
外食
飲食店用ドリンクロボット開発で省人化や接触低減を実現
テクノロジーによる持続可能な食インフラの創造に取り組んでいる「TechMagic株式会社」が、飲食店向けにアルコールドリンクを自動で提供するロボットの研究開発をスタートしました。その内容について紹介します。
非接触でハイボールやビールを提供可能に
「テクノロジーによる持続可能な食インフラを創る」ことをミッションに掲げる「TechMagic株式会社」は、飲食店向けにアルコールドリンクを自動で提供するロボットの研究開発をスタートしました。すでに原理検証 (PoC)が完了し、現在は実証実験に向けて調整中で、2021年下半期には実際の店舗に導入される予定です。
このロボットは、アルコールドリンクの提供に必要な最小単位のロボットユニットで設計され、それらを組み合わせることでさまざまな店舗へ導入が可能な仕様になっています。
また、ドリンクロボットが導入されることで、店舗スタッフの生産性向上に加え、コロナ禍においては、省人化による厨房内の密の回避や、食品と人との接触機会の低減を実現し、飲食店の感染症対策にもつながるとしています。
▶ドリンクを作成するロボットの様子:https://youtu.be/jXJvaE82ZMk
ドリンクロボットの特徴
複数のドリンクメニューを1台のロボットで
これまで、ビール・ウイスキー・氷などの専用ディスペンサーは存在しましたが、複数のドリンクメニューを1台で、かつ自動で提供できるものはありませんでした。本ロボットはロボットアームが各ディスペンサーから必要材料を自動で抽出し組み合わせることで、複数種類のドリンクを1台で提供することができます。
1杯30秒を実現
液体が目一杯入ったグラスを移動させる際、高速にグラスを移動させると液体がこぼれてしまうため、移動速度増加による高速化には限界があります。本ロボットの開発においては、移動中のグラスを敢えて傾けることにより、液体がこぼれないようにすることに成功。これにより、ドリンク1杯あたり30秒での提供が可能となりました。
キンキンに冷えたドリンクグラスで提供
本ロボットはドリンクグラスを供給する機構を備え、ドリンクを注ぐ直前でグラスの急速冷却をおこないます。紙コップやプラスチックコップではなく、冷えたドリンクグラスを使用することで、触感のクオリティを落とすことなく本格的なドリンクが提供できます。
飲食店を取り巻く環境について
外食産業の最大のコスト要因は、原材料費と人件費であり、この2つのコストで全体の約70%を占めています。新型コロナウイルス以前は慢性的な人手不足の状況があり、飲食店の持続可能性を考える上で、労働力の確保は大きな課題と言われてきました。
また、新型コロナウイルス以降には、飲食の場で人との接触機会をなるべく低減したいという新たな要求も生まれてきています。
これまでも調理ロボットの開発事業などに積極的に取り組んできたTechMagicでは、調理を始めとする店舗内、厨房内の作業を自動化することで、中長期的な人手不足課題の解決と、コロナ禍での人との接触機会の低減ニーズに応えることで、外食産業の持続可能性を高めることに貢献したいとしています。
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