[書評コラム]フードテック革命(田中宏隆、他)

[書評コラム]フードテック革命(田中宏隆、他)

食や料理に関心の高い皆さんへ届けたい書評コラム[BookClip]。今回はAmazonの食品産業カテゴリで1位にランクインしている『フードテック革命 世界700兆円の新産業「食」の進化と再定義(田中宏隆 他、日経BP社)』です。

本書の概要

本書はコンサルティングサービスの提供と各種事業の立ち上げや運営を手掛けるシグマシクス社(https://www.sigmaxyz.com) の田中宏隆、岡田亜希子、瀬川明秀、各氏による共著で、外村仁氏が監修した食のビジネス書。

2025年に世界700兆円に進化する食領域
業界再編の動きが理解できる必読書

2025年までに世界で700兆円規模にも達するとされる巨大市場「フードテック」全体のトレンドを把握することができます。

2020年7月発売でありながら依然注目度が高く、Amazonの食品産業研究カテゴリではランキング1位(2020年12月22日現在)。これを読まずして年越しはできない一冊と言えるのではないでしょうか。

本書の特徴は、大きく2点。

[1]フードテックの全体像が起きた背景と注目すべき傾向の解説から「フードテック」全体のトレンドを理解することができる。

[2]事業創造トレンドを知ることができる。食に関わる、または今後関係する企業、研究者、投資家、あらゆる分野の専門家がどのように新産業を共創していくのか、その道筋を示すことができる。

また特別収録されている『アフターコロナ時代の羅針盤「Food Innovation Map 2.0」』は、日常の業務でも大変有効です。

これほど食の未来の全体像を
教示してくれるバイブル本は存在しない

SNSのタイムラインで流れてくる、フードテックに関連したニュースを追いかけても、なかなか全体像を把握することは難しいもの。関連領域が既存食品業界はもちろん、国内外、異業種分野からの参入も激しいため「俯瞰した概要」を持ち合わせていないと、トピックの背景や相関性、ことの重大さを理解するのは至難の技です。

そんな全体像が見えない巨大なフードテック市場だからこそ、本書で解像度を上げると消化不良を起こしていた情報が整理され、とてもスッキリした感覚になります。読了後は、ニュースなどの新しい情報も構造と速やかに理解できるシーンが増えることと思います。

本書は、伝統的な食品業界に直接携わる方々はもとより、周辺業界から食を掛け合わせることにより何かしらの事業機会を検討している方々、研究に従事されているテクノロジーやサイエンスの専門家、食や料理に関わるベンチャー企業の方々、これから起業を考えている方々、そして将来食に関わる仕事に就きたいと考えている学生や若い方々にとっても、世界で巻き起こるフードイノベーションの全体感、およびフードテックがなぜ今熱いのかをつかむきっかけになるはずだ。そして、本書のインプットから明日のアクションにつながることを期待している。

本書の序章に書かれたメッセージの通り、本書は食に関わる全ての方に推薦できる良書です。それも一度ではなく、何度も読んで、仲間とも議論しながらビジネスの方向性のチューニングにご活用ください。

本書の目次タイトル

序章:フードテック革命に「日本不在」という現実

Chapter1:今、なぜ「フードテックなのか」
1. 急増する食領域のスタートアップ投資
2. 今求められる「食の価値の再定義」
3. 食のウェルビーイングを実現する旗手たち

Chapter2:世界で巻き起こるフードイノベーションの全体像
1. そもそもフードテックとは何か
2. 初公開「フード・イノベーションマップ2.0」
3. 食の進化を見通す「16のキートレンド」

Chapter3:With&アフターコロナ時代のフードテック
1. パンデミックで見えてきた食の課題とは
2. 新型コロナ禍が変えた食の価値ビジネス
3. アフターコロナで求められる注目の5つの領域
[Interview] 予防医学研究者 石川善樹氏

Chapter4:「代替プロテイン」の衝撃
1. 代替プロテイン市場が急成長したワケ
2. 代替肉の先端プレーヤーが成功した理由
3. 日本にも眠る代替プロテイン技術
[Interview] インポッシブルフーズ ニック・ハラ氏
[Interview] 不二製油グループ本社 代表取締役社長 清水洋史氏

Chapter5:「食領域のGAFA」が生み出す新たな食体験
1. 「キッチンOS」とは何か
2. IoT家電で見える化された食卓の姿
3. 世界で台頭する「キッチンOS」プレーヤー
4. 「食のデータ」がサービス連携の要に

Chapter6:超パーソナライゼーションが創る食の未来
1. 「マス」から個別最適化された世界へ
2. パーソナライズに必要な3つのデータ
3. 「食のネットフリックス」は現れるのか
[Interview] HAJIME オーナーシェフ 米田肇氏

Chapter7:フードテックによる外食産業のアップデート
1. 外食産業を取り巻く「不都合な真実」
2. 効率化を超えた「フードロボット」の可能性
3. 移動型レストランとしての「自販機3.0」
4. 急成長フードデリバリー&ピックアップ
5. デリバリーの裏側を支えるゴーストキッチン
6. 外食ビジネスの未来、5つの方向性
[Interview] ロイヤルホールディングス 会長 菊池唯夫氏
[Interview] Mr.CHEESECAKE 田村浩二氏

Chapter8:フードテックを活用した食品リテールの進化
1. 食品リテールの新たなミッション
2. 地盤沈下し続ける食品リテール
3. Amazon Goが示した究極のリテールテック
4. 食業態革新を目指す既存プレーヤーと異業種からの参入
[Interview] ユナイテッド・スーパーマーケットホールディングス 代表取締役社長 藤田元宏氏 

Chapter9:食のイノベーション社会実装への道
1. 事業創造に向けた5つのトレンド
2. スタートアップ投資もオープンラボ型へ
3. 日本でも始まった「食の共創」
4. 企業の枠組みを超えたフードイノベーション
[Interview] 味の素 代表取締役社長 西井孝明氏 代表取締役副社長/CDD 福士博司氏
専務執行役員/CIO 児島宏之氏

Chapter10:新産業「日本版フードテック市場」の創出に向けて
1. フードテックの本質的な役割と未来の姿
2. 12項目のフューチャー・フード・ビジョン
3. 求められる食の進化とカギとなる取り組み
4. グローバル視点で日本市場の可能性を考える

おわりに
改めて思う「日本はすぐ動かねばならぬ」

【巻末収録】アフターコロナ時代の羅針盤「フード・イノベーション・マップ 2.0」

[著者]
田中 宏隆
シグマクシスDirecter/「スマートキッチン・サミット・ジャパン主催。パナソニックを経て、マッキンゼーでハイテク・通信業界を中心に8年間に渡り成長戦略立案、実行、M&A、新事業開発、ベンチャー協業に十字。17年シグマクシスに参画。食を起点とした事業共創を目指す。慶應義塾大学経済学部卒。南カリフォルニア大学MBA取得

岡田亜希子
シグマクシスRisearch/Insight Specialist。アクセンチュアを経て、マッキンゼーにて10年間、ハイテク・通信分野のリサーチスペシャリストとして従事。17年シグマクシスに参画。「スマートキッチン。サミット・ジャパン」の創設およびそのあとの企画・運営に参画する他、フードテック関連のコミュニティー構築、インサイトの深化情報発信などの活動に従事。大阪大学国際公共政策研究科修士課程修了

瀬川明秀
シグマクシスPrincipal。出版社にて経済記者、編集者として、数々のメディア立ち上げに従事。27年間の編集経験を経て、17年にシグマクシスに参画。フードテック関連の情報発信に従事する他、大手企業の組織変革、メディア業界の新規事業などのコンサルティング案件にも参画する。

[監修]
外村 仁
スクラムベンチャーズPartner。Brain & company、Appleを経て、2000年にシルコンバレーで起業。Evernote日本法人会長を務めた後、16年から現職。SFから勃興するフードテックコミュニティーに積極的に参加し、早期エバンジェリストとして日本でフードテックコミュニティーを形成、「スマートキッチン・サミット・ジャパン」を共同創設。東京大学工学部卒。スイスIMD(国際経営大学院)MBA取得


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著者プロフィール

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渥美まいこ
FoodClip編集長。ストラテジックプランナーを経て現職、好きな料理はベトナム料理。
https://note.com/atsumimaiko
https://twitter.com/atsumi_maiko