検索・閲覧データは戦略でどのように活きるのか?

検索・閲覧データは戦略でどのように活きるのか?

フードマーケティングの難しさ。
商品サイクルと非計画購買の壁を超えるには

食品のマーケティング活動は(フードマーケティング)は、業界独特の難しさがあります。

大きくは2つ「①プロダクトサイクルが早いこと」、「②非計画購買」があげられます。
具体的にお伝えすると、1つ目は商品の入れ替えサイクルが早く、市場に製品・サービスを投入してから消費されるまでの過程が、他業界より早いため企業のマーケティング活動を迅速に行わなくてはなりません。更に、飽和状態の日本の食品市場においては、ヒット商品につながる新商品開発が難しくなってきています。

2つ目の「非計画購買」は、住宅や自動車、化粧品のように一定の検討時間を持たないで購買する点です。そのため、プロダクトはもちろん、消費者へ価値を伝えるプロモーションの成果も売上に大きく影響を及ぼします。

この他にも、食習慣・食嗜好では地域やライフスタイルによって消費者の価値観が多様化していることに伴い、全ての消費者に受け入れてもらうことのできる価値は存在しなくなっていることも、昨今の特徴です。

「おいしさ」「安全」「健康」「簡便性」といった顕在的なニーズだけではなく、ターゲットする消費者にどのような価値や満足感を提供できるのかという点が大切になってきます。
そもそもの食志向が「ヘルシー・ヴィーガン・環境配慮」の機運が盛り上がりを見せており、従来の価値観だけでは商品提案が通用しない時代がそこまできています。

一方で、設定したターゲットにとって強い価値を持った商品であれば、最初はわずかな消費者にしか支持されなくとも、それがネット上で瞬く間に広まって評判を呼ぶこともある、それが日本の食品市場の大きな特徴です。

業界のルールが書き換えられ始めた今、これまでのように生活者に選ばれ続けるためには「生活者の課題を速やかに把握し」、「その課題を解決する提案」が求められています。

日本の世帯80%が利用、
膨大な閲覧データが意味するもの

そんな食領域の戦略立案において活用できるのが、クックパッドがもつ「検索・閲覧データ」です。
毎日の料理を楽しみにする”料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」は、月間5,400万人(日本世帯の80%に相当)がアクセスし、2020年1月時点では約320万件のレシピが投稿されています。主に買い物中・買い物前に特売食材で「どんな夕食が作れるか」を調べたり、テレビやSNSで話題のレシピを作るときに閲覧されるなど、料理のライフラインとして、利用されています。

この莫大な利用規模によって、クックパッドには大量の検索・閲覧データがあります。
登録されている単語は12万語に及んでおり、生活者が「いつ・何を調べ・何を検討したのか」がデイリーにわかります。これらのデータを分析することによって、生活者が食に求めていることを迅速かつ正確に解き明かすことができます。

現状、生活者の実態を把握するために購買データ分析が広く一般的になっていますが、購買データはあくまでも「購買結果」のデータにすぎず、購買に至るまでの過程でどんな比較検討がされていたのか、どんなメニューを調理しようとしていたのか、どの商品と比較されていたのかを把握することはできません。クックパッドの検索・閲覧データと併用すれば、購買までの意思決定プロセスを可視化することができるので、購買者の実態やインサイトを探ることが可能になります。

クックパッドの検索・閲覧データは
どのように戦略で活きるのか?

これまでに紹介してきたクックパッドの検索・閲覧データは、フードマーケティングにおいて主に3つの場面で活用いただけます。

◎商品開発での活用
テレビ番組やSNSの影響によるものや、クックパッド内でのレコメンドや回遊を通じて、クックパッドでは年間約5万ものレシピが投稿され、新しいキーワードでの検索もおこなわれています。
こうした新作レシピやキーワードの出現推移を分析することで、今の生活者が求める食材の利用方法や味覚のトレンドを速やかに把握することができ、ニーズに即した商品開発に対応することが可能です。

847_01.jpg

847_02.jpg

(2018年頃からシンプルな炒めものが急上昇中。その背景を分析しています)


◎MD提案での活用
クックパッドでは過去10年以上の検索データを保持しています。過去の同じ週で多く検索されたキーワードを分析することが可能なため、旬の季節食材を使ったレシピを軸とした調味料活用の提案や、流通・リテール企業様に対するセールス提案時の具体的提示としても活用いただけます。

847_03.jpg

(2013年〜2019年の「鍋」の週別検索頻度です。天気などの予報と含めて、いつ頃に鍋の特別棚を立ち上げるべきかなどを提案することができます)

◎広告・販促施策での活用
クックパッドとタイアップした料理レシピ開発や、そのレシピを商品POPなど販促物へ展開するなど、プロモーション領域においてもクックパッドは高い活用価値を持っています。

また、クックパッド上で広告を配信する際には、性別年代といったデモグラフィックターゲティングのみならず、クックパッドの検索・閲覧履歴を用いたユーザーセグメンテーションをおこなうことで、食ニーズを元にしたターゲティングが可能となり、より効果的な訴求をおこなうことができます。

847_04.jpg

(「サッポロ一番」と組み合わせ検索しているキーワード(目的語)のランキング(年別)です。このデータから「サッポロ一番」の喫食頻度UPのための広告戦略を検討し実施しています)


これらにとどまらず、日々新しい取り組みを社内や取引先企業様の知見を生かしておこなっています。具体的な取り組みと活用事例については、ぜひサイト内の他コラムをご覧になってみてください。





著者プロフィール

著者アイコン
アナリスト 五十里一慶
大手市場調査会社にてデータ解析やクライアント企業のマーケティング課題の解決に従事した後、住宅機器メーカーで市場調査・分析業務を経験。クックパッドに入社後、広告施策の効果測定や検索データ・投稿レシピに見られる生活者ニーズに関する分析などを担当。