地球を回復させる食材だけ製造する、パタゴニアの挑戦

地球を回復させる食材だけ製造する、パタゴニアの挑戦

パタゴニアのオーガニック食品コレクション「パタゴニア プロビジョンズ」をご存知ですか?「地球を救うためにビジネスを営む」と宣言する同社の商品について、前後編の2回にわたってお話をうかがいました。今回は後編をお届けします。
前編はこちら:https://foodclip.cookpad.com/8693/

お話をうかがった方

パタゴニア・インターナショナル・インク 日本支社
パタゴニア プロビジョンズ マネージャー
近藤 勝宏氏

1973年生まれ。神奈川県出身。1995年、パタゴニア鎌倉ストアのスタッフとしてパタゴニアに入社。その後、ビジュアル・マーチャンダイジングの立ち上げ、複数のストア、マーケティング部門のマネージャー等の経験を経て、2016年、パタゴニアの食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」の日本担当マネージャーに就任。同年、同事業を日本市場で立ち上げ、いまに至る。日頃からサーフィンやスノーボードなどアウトドア・スポーツを愛好し自然と親しみながら、正しく選び、食べることは人々の健康のみならず、個人ができる最も効果的な気候変動対策として捉え、積極的にメッセージを発信するとともに、自身も自然に則した農法による米作りや農業に挑戦し、より環境負荷の少ないライフスタイルを探求している。

サーモンやムール貝など、
地球を回復させる食材たち

ー前編では、パタゴニア プロビジョンズの事業ストーリーをうかがい、リジェネラティブ・オーガニック農法について理解を深めましたが、後編ではより詳しく商品について理解を深めていきたいと思っています。

パタゴニアでは現在24商品あり、前編で紹介したクラフトビールが最も知名度の高いエントリー商品ですが、他にも「天然サーモン」や「ムール貝」などがあります。わたしたちは土や水や野生生物が回復していくような食品を作っているんです。


ー天然サーモンやムール貝に注目する理由はなんですか?

サーモンは海と森を往来しますから環境循環のパラメーターなんですよね。水質が汚染されると天然サーモンはどんどん消えていってしまいます。現在の米国で最も消費されている魚はサーモンですが、その多くが養殖で、魅力的なサーモンを市場に届けるためには餌として魚粉や穀物飼料を大量に食べさせなくてはならず、”地球への負担”が大きい海産物となっていることも事実です。

養殖ではなく天然サーモンを食卓へ届けるために、私たちは「天然サーモン」を保護しながら個体数を減らさない程度に捕獲して商品にしています。

また、ムール貝をはじめとする二枚貝は、静かに海底から海の水質を改善してくれる立役者なんですよ。殻で周りの海水をろ過しつつ、身を肥らせて人間にはタンパク質やオメガ3脂肪酸、必須栄養素を授けてくれるんです。


ー地球を回復してくれる食材たちをプロビジョンズでは、どんな商品にしているのですか?

天然サーモンは「ワイルド・ピンク・サーモン」で1商品、「ワイルド・ソッカイ・サーモン」から2商品のラインナップです。

「ワイルド・ピンク・サーモン」は北太平洋で育った野生のピンクサーモンをワシントン州ラミ島で捕獲してホットスモークし、黒コショウとレモンで味つけしたものです。


8908_image01.jpg

Amy Kumler (C)2021Patagonia, Inc.


ムール貝はヨーロッパ沿岸の伝統的なレシピをヒントに、スペイン産のオーガニックオリーブオイルやムール貝のエキス、野菜やハーブと合わせています。


8908_image02.jpg

Amy Kumler (C)2021Patagonia, Inc.


ー私もサーモンを頂きましたが、天然サーモンの身が締まっていることに驚きました。サーモンの風味とレモン風味が合って、サラダやパテにぴったりですね。

ありがとうございます、お口に合ってよかったです。商品はもっと日本でも食べてもらえるように、フレーバーや訴求メッセージも今後も改善していきたいと思っています。

“正しく食べる”ためにできること

ー前編と後編にわけて、パタゴニア プロビジョンズの自然環境に対する強いメッセージを知り、私たちも改めて課題意識が強まりました。取り組まれていく中で大変なことはありましたか?

もちろん大変なことばかりでした。特に取り組みを知っていただくところにハードルを感じています。ただとても充実した毎日でもありますね、パタゴニアのビジョンに根ざした取り組みで胸を張ってリコメンドできる事業ですから。これからも一歩一歩、着実に知ってもらえる機会を増やしていきたいと思っています。


パタゴニア プロビジョンズについて詳しくはこちら
https://www.patagoniaprovisions.jp/





著者プロフィール

著者アイコン
FoodClip
「食マーケティングの解像度をあげる」をコンセプトに、市場の動向やトレンドを発信する専門メディア。月1-2回配信されるスロー・ニュースレターにぜひご登録ください。