普段は時短、催事では体験を重視?  共働きママの心理とは

普段は時短、催事では体験を重視? 共働きママの心理とは

2018年に「共働き主婦世帯」が「専業主婦世帯」の2倍へ増加(※)し、子育て世代の消費行動はダイナミックに変わりつつあります。クックパッドにおけるレシピ検索の傾向でも変化の兆しが確認できるようになっています。そこで今回は「バレンタイン」をピックアップし共働きママの傾向をご紹介します。

※出典:2018年厚生労働省が発表した「平成29年(2017年)国民生活基礎調査」

働くママが増加した結果、
料理のシンプル化、効率化が加速

はじめに、バレンタインの話の前に「専業主婦」から「共働き主婦」が増えたことで、食卓シーンでどんな変化が起きているのかを見てみましょう。

大きな変化は「料理にかける時間」です。具体的な例をあげると、必要な分量の食材とレシピがひとつのキットになった「ミールキット」や、食材と調味料を入れれば「ほったらかし」で1品分を仕上げてくれる「調理家電」は急速にマーケットを伸ばしています。
ここには「物理的/心理的ショートカット」のインサイトがあります。
家事を効率的に済ませて、家族との時間を確保したいという時間短縮と「メニューで悩むこと」への心理的負荷の軽減が背景にありそうです。

また「料理自体のシンプル化」も確認できます。
材料や工程、調味料を特定しない自由度の高い「名もなき料理」という言葉の定着も感じますし、クックパッドが発表した食トレンド大賞2019でグランプリを受賞した「下味冷凍の肉おかず」や「おかず味噌汁」なども、シンプル化意識が背景となる調理トレンドと言えるのではないでしょうか。

一方、特別な日の料理(催事や誕生日など)では、上記とは異なった調理者のインサイトが働いています。クックパッドに大量に貯蓄されたビッグデータ「たべみる」を活用して変化が顕著に現れた「バレンタイン」を題材に整理してみましょう。

「バレンタイン」検索が17年から3倍に。
子供が作れるバレンタインレシピを探す

クックパッドで検索されたキーワード「バレンタイン」の検索頻度(SI値)を年別で見ていくと、2009年から2018年から上昇傾向にあります。[図1]

blog_ckpd_606_zu1.png

「バレンタイン」検索頻度を押し上げている一因として注目したいのが「子供と作るバレンタインレシピ」の存在です。
クックパッドでは複数キーワードの検索傾向から「バレンタイン」の小さいトレンドを把握することができますが、「バレンタイン×子供」の組み合わせランキングは、つねに10位以内にランクインし、2019年は「バレンタイン×小学生」が10位をマークしています。組み合わせ検索頻度(KSI)はまだ少ないながらも、調理目的の変化がわかります。

blog_ckpd_606_zu2.png

なお、バレンタインに関係なく「子供と作る」という検索キーワードが2017年から急成長しています。
ここまでを要約すると、まだトレンドの兆しではあるものの「子供が主体的に作れるチョコレシピを探す機会が増えている」ということが言えそうです。

blog_ckpd_606_zu3.png

「子供と作る」の検索が急上昇。
ママは、なぜ子供が作れるレシピを探す?

なぜ、親は「子供が作れるバレンタインレシピ」を探しているのか?
ここに冒頭の「共働きママの増加」が間接的に関係してるのではないか、と仮説立ててみました。実際に「バレンタイン×子供と作る」でヒットしたレシピのコメントから調理背景を探ってみると「一緒に料理して楽しかった」「楽しい週末になった」といった声が集まっていました。

バレンタインはこれまでの異性に告白するイベントから、友達にお菓子をプレゼントする機会となって、最近は「子供たちがお菓子作りに挑戦する機会」にアップデートしているのかもしれません。

その背景には、子供が料理と向き合う機会をサポートする親の存在が欠かせません。
この場合の親のインサイトは、平日は家事や子育て、仕事で精一杯なため「子供と一緒に体験できる」を積極的に暮らしの中で取り入れているのではないかと見立てています。

「親子コミュニケーション」も質の時代へ
シーズンイベントのあり方は今後も注目

料理は、子供と一緒に楽しめる身近なアクティビティ(活動・体験)です。

なぜならば、一緒に作る体験を通じて食の重要性や食材・環境への意識を育むことができますし、数時間の料理体験を通じて「週末、子供と一緒に何やろう問題」が解決できます(公園や図書館に連れ出すのもマンネリ化し、テーマパークもお金がかかって大変という話を聞きます)。
自宅で数時間子供が夢中になってくれる料理は、週末のアクティビティとして優れているのです。

バレンタインなどの季節イベントを「食卓シーンから楽しむ」という調理行動から親子のアクティビティとして楽しむ調理行動へと変化しているのであれば「特別な日の料理」は今までとは異なる意識でレシピを検討したり、新たな消費行動に発展することになるかもしれません。

バレンタインはこれまで簡単・時短・大量消費や本格レシピが求められてきましたが、子供でも作りやすいチョコレシピを通して働くママに届けていくのも価値がありそうです。

共働き主婦世帯が増えることによる調理行動の変化は、まだまだ始まったばかり。
クックパッドとしてもこれから注目していきたいと思います。





著者プロフィール

著者アイコン
ストラテジックプランナー 安井遥香
出版社にて企画営業、編集を経て2017年クックパッド入社。
自ら良い!素敵!と思ったモノ・コトは人に伝えたがる性分。
プランニング時のモットーは、クライアントにとって宝である商品の魅力を本質から考え抜き、消費者へその価値をわかりやすく、きちんと自分ごと化してもらえるよう届けること。そして、ちょっとした驚きとワクワクのエッセンスを取り入れること。