米国サイト「Yelp」による食トレンド予測2021

米国サイト「Yelp」による食トレンド予測2021

新型コロナウイルスは、私たちの生活のあらゆる側面に大きな影響を与えました。食事シーンにおいても買い物の仕方から食材選び、そして食べる目的や方法に至るまで、さまざまな変化をもたらしました。
アメリカの人気レビューサイト「Yelp」は、昨年1年間に投稿された2,100万件を超える新しいレビューをもとに8つの食品にスポットを当て、2021年を見据えた食トレンド予測として発表しています。

アメリカ発の世界最大レビューサイト「Yelp」

「Yelp(イェルプ)」とは、アメリカ発の世界最大レビューサイトです。2020年の平均月次ユーザー数は約8,600万人で、うち9割のユーザーは米国在住者と言われています。

Yelpに掲載されているカテゴリは非常に幅広く、レストランから病院、美容室や修理業者と多岐に渡ります。ユーザーに最もよく見られているカテゴリはレストランで、米国では外食をする際には、まずYelpを見て確認するという人が少なくありません。


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米国でレストランのレビュー数を最も多く持つYelpは、毎年12月に翌年の食トレンド予測を発表しています。Yelpにはこの1年間で新たに2,100万件を超えるレビューが投稿されました。その中で、2019年と比較し、この1年間で出現が顕著に増加したワードをYelpのデータサイエンスチームが分析したうえで、2021年の食トレンド予測として発表された8つのフードを紹介します。

Yelpが注目する8つのフードを発表!

Yelpの2021年の食トレンド予測とはどのようなものでしょうか。発表内容を見ていきましょう。数字は2019年からの増減率を示しています。


1. Birria(ビリア) +235%

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ビリアとは、メキシコ中部にあるハリスコ州のジューシーでスパイスのよく効いたミートシチューです。ハリスコ州ではヤギ肉で作られることが一般的なようですが、ヤギ肉に馴染みのない米国では牛肉で作られます。

今年は特に、フードトラックで親しまれていたメニューでしたが、来年はビリアのタコス、ケサディーヤ(トルティア生地にチーズやサルサなどの具材を挟んで焼いたもの)、ピザの具材となって、至るところで楽しむことができるだろうと予測しています。


2. Hard Seltzer(ハードセルツァー) +189%

ハードセルツァーとは、アルコール入りの炭酸水で、日本で言うところのチューハイのようなものです。ハードセルツァーは水とサトウキビ由来のアルコール、そしてフルーツを原料とした炭酸のやや強い低アルコール飲料です。

カロリーが低いこと、グルテンフリーであること、糖質が非常に低いことが健康志向な人やミレニアル世代を中心に多くの支持を集めています。2020年ハードセルツァーの需要が一気に伸びましたが、2021年はさらに伸びるだろうとのことです。


3. Detroit-style Pizza(デトロイトスタイルピザ) +52%

米国の中西部、ミシガン州最大の都市デトロイトスタイルのピザです。デトロイトはゼネラルモーターズのお膝元であり、自動車産業の地として知られています。自動車の街、デトロイトではピザを自動車のドリップパンの上に乗せて焼くようになったことから、デトロイトスタイルのピザは一般的な円型ではなく長方形型をしていることが特徴です。

米国には薄い生地のニューヨークスタイル、ディープディッシュ(チーズの上にソースとトッピングがのっていて非常に厚みがある)のシカゴスタイルと、いくつかのスタイルのピザがありますが、Yelpによると次はデトロイトスタイルがくるそうです。


4. Hot Honey(ホットハニー) +48%

米国には、フライドチキン&ワッフルというメープルシロップをたっぷりかけたワッフルとチキンを一緒に食べる料理があります。

甘じょっぱい味が好まれる米国で新しい調味料としてホットハニーの人気が上昇しているようです。ホットハニーとは唐辛子やハバネロを漬け込んだ蜂蜜で、甘みの中に辛さのある蜂蜜が調味料として使われます。主にフライドチキンやビスケット(米国でいうビスケットはクッキーのようなものではなくパン)、ピザにかけて食べられています。ホットハニーはどんなものにも甘みとスパイシーなコクを加えてくれるとし、いろんなメニューで楽しまれると予測しています。


5. Fried Chicken(フライドチキン) +60%

現在米国では、さまざまなフライドチキンが人気を集めています。サクサクと軽い日本スタイル、2度揚げしてソースを絡めた韓国スタイル、たっぷりのバターミルクに漬け込みスパイシーな衣のナッシュビル(南部テネシー州の都市)スタイルなどがあります。

特に韓国スタイルとナッシュビルスタイルの人気がさらに上がっており、2021年外せない一品になると予想しています。


6. Japanese sandwiches(ジャパニーズサンドイッチ) +97%

米国でサンドイッチといえば食パンに限らず、パンにチーズ、ハムなどの肉類、野菜、ジャムやピーナッツバターのようなスプレッドを挟んで食べるものを指します。ほとんどの場合、サンドイッチは切られていないか、切られていても半分程度と日本にあるサンドイッチと比べると1つあたりのボリュームがとても大きいです。

近年米国では薄い食パンに具材を挟み、食べやすく切りながら中身の断面を見せる日本式サンドイッチに注目が集まっています。

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見た目のかわいらしさからインスタグラムに多くの画像が投稿され、インスタグラムで「#sando」と検索をかけると9.7万件以上、「#sandos」では3.8万件以上の投稿が表示されます。(2020年12月時点)

Yelpは2021年には、数あるサンドイッチの中でも、特にカツサンドを至るところで目にすることになるでしょうとしています。


7. Seafood Boils( シーフードボイル) +65%

エビやロブスター、貝類などを豪快に手づかみで楽しむシーフードボイルは、外出自粛のコロナ禍において、自宅時間を楽しいものにするメニューとしてテイクアウトやデリバリーで人気だそうです。

シーフードボイルとは、丸茹でした甲殻類や貝類をソースに絡めて手づかみで食べます。そのためテーブルにはビニールを敷き、手袋やエプロンの用意が欠かせません。なかなか外に出られず、楽しみが少なくなってしまったコロナ禍において同居する家族とエビやカニなどを囲むシーフードボイルの人気は来年も続くことでしょう。


8. Boba(ボバ) +185%

ボバって何?と思った方も多いと思いますが、実は皆さんもよくご存知のタピオカのことです。ボバはタピオカ自体を指しますが、タピオカ入りミルクティーのこともボバと呼ばれています。

中国系移民が多く暮らすカリフォルニアでは、2000年代初頭から複数のボバチェーンが登場し、都市部を中心に一般的な飲み物として親しまれていました。そのボバの人気が全米で広がっています。2020年は特に黒糖ミルクティーのボバが人気だったようです。2021年にはボバはドリンクだけでなく、アイスキャンディー、アイスクリームやプリンにも登場してくるだろうと予測しています。

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2020年の夏、売り切れ続出だったボバ入りアイスキャンディー


米国都市部では、すでに2020年の夏に、アジア系の人々の間でボバ入りの黒糖ミルクティーのアイスキャンディーがブームとなりました。来年は暑い季節とともにボバ入りのアイスキャンディーブームが全米を席巻するかもしれません。

まとめ

2020年は新型コロナウィルス感染拡大により、食事シーンはこれまでとは大きく違ったものになりました。2021年以降もすぐには収束がみえない中で、次はどんなものが新たなトレンドとなるのか気になるところです。発表された8つの食トレンド予測の中には、日本の唐揚げやサンドイッチが入っており、これらが2021年、実際にどこまでブームになるのかもとても楽しみです。





著者情報

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倉中真梨子
夫の渡米に帯同して、2019年7月より当時0歳の息子を連れて人生2度目の米国生活スタート。美味しいものと体に良いものが好きな食いしんぼう母さんです。
米国生活は通算16年目に突入。現在ピッツバーグ在住時々LA。