レモンサワーがなぜブームに?注目され続ける理由とは

レモンサワーがなぜブームに?注目され続ける理由とは

アルコール市場が縮小するなか、酒類業界の救世主となっているのがレモンサワーです。各メーカーから新商品が相次ぎ、最近ではレモンサワー専門店の出店も増加。コロナの影響が続くなか、宅飲み派からも支持されているレモンサワー人気の理由を探ります。

レモンサワーブームが続く背景とは

お酒を飲まない若い世代が増え、アルコール市場は徐々に縮小傾向にあります。そうしたなか、酒類業界の救世主となっているのがレモンサワーです。

2017年ごろからブームとなり、その後さらなる人気の高まりを見せています。各メーカーからも新商品が次々と発売され、最近ではレモンサワー専門店の出店も増加。コロナの影響が続くなか、家飲み派からも支持されています。なぜ今、レモンサワーが注目され続けるのでしょうか。その理由を探ります。

アルコール離れが目立つ若い世代から支持

日本蒸留酒酒造組合が2020年におこなったアンケート調査結果によると、「直近1年間でレモンサワーを飲んだことがある人」は83.0%。前年の79.8%からさらに増加していることがわかりました。また1杯目からレモンサワーを飲むという人の割合は36.7%となり、なかでも20代で1杯目から飲む人の割合が大きく上昇しました。

参考:日本蒸留酒酒造組合「レモンサワー」アンケート
https://www.shochu.or.jp/lemon/news/2020.pdf


8759_image01.jpg

近年、若い世代のアルコール離れが進み、かつて最も親しまれていたビールも市場は縮小傾向にあります。アルコール離れが進んだ理由には、健康的でないイメージや、アルコール特有の苦みを嫌い、甘みを好むといった嗜好の変化などが挙げられます。

そうした状況において、注目を集めたのがレモンサワーです。人気が続く理由は、その味わいにあると思われます。レモンサワーはビールやハイボールと比べて苦みが少なく、さっぱりと飲みやすい味わいです。蒸留酒をベースに作られるレモンサワーは糖質が少なく、昨今の低糖質ブームにも沿っています。さらに、ビタミンCが豊富なレモンが入ることから、レモンサワーには健康的なイメージもあるようです。

若い世代がレモンサワーに親しむきっかけとなったのが、ここ数年のレトロブームです。「大衆居酒屋」や「横丁」といった雰囲気が人気となり、定番メニューとしてレモンサワーが飲まれるようになりました。中高年が好む印象のあったレモンサワーも、若い世代から人気の芸能人が愛飲していることが拡散され、かっこいい人の飲み物としてイメージが向上。また、若い女性の間にもブームが広がり「レサワ女子」といった表現も登場しています。

アレンジのしやすさも人気の理由

店頭だけでなく、家飲みに取り入れやすい点もレモンサワーブームを後押ししていると考えられます。レモンサワーは蒸留酒・レモン果汁・炭酸水と、シンプルな材料で構成されるため、自宅でも簡単に作れるドリンクです。

炭酸の強さを変えたり、アルコールの割合を変えたり。また、クレイジーソルトやすりおろし生姜などをちょい足しするなど、自分好みの味にアレンジしながら気軽に楽しめるのも人気の理由と言えそうです。

コロナ禍でレモンサワーの人気に拍車

コロナ禍の影響で生活環境が変化するなか、一見関連がないように見えるレモンの需要が高まっています。コロナ禍における健康意識の高まりから、ポッカレモンに代表されるレモン商品の売り上げが好調です。レモン市場が拡大傾向にあるのは、レモンサワーブームも影響しているのかもしれません。

コロナ禍の外出自粛で、外飲み派も自宅で楽しむ「家飲みレモンサワー」を求め、その需要が上昇。各メーカーもレモンサワーの素、レモンサワー専用アルコールの販売を強化しています。炭酸水を用意するだけで自宅でも簡単にレモンサワーが作れ、しかもその味は外飲みと遜色がないもの。手軽さとコスパの良さも、人気の追い風となっているようです。

適度な甘みのレモンサワーは料理にも馴染みやすく、どんなメニューにもよく合うので、食事時の飲み物としても選ばれています。また、さっぱりとした口当たりでリフレッシュ感が得られやすいレモンサワーは、コロナ自粛のストレス緩和という意味でも受け入れられていると考えられます。

レモンサワー専門店が増えている

レモンサワーをメインの売りとする飲食店も増えてきています。専門店としてレモンサワーを提供する店舗の一部を紹介しましょう。


進化系レモンサワーの火付け役「氷結丸ごとレモンサワー」

もともと大衆酒場のスタンダードとして親しまれていたレモンサワー。最近は進化系として、店独自のこだわりレモンサワーを目玉とする店も多く見られます。「立ち呑み処 ふくふく」(横浜・桜木町)では、液体の上に凍ったレモンが何層も縦に重なる「レモンタワー」が乗った「氷結丸ごとレモンサワー」が話題。レモンサワーは全部で5種類提供していますが、来店客の9割から注文を受けるといわれるほどの人気ぶりです。


注ぎ放題の「0秒レモンサワー」

東北産豚肉の新鮮なホルモンを提供する「仙台ホルモン焼肉酒場ときわ亭」チェーンでは、全テーブルに「セルフサワーサーバー」を設置。セルフサービス化することで、注文から提供までの待ち時間を大きくカットし、「0秒レモンサワー」として、好きな時に好きなだけ飲める仕組みを作っています。「ほろ苦ピールレモン」や、「はちみつ仕込み檸檬しらっぷ」など、10種類のフレーバーか生レモンを選び、サワーをつぎ足すだけの飲み放題プランです。外飲みでありながら、自分の好みの味を作りやすい点や、自分でサワーを注ぐというイベント性もあり、レモンサワー好きにとっては満足感の高い時間となるでしょう。


皮まで食べられる「瀬戸内産のレモン」

「瀬戸内レモンサワー専門店 go-go」(東京・赤坂)は、皮まで食べられる瀬戸内産のレモンを使って作った絶品レモンサワーが飲めるお店です。カウンターの壁にはレモンが漬け込まれた瓶が並び、専門店ならではの魅力を語る内装にも注目です。じっくりと抽出し、香り高いレモンエキスを含んだレモンサワーには、皮ごと食べられるレモン付き。レモンシロップ5種類と、ベースとなる蒸留酒3種類があり、好みの味に組み合わせることが可能です。季節ごとに変わる期間限定シロップもあり、レモンサワー専門店ならではのさまざまな企画を開催しています。

新商品やリニューアル品が続々登場!

飲食店だけでなくコンビニやスーパーなどでも、さまざまなレモンサワーが購入できます。アルコール度数が高めのハード系、はちみつ漬けや塩漬けのレモンを使用したものなど、バラエティ豊かなレモンサワーが販売されています。2020年末から2021年にかけて発売された主な商品をいくつか見ていきましょう。


こだわりレモンサワー 檸檬堂 / 日本コカ・コーラ(株)

日本コカ・コーラ株式会社から初のアルコール飲料として発売された「檸檬堂」は、切れ味の良いレモンサワーとして大人気に。2021年1月には生産が追い付かず、一時出荷停止となったほどでした。2020年12月に新発売となった「檸檬堂 カミソリレモン(アルコール9%、レモン果汁9%)」は、甘味料不使用のドライレモンサワーで、従来よりもアルコール度数を高めています。強アルコールを好む人からも人気がある商品です。2021年3月時点で、5つの味が展開されています。


こだわり酒場 レモンサワー / サントリーホールディングス(株)

大衆居酒屋で飲むようなレモンサワーが家庭でも気軽に楽しめる「こだわり酒場のレモンサワー」シリーズ。パッケージデザインも酒場の手描きメニュー風で、レトロな雰囲気が漂います。2021年3月に新発売された「こだわり酒場のレモンサワー〈追い足しレモン〉」は、アルコール度数5%。従来のものより、さらにレモンの果実感が強化されました。さらに、リニューアル版「こだわり酒場のレモンサワー(アルコール度数7%)」と、「こだわり酒場のレモンサワー〈キリッと男前〉(アルコール度数9%)」に加え、「こだわり酒場のレモンサワーの素」もパッケージがリニューアルし、1月下旬以降順次販売されています。


サッポロ 濃いめのレモンサワー / サッポロビール(株)

2021年3月に全国で新発売された「サッポロ 濃いめのレモンサワー(アルコール度数7%)」は、2020年に「居酒屋系レモンサワー」として販売されていた「濃いめのレモンサワーの素」から展開された商品です。同メーカーによる「濃いめのレモンサワー」ブランドは、「“濃い”は、生活を豊かにする。」をコンセプトとして、飲食店でも家庭でも同じブランドの味を楽しんでもらうことを目指して企画されました。


麒麟特製レモンサワー 追いレモン潤沢仕立て / キリンホールディングス(株)

果実を12時間煮込んだ「麒麟特製レモンサワー ~追いレモン潤沢仕立て~(アルコール度数9%)」が2021年1月にリニューアルされました。「うまみエキス」として独自の果実エキスを加え、上質な飲み口に仕上げています。そのおいしさは広く評価されており、ジャパンフードセレクション2020年金賞をはじめ、複数の賞を受賞。今回のリニューアルでは、果汁にほろ苦い果皮を加えた「丸ごと搾り果汁」を使用したことで、さらにフレッシュで奥深い味わいとなっています。


焼酎ハイボール<前割りレモン> / 宝酒造(株)

2006年に発売されたタカラ「焼酎ハイボール」は、チューハイの語源となった焼酎ハイボールを復刻した辛口チューハイとして根強い人気があります。2021年3月に新発売となった「焼酎ハイボール<前割りレモン>」は、ベースである宝焼酎をレモン果汁で割った「前割りレモン酎」を使用。糖質ゼロ、アルコール度数5%と、健康志向の人に受け入れられやすい商品展開をおこなっています。

時代の空気にマッチするレモンサワー

レモンサワーが人気となる理由は複数ありますが、ストレス過多な時代ともあって、その爽やかな風味やすっきりとした味わいが多くの人を魅了させるのでしょう。

専門店をはじめとする飲食店で提供されるものも、各メーカーから販売されるものも、それぞれ味へのこだわりに深みが増し、さらに多彩さを増しています。もうしばらくはブームが続きそうなレモンサワー。さらなる市場拡大に注目が集まります。



この記事が気に入ったらフォロー

ニュースレター登録で最新情報をお届けします!





著者プロフィール

著者アイコン
FoodClip
「食マーケティングの解像度をあげる」をコンセプトに、市場の動向やトレンドを発信する専門メディア。月1-2回配信されるスロー・ニュースレターにぜひご登録ください。