話題のCBDとは? アメリカで存在感が増す理由

話題のCBDとは? アメリカで存在感が増す理由

皆さん、CDBについて聞いたことはありますか?いま米国では急速に市場が拡大し、多くの人々が利用しているといいます。CBDとは、そもそもどのようなものなのでしょうか。今回は、米国在住ライターの倉中さんに話題となっている背景やCBD製品について解説してもらいました。

CBDとは

近年米国では、CBDという文字を目にすることが増えています。パッケージに、CBDと書かれたオイルやサプリメント、グミなどをスーパーでもよく見かけるようになりました。

最近は日本でも、ウェルネスショップなどで取り扱われ始めているCBDについて、説明します。


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CBDとは、カンナジオールという大麻(ヘンプやマリファナ)の種子や茎から抽出される成分です。

大麻と聞くと驚くかもしれませんが、大麻には主に2つの成分が含まれています。ひとつは気持ちを高揚させる精神作用でTHCと呼ばれるもの、もうひとつがCBDです。THCには依存性がありますが、CBDにはありません。

そして大麻の中でも、THC含有量が0.3%以下のものをヘンプ、それ以上のものがマリファナと定義され分類されています。

WHOが2018年にリリースしている「Cannabidiol(CBD) Critical Report」(カンナジオールにおける報告書)によると、これまでにCBDが公衆衛生の問題を引き起こした事例はないと報告されています。

CBDにはどのような効果があるのか

CBDには、主にリラックス効果、抗ストレス効果、自律神経やホルモンバランスを整える効果があると言われています。緊張しているときや、なかなか寝つけないときのリラックス目的、また意識を集中させる目的で使用する人が多いです。

もともとCBDは、医療用大麻の主成分で、痛みの緩和やてんかんの治療に効果があるという研究結果があり、世界の一部の国や地域では、治療目的として長年使用されてきました。

なぜ、いま米国では
CBDの存在感が増しているのか

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ではなぜ、ここ数年米国でCBDの文字をよく目にするようになったのでしょうか。その理由は2つあります。

1.規制の緩和
2018年トランプ政権下で成立した農業改正法(Farm Bill 2018)において、THCの含有が0.3%以下のヘンプが、規制薬物から除外されました。それによりヘンプの栽培、ヘンプから抽出したCBDの製造加工および販売、また連邦政府への栽培・研究開発の助成金の申請が認められました。

背景には、かねてから規制緩和を求める声が多かったことや農業生産者の所得が減少していく中で、彼らの増収の目的があると言われています。また、同法案の成立前から、コロラド州やカリフォルニア州では嗜好用大麻が合法化されており、大麻購入には州税が課されているため、州の税収増に繋がっていたこともヘンプを含む大麻全体に対する関心を高めていました。

2.メンタルヘルスへの意識の高まり
米国では、近年メンタルヘルスへの意識が高まっています。日々膨大な情報やSNSに触れていることで、いつの間にか疲れていたり、ストレスを感じてしまう人も多く、自身の意識を解放してリラックス状態を作るために、CBDを手に取ってみようという人が増えているのです。

メンタルヘルスを保つために重要とされている瞑想をする際に、集中力を高めたり、リラックスしたりする目的でCBDが使われています。また質の高い睡眠を取るために寝る前にCBDを取ることを日課としている人も多いです。

CBDの商品はどのようなものがあるのか

では、その注目を集めるCBDはどのような製品に含まれ、使われているのでしょうか。


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最も多く普及しているのは、CBDオイルです。アロマオイルのボトルのような容器に入っており、スポイトで取り出すものが一般的です。オイルは手首など体に直接つけたり、舌に数滴垂らして摂取します。

次に多いのが、ベイプと呼ばれるCBDの水蒸気を吸い込むタイプです。


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その他にもエディブル(食用)CBDと呼ばれるものには、グミ、チョコレート、コーヒーなどがあります。またサプリメントのようなタブレットタイプのものもあります。


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ヘンプの使用合法化により、さまざまなCBD製品が増えているのですが、CBDは現時点で食品添加物のひとつとみなされており、米国食品医薬品局(FDA)は含有ルールを定めていません。使用されているのがTHC0.3%以下のヘンプ由来のものであったとしても、エディブルCBD製品の摂取がどれくらいまでであれば安全なのかという点がまだ明確にはわかっていません。

そのため、連邦法ではヘンプおよびCBDは合法化されましたが、州単位で見るとCBD含有食品の販売について取締りを強化している州もあります。

今後CBDは広がっていくのか

2021年3月末にニューヨーク州で嗜好用大麻の合法化が可決されました。正式に施行されるとニューヨーク州は米国内で16番目の嗜好用大麻合法州となります。

ニューヨークに深刻な打撃を与えたコロナウイルスの感染拡大により、厳しい財政状況となったことが合法化への動きを一気に加速させました。大麻の購入には州税がかかるため、この合法化によって年間400億円規模の税収となる見込みだと言われています。

連邦法では嗜好用大麻は現在も違法ですが、連邦法より州法が優先される米国において、このニュースは今後のCBD市場に重要な意味を持ちます。

これまでCBDは、THCが0.3%以下とはいえ、全くのゼロではないため大麻が違法である州においては非常に難しい問題でした。コロナウイルスによって財政状況が逼迫しているのはニューヨーク州だけではないため、他の州も合法化していく可能性があります。

今後ニューヨーク州は、嗜好用大麻を21歳以上の成人のみ購入可能とすることや、摂取後の車の運転を禁じるなど、アルコールと同等かそれ以上の規制をかけるそうです。

嗜好用大麻よりも簡単に使用できるCBDのニーズは今後高まり、CBD関連の商品もさらに増えていくのではないかと思われます。





著者プロフィール

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倉中真梨子
夫の渡米に帯同して、2019年7月より当時0歳の息子を連れて人生2度目の米国生活スタート。美味しいものと体に良いものが好きな食いしんぼう母さんです。
米国生活は通算16年目に突入。現在ピッツバーグ在住時々LA。