
製菓・デザート・アイス
2021年バレンタイン予測!ニューノーマルな楽しみ方
昨年クックパッドでは、「固めプリン」や「クリームソーダ」といった「喫茶・レトロブーム」を受けて、2020年の手作りバレンタインに「ニューレトロバレンタイン」がトレンド入りするのではないかと予想しました。しかしその後、世の中の状況はドラスティックに変化し、2021年のバレンタインは、傾向も考え方もこれまでと大きく変わりそうです。
コロナ禍における生活者変化と照らしながら、ニューノーマルなバレンタインを考察します。
これまでのバレンタインは
これまでのバレンタインでは、好きな人のために手作りしたチョコレート菓子などを渡す「本命チョコ」や、焼き菓子を大量に手作りして友人たちに配り、交換し合うことで楽しむ「友チョコ」などが主なニーズと言えました。
また、誰かのためではなく、自分のための「ご褒美チョコ」として高級チョコレートを購入する人もいて、それぞれの多様な楽しみ方がありました。
▼「バレンタイン×◯◯◯」の組み合わせ検索(年別)
しかし、新型コロナウイルスの影響で、新しい生活様式が求められるようになったことに加え、感染第3波の懸念も高まりつつある中で、食に関しては特にセンシティブでハードルの高いカテゴリーにもなってきました。
このような状況下で、2021年のバレンタインはどうなっていくのか、どのような新しい楽しみ方が広がっていくのかを考察してみました。
変化した食への価値観
再認識された料理の楽しさ
2020年4月の緊急事態宣言によって、全国で一斉休校が実施されたりと、生活者の行動は大きく制限され、家の中で過ごす時間が増えたことで、生活者の間では家族で楽しめるものとして、食への意識が一気に高まりました。
外出自粛が少し緩和された5月末に実施したアンケート調査の結果からも、コロナ禍をきっかけに食への関心が高まり、料理への捉え方などが変化したことがわかります。
クックパッドメルマガアンケート『最近の食生活に関する調査』より
特に、普段ではなかなか作ることのなかった、お菓子やパン作りのニーズが高まったことが、クックパッドの検索データでも顕著に表れています。
※検索頻度(SI値):クックパッドでの検索1,000回あたりの分析キーワードの検索回数
また、外出自粛期間中、子どもと過ごす時間が増え、家の中で子どもと一緒に楽しめるアクティビティとして選ばれたのが「料理を子どもと作る」という体験です。
外出自粛期間にあたる2020年3月〜5月の検索はピークをむかえ、「子どもと作る」との組み合わせ検索を見てみると、「お菓子」をトップに、「クッキー」や「ホットケーキミックス」「パン」などのキーワードが10位以内に並んでいます。ここでもベイキングニーズの高まりが感じられます。
▼「子どもと作る×◯◯◯」の組み合わせ検索(月別)
こうしたブームから、自宅で「お店の味」を再現しようとする人や、「おうちカフェ」を演出しようとする人なども増え、ちょっとした工夫でいつもの食卓をより楽しみたいという行動が見られました。
制限された中で培った想像力が
2021年のバレンタインを変える!?
目の前の状況が日々変化する中で、これまでにはなかったストレスを感じることも多くなり、人々はより心地の良い時間を求めるようになりましたよね。
最近では、「マインドフルネス・クッキング」という言葉も生まれ、瞑想や呼吸法と同じように、いま目の前のことに心を集中してリラックスすることを目的に、料理をする人や食事するシーンも増えてきているようです。
2021年のバレンタインでは、これまでの「本命チョコ」や「友チョコ」のように誰かにプレゼントする目的ではなく、作ることをただ純粋に楽しむためのチョコレート作りが注目されていくかもしれません。
じっくりとテンパリングをして、お気に入りの型に流し込んで楽しんだり、家族と一緒にチョコレートフォンデュなどでアレンジを楽しんだり、少し本格的なチョコレートケーキにチャレンジして、大切な人とゆっくりと味わうスタイルも増えていくのではないでしょうか。
withコロナ時代のバレンタインを私たちも注目していきたいと思います。
著者情報

- ストラテジックプランナー 安井遥香
- 出版社にて企画営業、編集を経て2017年クックパッド入社。
自ら良い!素敵!と思ったモノ・コトは人に伝えたがる性分。
プランニング時のモットーは、クライアントにとって宝である商品の魅力を本質から考え抜き、消費者へその価値をわかりやすく、きちんと自分ごと化してもらえるよう届けること。そして、ちょっとした驚きとワクワクのエッセンスを取り入れること。