効果を最大化させる テレビCM×デジタルの勝ちパターン

効果を最大化させる テレビCM×デジタルの勝ちパターン

「酢」のトップメーカーのミツカンは創業以来、人々の食文化を創造する「商品とメニュー」を提供し数々のブームを創出してきました。これまではテレビCMを中心にした広告宣伝を中心にしてきましたが、最近はデジタルでの取り組みも強化しています。
 2018年はロングセラー商品の「味ぽん」の新展開でクックパッドと新しい取り組みを実行。気になるその戦略や手段は? 当社の齋藤が今後のビジョンについてお話を聞きました。

株式会社Mizkan
MD本部 デジタルマーケティング部 コミュニケーション課 
小玉理代 さん

クックパッド株式会社
マーケティングサポート事業部
部長 齋藤貴生 

マスとデジタルの連動は不可欠。
テレビCMとデジタルの出稿量バランスの勝ちパターンを模索

齋藤:当社のサービス当初からミツカンさんとお取り組みさせていただいてますが、今回はこれまでとは異なるアプローチで「味ぽん」の企画を実行されましたよね?その背景は何でしたか?

小玉:ミツカンはテレビCMへの広告出稿がメインでしたが、社内では「デジタルを活用した効果的な広告宣伝が必要だ」という声がありました。現状のメイン購買層は壮年世代ですが、近年は若者だけではなくて30〜40代もネットを多用しています。よって「マスとデジタルの併用や連動は不可欠。ではそのバランスはどのように考えればよいのか?」が検討事項でした。

具体的に言うと「宣伝費予算を2000GRP(※)に投下するのと、1500GRP×デジタル施策に投下する」のはどちらが効果的なんだろう?という議論です。鍵となるのは、何をもって「効果あり」とするのかのゴール設定。そんな課題に対して「料理をしてくれること」をコンバージョンと設計するならば、デジタルへのチャレンジが有効なのではないかという機運が高まるタイミングでクックパッドさんから提案があったというのが背景です。

齋藤:実をいうとクックパッドにも大きな変化がありました。端的に言えばユニークユーザーが劇的に増えていることが判明し月間利用者数が5,400万人まで増加していました。かつての2倍の新規ユーザーの流入が起きていますし、時短に関するキーワードがレシピ検索のトレンドとして外せない状態なので国民的定番商品の「味ぽん」をつかった時短レシピは、ユーザーにも魅力的だと直感で思いました。そのため、クックパッドの料理新規層にむけて、ミツカンさんのレシピを集中的に掲出していくプランを提案させていただきました。

(※)GRP:Gross Rating Points(グロス・レイティング・ポイント)の略。延べ視聴率。

5400万人の主婦にバナーを配信。
「味ぽん」の調理利用を促すレシピバナーを5種類作成

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小玉:クックパッドは日本の総世帯数の約8割が利用しているのでリーチ面も期待できますし、マスと違ってターゲットがメディアとして主婦層に絞られています。「味ぽん」を30代〜40代の主婦層を中心に調味料としての魅力を強く発信していこうという経緯もありました。そのため理解を深めるタイアップに加えて1億imp(※)バナーを展開するというアプローチで、クックパッドユーザー5,400万人の主婦にリーチしてレシピ提案による新しい商品価値への理解を促すことができると考えて実行しました。[図1]


齋藤:バナーでは「味ぽん:水=1:1」で様々な料理が作れることを、マスでもデジタル施策でも発信していきましたよね。5種類のレシピを訴求しましたが、とんでもない結果がでましたよね。

小玉:今回は「料理実践」をゴールに設定にしたので広告展開も「レシピに着地させよう」というアプローチにしました。そして、施策が始まった直後から「あってはいけない数字が出た」と報告をいただきました(笑)。

(※)imp:impression(インプレッション)の略。広告表示回数。

平均の2倍前後のCTR(※)
調理実践が確認でき、多くのユーザーに愛されるレシピに

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齋藤:施策の手応えは明確に感じられました。PCのクリック率(CTR)の平均は0.25%ですが、どのレシピも2倍前後。テレビCMで紹介していた「さっぱり鶏チャーシュー」は0.67%という記録的な数字でした。「いわしのさっぱり煮」でも0.49%。魚を家庭で食べる習慣が減っている中でここまで反応があった事例は過去ありませんでした。

小玉:クリック率という指標だけではなく、調理したことをリコメンドしてくれる「つくれぽ」(※)や「マイフォルダ」(※)の登録数も、非常に高い通知を獲得することができました。

齋藤:クックパッドでの施策を実行した期間の「一時的な増加」ではなく、届けるべきユーザーに素晴らしいレシピを届けることでレシピ自体が恒常的に愛される状態になっている(レシピが自走する)ことが、証明できた数値とも言えます。

(※)CTR:Click Through Rate(クリックスルーレート)の略。表示された数(インプレッション数)のうちクリックされた回数(クリック数)の割合。クリック率。
(※)つくれぽ:クックパッドに掲載されたレシピをもとに料理を作ったことを、レシピ作者さんに写真とコメントで報告する機能のこと。
(※)マイフォルダ:クックパッドのお気に入りのレシピが保存できる機能のこと。

狙いたい世代で8.2%リーチ増。
リーチ総数ではCMの半分まで到達

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小玉:リーチも30〜59歳女性の場合で8.2%純増、全年齢でも6%。リーチ総数では今回のクックパッド施策はテレビCMの半分まで到達していました。1億impですから購買率をみることもできました。反響の大きさでも収穫はありましたが、テレビCM×デジタルの連動で何がどう変わるかを知りたかったミツカンからしてみれば、それもまた非常に意義のある施策になりました。

齋藤:クックパッドとしても、ここまで様々な分析が可能になったことで、大変多くの学びを得ました。impの大量投下をすれば、テレビでは届かなかったターゲット層にまでリーチすることが証明できました。商品購買率ではマスを上回ったこと、購買者あたりの金額においては減少してしまったこと、などでした。

ぜひこれからもクックパッドを多いに活用してください。
そして我々だけでは考え及ばない気づきが得られることを期待しています。

より詳しく知るなら[Cookpad Report]
Cookpad Report

本記事より詳細なプロモーション施策の概要や、キャンペーン期間中の購入者あたりの金額をテレビCM接触者、クックパッド接触者、両メディア接触者ごとに分析した結果も紹介しています。ダウンロードはこちら





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