることも多いと実感しています。ママたちの生活シーンやママたちが必要としていることをしっかりと捉えた上で、その商品で伝えるべきメッセージは何かを判断することが必要だろうと思います。

編集部:確かに、「ママに刺さるメッセージはママだからこそ解る。」ということはありますよね。

全3回に渡ってのインタビュー、どの内容も大変勉強になりました。今後新しい調査結果など発表されたら、またぜひ教えてくださいね。本当にどうもありがとうございました!


▶イマドキファミリー研究プロジェクト:https://www.jeki.co.jp/field/imafami/index.html 

いかがでしたでしょうか?

近年では、女性の社会進出とともに働くママたちも増え、物理的にも心理的にもますます忙しくなっているママたち。その実態を「イマドキファミリー研究プロジェクト」が研究調査した定量データをもとに、定性的なインサイトを掘り下げながら、3つの記事でお伝えしてきました。

家庭の食卓をメインに担い、そこへの大きな影響力を持つママたちの生活シーンやニーズを深く理解することは、食に関わる企業において非常に重要なことだとあらためて感じました。FoodClipでは今後も引き続き、ママたちの動向を探り、その情報を発信していきたいと思います。


writing support : Emiko Tanaka





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