非接触のデジタル進化が加速、ドライブスルーサービス

非接触のデジタル進化が加速、ドライブスルーサービス

ファストフード店ではお馴染みとなっている「ドライブスルー」が、コロナ禍で再注目され需要が高まっています。さらに、モバイルオーダーやオンライン決済などデジタルとの連携を強化することで、より接触機会が少なく利便性の高いサービスとして進化しているようです。

コロナ禍でニーズが高まるドライブスルー

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、店内での飲食を回避し、人との接触機会が軽減できることから、テイクアウトの需要が高まっています。中でもとりわけ、注文から決済、商品受け取りまでを車から降りることなく完結することができるドライブスルーのメリットがあらためて見直されています。

また、デジタル化の需要も加速度的に高まってきているため、ファストフードをはじめとする大手飲食店チェーンでは、ドライブスルーとモバイルオーダー、キャッシュレス決済などを組み合わせた、非接触型デジタルサービスの導入を積極的におこなっています。

車に乗車したまま受け取れる
マクドナルドの「パーク&ゴー」

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日本マクドナルドは2020年5月、来店前に公式アプリで商品の注文を済まることができる「モバイルオーダー」と、車に乗車したまま商品を受け取れる「パーク&ゴー」を組み合わせたサービスを全国約250店でスタートさせました。

「パーク&ゴー」は、事前にスマートフォンから「モバイルオーダー」にて商品選択まで実施し、車で店舗の駐車場に到着後、「駐車場番号」を入力してキャッシュレス決済を完了させると、スタッフができたての商品を車まで届けてくれるサービス。従来のドライブスルーのレーンに並んだり、車から降りてカウンターへ行く必要もないので、スタッフとの接触が生じるのは車のウインドー越しに商品を受け取るときだけというわけです。

ケンタッキーのドライブスルーでは
ETC自動決済の運用テストを実施

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日本ケンタッキー・フライド・チキンは、2020年8月からの3ヶ月間、神奈川県相模原中央店に併設するドライブスルーで、車両のETCシステムで自動決済をおこなう運用検証テストを実施しました。

店舗併設のドライブスルーにETCアンテナが設置され、購入した商品の代金は、スタッフの操作で、ETC車載機に挿入されたクレジットカード機能付きETCカードによって決済されるという仕組み。

キャッシュレス決済手段の拡充や、感染症対策にもつながる接触機会の軽減によって、利用客の利便性を高められるほか、決済処理の効率化はスタッフの生産性向上にも期待できるとしています。


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また、日本ケンタッキー・フライド・チキンでは、首都圏の4店舗(南浦和店、溝ノ口店、新宿西口店、中野店)において、モバイルオーダーで注文した商品を非接触方式で受け取れる店内設置型ロッカー「ピックアップロッカー」の試験導入を開始するなど、デジタルサービスの運用へ積極的に取り組んでいます。


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スターバックスの「モバイルオーダー&ペイ」
ドライブスルーでも利用可能に

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スターバックスコーヒージャパンは2020年12月から、来店前に公式アプリから注文・支払いまで済ませておけるサービス「モバイルオーダー&ペイ」の利用を、全国の直営店舗に拡大しました。来店時にはレジに並ばず、事前注文した商品を受け取りすぐに店を出ることができます。

同サービスは2019年6月に東京都内の56店舗でスタートした後、順次導入店舗を増やしていたところ、コロナ禍で非接触サービスの需要が高まり、計画よりも早めた全店導入だとしています。また同時に、ドライブスルーに対応している約300店舗では「モバイルオーダー&ペイ」を利用して、車に乗ったままドライブスルーレーンで商品を受け取れるサービスも開始しています。

テイクアウトが難しかった麺類
ドライブスルーを開始

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幸楽苑では2020年5月27日以降、福島県内4店舗と群馬県内3店舗にて、注文から受け取りまで車内で完結できるドライブスルー形式のテイクアウトサービスを開始しました。

チャーハンやギョーザなどを組み合わせたテイクアウト専用の弁当を中心に、ラーメンも販売。ラーメンの持ち帰りには専用の容器を使い、麺と汁と具材が分かれていて、食べる際に合わせるスタイルなので麺が伸びにくいといいます。

その他にも幸楽苑では、USENが展開する「Uレジ Ticket & Pay」を導入し、入店後に食券の発行と事前決済を済ませるセルフ券売機として運用をスタート。表示言語は、日本語・英語・韓国語・中国語にも対応しています。コロナ禍における感染予防対策として、注文時や会計時の非接触化を図ることで、利用客の利便性向上だけでなく、店舗のデジタル化・省人化につながるとしています。


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くら寿司のドライブスルー
「くるまdeお持ち帰り」店舗拡大

くら寿司では、大阪府内で実験的に導入していたドライブスルー「くるまdeお持ち帰り」サービスの効果が認められ、導入店舗を104店舗へと大幅に拡大しています。

「くるまdeお持ち帰り」は、くら寿司公式アプリから事前に商品を注文決済し、店舗の専用駐車スペースに到着後、車から「到着!」ボタンをクリックすると、スタッフが車まで運んでくれるため、車から降りずに商品を受け取れるサービスです。

宅配メインのピザも
駐車場受け取りを導入

ドミノ・ピザの「スマートドライブスルー」は、持ち帰り利用時の受け取り方法として、利用客用の駐車場がある全国約300店で導入しています。

ドミノ・ピザ公式モバイルサイトで注文・決済を済ませた後、店舗に到着した旨を電話で知らせると、スタッフが車まで商品を届けてくれるため、商品受け取りのために入店する必要がなく、人との接触を軽減できるというもの。小さな子どもを連れていたりなど、なかなか車から降りにくい利用客にも嬉しいサービスです。

withコロナ時代のサービスとして再評価

車での行楽や旅行の際に、便利なロードサイドサービスとして利用されてきたドライブスルーが、withコロナ時代にもマッチするサービスとして再評価されています。今後もテイクアウト需要やデジタル化の高まりに併せて、サービスはさらに拡大していくのではないでしょうか。



writing support:Emiko Tanaka





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