代替えストロー市場は7年で4.9%以上の成長率と予測

代替えストロー市場は7年で4.9%以上の成長率と予測

プラスティック製ストロー廃止の動きとともに、環境により優しい代替えストローの製品開発が進み、市場も急速に拡大しています。世界各国の動きや日本国内で注目される代替えストロー製品について紹介します。

加速する脱プラスチック製ストロー

海洋プラスチックごみの削減や地球温暖化を防止することを目的に、脱プラスチックへの取り組みが加速しています。なかでも、プラスチック製ストロー使用廃止の動きは、国内外の外食チェーンやホテルなどで大きく広がり、環境により優しい代替えストローへの需要が急速に高まっています。

海洋汚染の原因として問題視される
プラスチック製品

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2015年の国連サミットにて、持続可能な開発目標「SDGs」が採択されたことや、2015年に公開され3,800万回以上も再生された、ウミガメの鼻に詰まったストロー片を取り除く動画が、プラスチックごみが及ぼす海洋汚染問題を考えるキッカケとなり、プラスチック製ストロー使用廃止への後押しにもなりました。

ストローだけに限らず、プラスチックはレジ袋や容器などさまざまな製品に利用されています。これらはリサイクルされて再利用されるものも多くありますが、ストローのような小さなものはリサイクルが難しく、ほとんどが使い捨てのごみとなります。

ごみとなったプラスチックは年間800万トンほどが海に流出しているといわれ、回収するのが難しい上に、魚たちがエサと間違えて食べてしまうことも多く、海を汚染するだけでなく、魚たちにも悪影響を及ぼしているとして問題視されています。

各国での規制強化と環境意識の高まり

世界におけるプラスチック製ストロー廃止の動きは、2018年頃からアメリカ、ヨーロッパの大手飲食チェーンを中心に大きく広がりました。2020年1月に、イギリスでは使い捨てのプラスチックストロー、スターラー(マドラー)、綿棒の使用が禁止された他、これらのプラスチック製品の販売を違法とするなど、その規制は年々強化されています。

こうした世界各国の規制や、環境保護に関する生活者の意識の高まりによって、従来のプラスチックストローに代わり、環境により優しい代替えストローというソリューションが、さまざまなかたちで考案され、市場への導入が進んでいるのです。

また、環境問題解決へのアプローチとしてマイストローの持ち歩きに関心を示す生活者も増え、日本国内でも大手コーヒーショップや街の100円ショップにおいて販売商品を多く見かけるようになりました。

環境に優しいストローの市場予測

米国の市場調査レポート会社「Reportocean.com」の発表によると、環境にやさしいストローの世界市場は、2020年から2027年の予測期間にわたって4.9%以上の健全な成長率で上昇すると予想されています。

また、同レポートでは、北米がテクノロジーの早期採用と社会的経済基盤など十分に確立されたインフラ環境により、市場シェアの点で世界をリードする重要な地域であると指摘しています。一方、アジア太平洋地域も、2020年から2027年の予測期間中に最高の成長率を示すであろうと予想されています。

環境に優しいストローは、主に紙などのバイオベースの素材、または再利用可能な素材で作られています。これらの材料には、栄養グレードのガラス、金属、またはシリコーンなどが組み込まれています。今後新しい素材や技術の出現が、さらに市場に有利な機会をもたらすことに繋がります。

日本国内でも製品化が進む代替えストロー

日本国内においても、環境により優しい代替えストローの開発が急速に進み、さまざまな素材を使った新しい製品が次々と誕生しています。

今回はその一部をいくつかご紹介します。


サトウキビストロー/株式会社4Nature


砂糖精製後のサトウキビの搾りかすをアップサイクルさせることで生まれたストロー。
生分解且つ100%天然成分という特徴から、堆肥化させた際にも土壌への影響の心配がありません。

充分な強度もあり、ほのかに香るサトウキビ特有の優しい甘い香りも特長のひとつです。


バンブーストロー シリーズ/BALIISM Japan株式会社


インドネシア、バリ島産の竹100%から作られたストロー。肉厚で強度が高く耐久性に優れているため、洗って乾かせば何度でも繰り返し使用することができます。

竹は成長が早く、伐採しても環境負荷が少ない素材であるとされています。


HAYAMIの草ストロー/合同会社HAYAMI


無添加・無農薬・保存料不使用の完全自然由来のストロー。自然の力だけで土に還ることができます。

草ストローの原料であるレピロニアは、ベトナム・ホーチミン郊外の農村地帯で栽培され、従来は編み物の製造に使われていました。草ストローの普及は、発展途上国の農村に新たな雇用を生み出し、発展途上国支援にも繋がっています。


キャンディストロー/Dlink Straw


キャンディーストローは、パラチニットというお砂糖を使用した体内に入れても安全な食べられるストローです。パラチニットは、近年スローカロリーシュガーとしても注目され、虫歯になりくく、血糖値の上昇を抑えて肥満予防にも効果があると言われています。

液体に触れたキャンディーストローは、ガラスを超えた透明度を放ち、ストローが徐々に溶けることでドリンクにほんのりとした甘さを加えてくれます。


MYSTRO(陶磁器製美濃焼ストロー)/株式会社カネス


日本の伝統工芸である美濃焼の陶磁器製ストロー。マイストローとして衛生的に管理でき、繰り返し使うことができます。

薄さ・細さともにストローとして違和感のないサイズで、ナチュラルデザインのエコストローが多い中で、贈り物としても喜ばれそうなデザインと色柄多彩なバリエーションが魅力です。

進む製品開発

ひとくちにドリンクと言っても、濃度や粘度はさまざまです。スムージーやフラペチーノ、タピオカミルクティーなど、新しいドリンクメニューの登場やトレンドの激しい波に合わせて、代替えストローにも新たな素材・形状・技術が生まれ、今後もますます製品開発が進んでいくことでしょう。



writing support:Emiko Tanaka





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