
食品素材
約9割の企業が関心示す、環境に配慮した食品用容器包材
SDGs、環境意識の高まりやプラスチック資源循環促進法案の成立により、環境に配慮した食品用器具・容器包材への関心が高まっています。そこでFoodClipでは、食品メーカーを中心とした読者の皆さんに関心度合いや自社での取り組みに関するアンケートを実施し、実態について調査しました。
食品用器具・容器包材に関するアンケート実施
食品用器具・容器包材については、環境保全やSDGsへの意識の高まりを背景に、見直しの動きが進んでいます。「脱プラスチック」などのキーワードが注目されるなか、現状から移行する際のメリット・デメリットや、コスト面、品質性、保全性などの懸念、適切な情報と理解が不足している状況も見受けられます。
そうした実態を把握するべく、食品関連企業の従事者をメイン読者層とするFoodClipでは、食品用器具・容器包材に関するアンケートを実施しました。その結果、回答者の多くが環境に配慮した食品用器具・容器包材に対する高い関心を持っていることに加え、既に各企業内では検討の動きがあることもわかりました。
<調査概要>
調査方法:WEBアンケート調査
調査対象:FoodClip読者(NewsLetter購読者)
調査期間:2021年4月28日〜30日
回答者数:125名
回答者属性:食品メーカー・小売・卸等、食品関連企業
6割の企業で再検討の議論
まず、直近1年間で自社商品の包装や資材原料の再検討の有無を聞いたところ、60%が「ある」と回答しました。
検討の理由については、商品のリニューアルのタイミングの他、「機能性の向上」や「コスト削減」以上に、「環境保全/SDGsへの配慮」という回答が数多く集まりました。
近年急激に認知が広がってきた「SDGs」ですが、すでに企業がアクションを変える理由になってきていることがわかります。
「関心あり」は9割超、
今求めている情報とは?
業務での直接的な関与を問わず、関心の有無ついて聞いたところ、91.2%の読者が「関心がある」と回答。その理由としては、「SDGsの取り組みの一環として改善するべきだと思った」が圧倒的な回答の結果となりました。
また、他社の取り組みを見て検討の必要性を感じている、実際に消費者から問い合わせを受けた、を理由とする回答も一定数あり、業務上意識をしなければならない状況にあることがわかります。
具体的なキーワードについて聞いたところ「脱プラスチック」が圧倒的な回答数に。これについては、「脱プラスチック」以外に具体的な他キーワードの認知や理解がまだまだ進んでおらず、キャッチーかつ出現頻度の高い「脱プラスチック」に関心が集中していることが考えられます。
それを裏付けるように、どのような情報を知りたいかの問いについて「そもそもどのような商品があるのか」と「懸念点がなにか」という回答が多く、導入を検討するうえでの基本情報やリスク懸念が共に挙がる結果となりました。
次いで、具体的検討段階となる価格帯に進みつつも、回答者の多くがまだまだ基本情報を欲している段階であることがわかります。
自社の最適解をいかに見つけるかが重要
今回のアンケート調査を通じて、食品用器具・容器包材への関心は高く、多くの企業内では検討が進みつつも、自社での具体的取り組むに向けて基本情報を欲している方々が多くいらっしゃることがわかりました。
一口に「環境配慮」と言っても、コスト面や衛生品質面などはもちろん、長期的な視野で見たときに保存性の高いプラスチック資材をどのように捉えるかなど、扱う商品の特性や製造過程に応じて、各企業における「最適解」が違ってくるのも当然のこと。
先進的な素材原料を用いた容器包材を採用する企業の事例も少しずつ増えてきているなか、さまざまな観点で情報を集め、判断をしていく必要があるでしょう。
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著者情報

- ヒガシナオキ
- BtoB向けWebメディアを運営する会社に新卒で入社し、大手IT企業のメディアを使ったマーケティング支援に携わる。
2019年、クックパッドに法人向けサービスの営業として入社し、社内の営業管理やマーケ施策を並行して推進する中で「FoodClip」の立ち上げに関わり、2020年よりマーケティング専任に。
FoodClipでの担当領域はマーケティング・フードテック周辺。
休日は劇団をやっています。
https://twitter.com/nao181715