
生鮮
目指すはキウイの魅力伝達。食卓付近でのデジタル施策
人気キャラクター「キウイブラザーズ」で有名な、ゼスプリのマーケティング部の水谷様にインタビューし、コロナ禍での爆発的なCMヒットの裏で下支えした店頭やSNSで実施したプロモーションについて、前後編の2回に渡ってお話をうかがいました。今回は後編をお届けします。
前編はこちら:https://foodclip.cookpad.com/8477/
売上好調を支えるコミュニケーション施策
コロナ禍でのCMが爆発的にヒットしたゼスプリ。2020年度のキウイ販売量は過去最高の2900万トレイ超となり、2015年度と比較すると約1.4倍に。この販売量を下支えするのは、テレビCMの追い風を効果的に利用したコミュニケーション施策が影響しているといえそうです。
テレビCMや店頭でのメッセージを連動施策に関する前編に続き、今回の後編では、クックパッドで実施したデジタル施策についてお話をうかがいました。
お話をうかがった方
ゼスプリインターナショナルジャパン株式会社
コンシューマーマーケティング
ブランドマネージャー
水谷 かやの 様
テレビCMとレシピサイトとの掛け合わせで、
認知後の理解を高める
ークックパッドとは2018年から一緒に取り組みしていますが、クックパッドに選んでいただいている理由を教えてください?
まず大きな理由としては、クックパッドのメディアパワーです。20代から40代の女性を中心としたユーザー層と、国内月間利用者数5,790万人という規模感が、私たちがデジタルコミュニケーションで求めているものにマッチしていました。
ー“デジタルに求める役割”とはどういったものでしょう?
キウイへの理解促進です。ヒットしたと言われるテレビCMも、生活者がキウイの情報に触れられるのは十数秒と長くありません。そのためキウイというフルーツについて詳しくお伝えするのは困難です。その点、デジタルの媒体であれば深いコミュニケーションが取りやすく、ユーザーにしっかり読み込んでもらえるコンテンツ作りができます。
数ある料理レシピサイトの中でも、クックパッドはレシピを投稿するユーザーとそのレシピを使って料理を作るユーザー、双方とコミュニケーションが取ることができます。さらに、キウイレシピにつくれぽ(※)がついたり、レシピを保存してもらえればキャンペーンが終わった後もユーザーの目に触れます。
店頭や食卓にも近いメディアなので、最終的に買ってから味わってもらうというコンバージョンに繋がりやすい点も大きな強みだと、クックパッド施策をこれまで何度か実施したことで実感するようになりました。
(※)つくれぽ:クックパッドに投稿されているレシピを見て料理を作った利用者が、料理写真や動画とともに感想を投稿するレポート。
ーキウイの理解促進では、具体的にどういったことを訴求されたかったのでしょうか?
機能面では「キウイ=酸っぱい」という長年の味の誤解を払拭したい!栄養素などの健康価値を知っていただきたい!という2点です。
これまでのキウイ体験とゼスプリは違うのかも?と感じていただいたり、おいしいだけではなくて、欠かせない栄養素も豊富であることを知っていただき、トライアルしていただきたいと思いました。その次のステップとして、購入機会を増やすことや大容量パッケージの購入促進です。
998件投稿!レシピを通じた
ユーザー相互のコミュニケーション
ー2020年もバナー施策をはじめ、レシピコンテストもご実施いただきましたね。
2020年度は、SPバナーやカテゴリジャック、あとレシピコンテストを実施しました。クックパッドの中でもレシピを探す時や、特定のキーワードをみているときにゼスプリに出会ってほしいという観点で複数の施策を同時展開しました。
またレシピコンテストでは、ゼスプリキウイを使用したレシピを投稿いただく内容で、期間中に998件もご応募がありました。コンテストのKPIの1つを「レシピ投稿数」としていましたので手応えを感じましたし、ご参加いただいたレシピはどれも私たち企業が思いつかないような自由な発想でとても魅力的なものばかりでした。
レシピコンテストでありながら、つくれぽも付いて、ユーザーさんに投稿いただいたレシピが他のユーザーさんの中でも愛されるようになっていて、投稿レシピ全体のPVも好調でした。
レシピ投稿には「やみつきヘルシー」や「栄養」と言ったワードもみられました。一方的に情報を伝えていく手法とは異なり、相互コミュニケーションができ、ゼスプリと生活者の関係性がより強固になる施策だったと思っています。
ー2020年のクックパッドの施策から、どのような発見がありましたか?
レシピ投稿してくれたユーザーの皆さんの工夫が、私たち企業にとっても刺激になりました。キウイの使い方や新しいレシピの魅せ方などは、私たちが想像していた以上のものでした。みなさん、それぞれユーザーに作ってもらうためのハードルの下げ方を心得ているんですよね。非常に勉強になりました。
また、カテゴリジャックはマスとの相性が非常に良かったことを再発見できました。レシピコンテストと同じく、平均CTRと比べても高い値が出ており、バナーとテレビCMの連携がうまく繋がった結果だと考えています。この要因としては、CMに登場するキャラクターをカテゴリジャックにも使用することで、クリックしたくなったなど、複数あると捉えています。
ー今後、クックパッド広告に期待することなどありますか?
我々が求めるものは店頭での購入数なので、広告に触れた人が店頭で購入したことがわかるような一気通貫の仕組みがあると嬉しいです。クックパッドでレシピを知った人がどういう行動を取っているかなど、トラッキングの面がわかると、施策の効果測定が一層精緻になり、実施する根拠が得やすいかと思います。
ーありがとうございます。さらなるサービス向上を目指して、いただいた内容が叶えられるようトライしてまいります。今後とも引き続きよろしくお願いします。
writing support:Akira Fukui
著者情報

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