[ホールフーズ2021]食のトレンド予測 トップ10

[ホールフーズ2021]食のトレンド予測 トップ10

オーガニック&ナチュラルを専門に米国で500店舗を展開するスーパーマーケット「Whole Foods」が、今回で6度目となる年次予想トップトレンド10(2021年度版)を発表しました。Whole Foodsが発表した内容とトップ10商品を原文和訳でご紹介します。

食トレンド

2021年、あなたの冷蔵庫やキッチンの棚、バッグの中は、最新のおいしい食べものたちでいっぱいになっていることでしょう。

なぜなら、今回ここで紹介するトップ10は、きっと大きなトレンドとなっていくに違いないからです。マッシュルームブロス(※)からひとくちパンケーキまで、最新のフードイノベーションを一足先にこっそりお見せします。ぜひ話題の新しい商品や味を「Whole Foods」の売り場でチェックしてみてください。そして、私たちのフードトレンドのエキスパートが次のトレンドについてどのように分析しているのかも、あわせてご覧ください。


※ブロス:じっくりと素材を煮出した出汁

トレンド予想トップ10


1. 心身を満たしてくれるもの

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プロバイオティクスが豊富なコンブチャに、さらに免疫効果や消化促進の成分が加わったタイプが新登場


サプリメントと食料品売り場の境界線が曖昧になってきていますが、2021年はそれがさらに加速していくことでしょう。スーパーフード、プロバイオティクス、ブロス、ザワークラウト。食品事業者は心身を癒したり、免疫システムをサポートしたりするため、ビタミンC(※)、キノコ(※)、アダプトゲン(※)のような機能的な成分を商品へと取り入れています。商品がより機能的になっていくことを多くの人々が心待ちにしています。


※ビタミンC:抗酸化作用が高いことで知られている
※キノコ:免疫システムを改善する効果があると言われている
※アダプトゲン:ストレスへの抵抗力を高める天然のハーブ


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素材の栄養がたっぷり入ったブロスが手軽に楽しめるように


2. 毎朝最高の朝ごはんを

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ケト、パレオなどダイエットに対応したパンケーキミックスが登場
カップに水を注いでレンジで加熱するだけで簡単に作れるパンケーキも


多くの人々がリモートワークになったことで、1日の始まりとなる朝ごはんが、さらに注目されていくことに不思議はないでしょう。朝ごはんを楽しみに、しっかり食べる人のために、新しく革新的なラインナップが登場しています。平日に食べるパンケーキや緑豆でできた卵で作るスーバイエッグバイツ(※)(sous vide egg bites)などです。


※スーバイエッグバイツ:卵液にチーズやベーコンなどの具材を入れて真空調理または低温調理された卵料理


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温めるだけですぐに食べられる植物卵のオムレツ


3. 定番が熱い

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パスタは小麦製だけではなくレンズ豆、ターメリック、ひよこ豆、キヌア製などさまざま


キッチンで過ごす時間が長くなり、おうちシェフたちは常備食材のアップデートを模索しています。パスタ、ソース、スパイス、定番の常備食材がつまらなくなることはありません。椰子の芯でできたパスタ、アップルウッドの燻製塩、植物肉入りヴィーガンスープのように昔ながらの定番食材やメニューが進化しています。


4. マグカップから飛び出してきたコーヒー

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ケトダイエット向けのチョコレート菓子


人々とコーヒーとのロマンスの炎は、淹れたてのコーヒーよりも熱くなっています。そうです。コーヒーはさまざまな食べものに衝撃を与えています。チョコレートバー、グラノラ、スムージーのブースターやリキュールの姿をしたコーヒーを、今ならいろいろと手に入れることができます。ブレックファストパフェ愛好者のために、コーヒーはヨーグルトにさえもなっています。


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エナジードリンクにもコーヒーフレイバーが。コーヒー味のヨーグルトも


5. ベビーフードも成長中

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米国のベビーフードはパウチ型が一般的
そのままスプーンに出して食べたり、月齢の大きな子は直接自分で吸って食べたり


さまざまなフードイノベーションのおかげで、子どもを持つ親たちはこれまでにないほど、たくさんの豊かな食事の選択肢を得られるようになりました。外出にそのまま持っていけるパウチにたっぷり詰まったルバーブ、ローズマリー、紫ニンジン、オメガ3が豊富なフラックスシード(※)などです。小さなグルメさんでもある子どもたちの食事は、たくさんの選択肢で溢れています。


※フラックスシード:亜麻仁、ごまに似た形状をしておりオメガ3脂肪系を豊富に含むスーパーフード


6. フードロスの再活用

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通常であれば廃棄されてしまう形の悪いフルーツをドライフルーツにした商品


野菜や果物の皮や茎は、堆肥の容器から長い道のりをかけて抜け出してきました。フードロス削減のため、これまでは捨てられ、使われなかったものを活用して作られる新たなパッケージが増えています。いわゆるフードロスを再活用し、生産や輸送、次の材料作りのためのエネルギー最適化にも役立っています。


7. オイルチェンジ

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パンプキンシードオイル、ピスタチオオイル、アボカドオイル、セサミオイル(ごま油)など多くのオイルが並ぶ


スキレットに引いたり、サラダのドレッシングに使ったり... オリーブオイル以外のオイルが隙間に入り込んできています。家庭のシェフは料理によってオイルを使い分け、それぞれのオイルの風味を楽しんでいます。くるみやパンプキンシードのオイルはナッティな風味を与えます。ひまわりの種のオイルは、高温での調理やサラダのドレッシングに幅広く活用できるとして、新商品が続々登場しています。


8. 酔っ払いコンブチャ

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カラフルなパッケージ缶や瓶入りタイプなど、数多くの種類が並んでいる


2018年には、アルコール炭酸飲料が流行るだろうとこっそりお伝えしました。今度はアルコール入りのコンブチャ(※)が飲料売り場で幅を利かせています。ハードコンブチャはすべての項目をクリアしています。グルテンフリーで、とっても炭酸が強く、プロバイオティクスが豊富なのです。ハードコンブチャに乾杯!


※コンブチャ:かつて日本では紅茶キノコと呼ばれていた発酵飲料、健康飲料として米国カルフォルニアで美容と健康にいいと親しまれ、全米にブームが広がった


9. 最強 ひよこ豆

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ひよこ豆は万能です。フムスやファラフェル、ひよこ豆でできたパスタだけがひよこ豆ではありません。食物繊維や植物性タンパク質に富み、新たなるカリフラワー(※)のような存在となっています。今やひよこ豆の豆腐、ひよこ豆粉、ひよこ豆シリアルも登場しています。皆、ひよこ豆に夢中なのです。


※カリフラワー:米国では白米や小麦の代替食材として普及しており、低糖質な主食の代替品として認識されている


10. フルーツと野菜のジャーキー

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ココナッツのジャーキー。テリヤキ味などフレーバーも複数あり


ジャーキーは肉愛食者のものだけではないのです。マッシュルームからジャックフルーツまで、さまざまなフルーツや野菜がジャーキーの形をして登場し、フルーツや野菜が常温保存で長く楽しめるようになっています。フルーツや野菜は鮮度のピークで乾燥され、栄養と美味しさが保たれています。それだけでは満足できない人のために、チリや塩、生姜やカカオで風味づけしたものも用意されています。

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フードトレンドエキスパートの見解

業界最高のフードブレインによる、2021年の食トレンドの洞察をお届けします。


ケリー・ランドリュー
ローカルブランド グローバルコーディネーター

今年私たちのバイヤーが市場から大変興味深いもの、例えばキノコ、バナナ、パイナップルなどのジャーキーを探し出してくれたおかげで、次のトレンドはフルーツや野菜のジャーキーだとピンポイントでわかりました。


ダン・イープレイ
グローサリー バイスプレジデント

毎年私たちが、食品業界で次に何が流行るかのインサイトをトレンドリストにまとめて発表をしています。家族が自宅で過ごすことが増えている中で、定番の食材やメニューがどのような進化を遂げるのかが特に楽しみでなりません。


レイチェル・ブコウスキー
プロダクトディベロップメント シニアチームリーダー

私たちのお客さまの朝食関連の新商品、プレイベートブランド「365」のオーガニックグルテンフリーパンケーキ&ワッフルミックス、オランダ風パンケーキへの反応は、彼らが革新的な朝ごはんのメニューを試すのが大好きだということを証明しています。きっと最高の朝ごはんがトレンドになることでしょう。


アラン・モーガン
料理部門 エグゼクティブリーダー

私のチームは今年、タンパク質、食物繊維が豊富なひよこ豆が、豆腐から冷菓に至るまで何にでも進出してきたことで次のトレンドになると考えました。私はひよこ豆のトレンドが2021年にどこまでいくのかを見るのが楽しみです。


(※)出典:The Next Big Things: Top 10 Food Trends for 2021
(※)ホールフーズの店頭・商品画像は、執筆者が店舗に了承をもらって撮影しています。



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著者情報

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倉中真梨子
夫の渡米に帯同して、2019年7月より当時0歳の息子を連れて人生2度目の米国生活スタート。美味しいものと体に良いものが好きな食いしんぼう母さんです。
米国生活は通算16年目に突入。現在ピッツバーグ在住時々LA。