[ミニトマト農家のチャレンジ日記]可能性は無限大

[ミニトマト農家のチャレンジ日記]可能性は無限大

皆さんは、愛知県渥美半島にある田原市を知っていますか? 全国市町村別農業産出額が、5年連続で日本一という農業がとても盛んな地域です。そんな田原市でミニトマト農家を営まれている小川さんに、トマトの栽培方法、農業の魅力と課題、そしてこれからの農業について熱い想いを語っていただく連載コラムです。

はじめまして、小川浩康と申します

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はじめまして、農家の小川浩康です。
先ずは、私がどんな人間なのか自己紹介をさせてください。
愛知県の渥美半島の田原市で、現在私はミニトマトを生産しています。

座右の銘は「やらない後悔よりやる後悔」。とにかくすぐ行動するタイプです。
大学生の時は自転車の旅にハマり、野宿しながら四国遍路八十八ヶ所(兼四国一周1,400km・2週間)や九州一周(1,000km・10日間)の旅をしました。当時はスマホではなくガラケーだったので、地域情報誌と道路看板が頼りのアナログ旅でした。

社会人になってからは、7年連続ハーフマラソン出場、他にもフルマラソンやトライアスロンにも挑戦しました。そして4年間勤めた会社を退職し、農家になる前に2か月半かけて、車で日本一周(15,000km)をしました。

また、小さいころから憧れていたTBSの人気番組「SASUKE」に応募し、見事出場することができました(ちなみに1stステージにて落水です…笑)。とまあ、こんな感じのごく普通の人間です。

農家は「かっこいい」!ミニトマト農家への道

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こんな私が、どうして農家になったのか気になりますよね?ちょっとお話させてください。

もともと私の実家が農家で、生まれた時から身近に農業がありました。小学校の同級生の8割が農家の子どもという地域で育ちました。そのため当時は日本の大半は農家で、サラリーマンが少数だと思っていました。

大学は愛媛大学農学部に進学。愛知県から他県に出たことで、当たり前だった地元の農業のすごさを実感しました。と同時に田原市は全国有数の農業地域でありながら、他県の人は田原市を全然知らないことにショックを受けました。

大学生の頃の私は、家業を継ぐ気はさらさらありませんでした。卒業後は「地元に貢献できる仕事をしたい」と思い、地元の種苗会社に就職。

ではなぜ今、農家をやっているかって?それは、農家が「かっこいい!」からです。
仕事でたくさんの農家の方々と関わる中で、農業に対しての熱い想い、自分の仕事を誇りに思っている姿をみて、「私も農業に挑戦したい!」という気持ちが芽生えてきました。

その一方で多くの農家の方々から、こんなことも言われていました。
「農業継ぐのか?不安定で稼げない農家より、サラリーマンの方がいいぞ」
「もう65歳になるから体力的につらい。息子に継いでもらいたい気持ちはあるけど、儲からない、休みがない仕事を継がせられない」

しかし、農家になりたい気持ちは日に日に大きくなり、気がついたら会社を辞め、農家になっていました。


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また、「ミニトマト農家」ということも、家業を継ごうと思った重要なポイントでした。
実家では今まで「輪菊」を栽培していましたが、私が就農する少し前に栽培する作物を「ミニトマト」へと変えました。

輪菊は100本植えたらどんなに上手な農家でも最大100本しか収穫できません。しかし、ミニトマトは1本の樹から40個とる農家もいれば、60、80、100個以上収穫される方もいます。つまり、「可能性は無限大」なのです。最大値が決まっている作物より、可能性が無限大のミニトマトであることが、私にはとても魅力的だったのです。

お伝えしたい農業の魅力、課題、
そしてこれから。

現在就農5年目になりますが、一言でいうと「最高!」です。

実際に農業をやってみて楽しいことや嬉しいこと、一方で課題も沢山あります。この連載では、そんな農家の考えていることを皆さんに共有できたらいいなと思います。また新しいことに挑戦するのが大好きなので、さまざまな取り組みなども紹介していきます。

農業をもっと身近に感じてもらえるよう頑張ります。それではまた次回お会いしましょう!





著者情報

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小川浩康
大学卒業後、愛知県の種苗会社に就職。4年間社会人を経験し、愛知県の渥美半島の田原市でミニトマト農家に。自転車で四国一周・九州一周。車で日本一周。TBS「SASUKE」にも出場。
https://www.aichi-atsumichantomato.com
https://twitter.com/atsumichantomat