さっぱり煮の食卓出現アップへ。味ぽん×カンタン酢戦略

さっぱり煮の食卓出現アップへ。味ぽん×カンタン酢戦略

ミツカンのテレビCMでもお馴染み、人気メニューである「鶏のさっぱり煮」。クックパッドでもリピーターが多いこのメニューは、「味ぽん」「カンタン酢」どちらでも作ることができるのをご存知ですか? 今回ミツカンでは、2つの商品を同じメニューで訴求するという初めての施策に挑戦しました。
施策を担当したクックパッドのプランナー山本とともに、株式会社Mizkanの利井様と工藤様にお話を聞きました。


株式会社Mizkan
MD本部 デジタルマーケティング部 メディアコミュニケーション課
味ぽんご担当 利井様 (以下、敬称略)
カンタン酢ご担当 工藤様 (以下、敬称略)

クックパッド株式会社
ストラテジックプランナー
山本佳林

人気メニュー「鶏のさっぱり煮」
食卓出現頻度を上げるには?

編集部:いつもクックパッド広告をご活用いただき、ありがとうございます。

これまでもミツカン様とは、商品軸での課題に合わせて施策を実施してきましたが、今回は「味ぽん」と「カンタン酢」どちらの商品でも作れる「鶏のさっぱり煮」の食卓出現頻度(TI値)を上げるという目的で、施策をご実施いただきましたよね。

2つの商品で同じメニューを訴求するのは初めての取り組みだと思いますが、先ずはその背景を教えていただけますか。

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利井:2つの商品を使って同じメニューを訴求するのは初めての試みでした。生活者が混乱するのではないか?とか、ターゲットを食い合ってしまうのではないか?などの不安要素もありましたが、事前調査の中で興味深い傾向が見えていたため今回トライすることにしたんです。

それは、鶏のさっぱり煮を作っていても、調理者の嗜好や家族構成に合わせて「味ぽん」と「カンタン酢」を明確に使い分けているということでした。「味ぽん」で調理している方は、レシピが“1:1”で簡単なことが一番の価値で、「カンタン酢」で調理している方は、まろやかな味で子どもも喜んで食べてくれることに価値を感じていることがわかりました。

商品特徴を踏まえてレシピを選好していることがわかったので、これは2つの商品を同時に訴求しても、ターゲットが重なり合う可能性は低いのではないかと思ったんです。

編集部:なるほど。事前調査の結果が後押しになったんですね。

利井:はい。懸念点以上に同時訴求のメリットがあるな、という仮説もありました。「味ぽん」で鶏のさっぱり煮を作ることに課題を感じている方に対して、「カンタン酢」でも作れることをスムーズに訴求できるのではないかと。

「味ぽん」で作る時に、味が濃くなりそうという声もありました。そんな方には「カンタン酢」での調理を提案し、逆に「カンタン酢」の調理工程にハードルを感じる方には、「味ぽん」と水を“1:1“で割るだけでよいという簡便性を伝えたいと。

そうすれば、メニュー全体としての食卓出現頻度が増えるのではないかと考えたんです。

編集部:2つの商品で作る鶏のさっぱり煮を、お互いに補完し合う感じですね。

利井:はい。そのような戦略を考えたとき、若年層から壮年層に至る調理頻度の高い女性たちに広くアプローチできるクックパッドで、大規模に予算を投下しようと判断しました。

カンタン酢のブランド価値を再整理。
トライしやすいメニューへ転換

編集部:これまで「カンタン酢」は、マリネやピクルスでの訴求がメインという印象でしたが、今回は鶏のさっぱり煮に転換されたのですね。プロモーション時期としても、あまり煮物シーズンとは言えない春先ということで、どのような背景があったのでしょうか?

工藤:おっしゃる通り、これまではピクルスのための調味酢という打ち出しがメインでした。ただ若年層には、ピクルスはあまり浸透しておらず訴求拡大が難しかったんです。

そんな時に「カンタン酢」のテレビCMのメニューに「鶏の甘酢照り焼き」を採用したところ、「カンタン酢」がおかずにも使えることが若年層に認知されました。

その一方で、若年層には、これまで生酢からシフトしていただいた方々が感じていたような砂糖や塩などが既に入っている調味酢なので「手合わせが不要で簡単」という認識がなく、「カンタン酢」で作ることがなぜ簡単なのか分からない、という声もありました。

そこで私たちは、2020年上期に「カンタン酢」のブランド価値を改めて整理し、「おいしくてヘルシーな料理を簡単に作ることができる」ということや「家族が喜ぶ料理を作ることができるお助け調味料」という立ち位置に戻りました。

それまでは、鶏の甘酢照り焼きなど少し驚きのあるメニューで訴求してきましたが、既に「カンタン酢」のユーザーが調理していて、若年層もトライしやすいメニューとして、あらためて穀物酢など生酢のプロモーションで、昔から代表的なおかずメニューとして訴求をしてきた鶏のさっぱり煮で訴求することにしました。

作ってくれそうな調理者へ多面的にプッシュ

編集部:「味ぽん」で作る鶏のさっぱり煮のお取り組みについては、これまでも過去に2回ご実施いただいていますね。初回の2017年下期は、ファーストトライアル層の拡大。2回目の2018年下期は、リピーター層の調理頻度を上げることが目的でした。

そして3回目となる今回は「味ぽん」「カンタン酢」の2商品で食卓出現頻度を上げる取り組みです。

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ご実施いただいたプランは、つくれぽタイアップとカテゴリジャック、買い物ジャックですが、カテゴリジャックのキーワード選定が特徴的だと感じました。メニュー名はもちろん食材名など全10キーワードをご購入いただき、だいぶ検索ボリュームのあるキーワードをご実施いただきましたよね。

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工藤:過去施策に比べて、今回はカテゴリジャックを強化しました。新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で内食増加という背景もありましたが、PVは大幅に伸長しました。

編集部:カテゴリジャックは、検索している人…つまり何を作ろうか悩んでいる調理者に、レシピを提案できます。悩みに対して瞬間的にレシピを訴求できますし、クックパッドは若年層から壮年層までいるので、今回の施策のような大規模に食卓出現頻度を上げたいという場合にはパワーを発揮します。

特徴的だなと思ったのが「手羽元」などの食材キーワードでも、クリック率が高いですよね。この点はクックパッドのプランナーである山本さんとして、どう考えていますか?

山本:カテゴリジャックという広告商品の特徴として、材料名よりもメニュー名のほうがクリック率が高くなる傾向があります。理由はシンプルで、例えば「白菜」よりも「ビーフシチュー」のほうが目的や解決したいことが明確だからです。

編集部:材料名だと作り手側の目的も多様にありますものね。白菜でも主菜、ちょっとした副菜やおつまみ、あるいは鍋のレシピを求めている可能性もありますよね。

山本:そんな中、今回は材料名の「手羽元」もクリック率が高かったのはキーワードとレシピのマッチングが高かったからでしょう。鶏のさっぱり煮はこれまでマス広告で手羽元という材料を軸にして訴求されていたからカテゴリジャック広告で改めて「さっぱり煮」をプッシュされ「そうか!このメニューがあった!」と思い出してくれたのかもしれませんね。

工藤:そうですね。「手羽元」を検索している人が、鶏のさっぱり煮を好意的に受け止めてくださっている証拠だと思っています。テレビCMなどでも発信していたので、「手羽元ならさっぱり煮が良さそう」と思い出してくれる機会になったのかもしれません。

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編集部:つくれぽタイアップでも手応えがあったとお聞きしました。

工藤:そうなんです。今までは1商品1ヵ月間という期間でタイアップを実施してきましたが、「味ぽん」と「カンタン酢」を合同で訴求することで、2ヵ月間施策を実施できたので、リピート率も上がり、メニューは随分定着したと感じています。

利井:「味ぽん」の結果を見てみますと、クックパッドでこれまで何度も施策を実施しており、ある程度メニューが認知されていたので、正直頭打ちになっている印象がありました。実際に今回の施策では、ダイレクトに「さっぱり煮」「味ぽん」のキーワードで検索されているのも確認できました。

ただ「カンタン酢」と一緒に訴求することで、つくれぽページ内の厚みが増しました。今まで「味ぽん」で作るレシピは、塩分が高い、味が濃そう、煮汁がもったいない、といったネガティブな印象もありましたので、そういう方に対して、「カンタン酢」でも作ることができるという新たな選択肢を提供できたと感じます。

これはデジタル領域の中で、クックパッドほどの検索ボリュームがあるからこその結果だと感じています。今回のように、食卓出現頻度を上げたい、選択肢の幅を広げたいという際にリーチが担保できるのはありがたいです。

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工藤:若年層を狙ったメディアは他にもありますが、若年層と壮年層の両方を担保できるのはクックパッドの強みだと思います。もともと、「カンタン酢」を新たに若年層へ広げたいという目的がありましたが、現在のメインユーザーである壮年層の取りこぼしもしたくないと考えた時に、幅広くリーチできるのはクックパッドだからこそです。

編集部:大変ありがたいお言葉をありがとうございます。

メニューが認知されたさっぱり煮
今後の課題

編集部:今回の施策もインテージ社の消費者パネルSCIと、クックパッドのUB(ユニークブラウザ)を紐付けて、クックパッドユーザー約4万人の購買を、広告接触者と非接触者で比較しました。

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編集部:購買調査結果で態度変容を見てみますと、「味ぽん」は3.4ptリフト、「カンタン酢」は1.0ptリフトしています。この結果に関してはいかがですか?

工藤:ミツカンの調査でも同様の結果でした。このぐらいのインパクトを出せたことはとても良かったと思います。

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6414_image11.jpg編集部:食卓実現も「味ぽん」で+2pt、「カンタン酢」では+3ptでした。今回の目的であった食卓出現頻度に加え、ブランドリフトも伸ばすことができましたが、課題点としてはどのような点をお考えですか?

利井:結果を見てもわかりますが、「味ぽん」で作る鶏のさっぱり煮は、訴求を開始して4年目になるのでかなり浸透しています。

テレビCMを配信した時、ミツカンのブランドサイトへの自然流入も相当なボリュームが出て、当社のメニュー施策の中で比較しても、他と群を抜いて10倍以上の検索値が出ています。クックパッド広告施策もCTRは高く出ますが、ここにより付加価値を加えることを検討していかないといけないですね。

「味ぽん」で作る鶏のさっぱり煮は、ダイレクトに訴求するだけでは留まらないフェーズに入っていると感じています。

工藤:ブランドリフト調査で「味ぽん」の成長は飛躍的でしたが、「カンタン酢」はまだまだ伸びしろがあるなと思っています。ミツカンの調査で購入行動に繋がっているのは見えています。今後は汎用性に特化した施策をおこなうことで、より販売強化をしていきたいです。

編集部:今後はどのようなお取り組みをお考えですか?

工藤:今後は、「カンタン酢」に新たな活用方法があるという点に、力を入れていこうと思っています。「カンタン酢」で色々なメニューが作れるという汎用性の訴求は、テレビCM15秒ではなかなか伝えきれません。その辺りをクックパッドのデジタル施策で補完できたらと思っています。

利井:「味ぽん」は、やはり鍋のための調味料というイメージがぬぐい切れないのが課題です。その課題に対して、鶏のさっぱり煮や餃子、炒め物などのビッグメニューで訴求し、毎日の食卓に使っていただける万能調味料の立ち位置を確立していくことが目標です。

また今は、鶏のさっぱり煮を簡便性やおいしさをポイントに訴求しています。しかし、夏の暑い時期には電子レンジで調理できるという提案や、お弁当シーズン、行楽シーズンなどの季節によって生活者のニーズをとらえた訴求ポイントを細かくとらえていくことも必要になってくるのではないかと思っています。

山本:実際に、鶏のさっぱり煮を作ったユーザーのつくれぽを細かく見てみると、お弁当や作りおきのために調理している方もいました。今後も生活者のさまざまな調理シーンを想定しながら、さらなる訴求拡大のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

編集部:withコロナ時代、内食も拡大する中で、調理行動も大きく変わってきています。クックパッドが新たなマッチングの場になれるよう、今後ともぜひサポートさせてください。


今回はお取り組みいただきまして、ありがとうございました。



writing support:Yasue Chiba





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