ビネガードリンクがこの夏ブームの予感。その人気を解説

ビネガードリンクがこの夏ブームの予感。その人気を解説

以前から、健康意識の高いヘルスコンシャスな人たちの間で親しまれてきたお酢が、近年では「飲むお酢」として新たなドリンクジャンルを確立しています。夏に向けて今後さらに注目が集まりそうなビネガードリンクについて掘り下げます。

ビネガードリンクとは

ビネガードリンクとは、お酢に果汁などを加えて飲みやすく加工した飲み物のことです。果実酢に水や炭酸水、牛乳などを加えて作るのが一般的です。

今やお酢は調味料としてだけでなく、飲み物としても新たなジャンルを確立しています。今年の夏は特に注目されているビネガードリンク、その人気の実態を解説していきます。

どんなビネガードリンクが人気?
おすすめのクックパッドレシピ

クックパッドの検索でも、ビネガードリンクに関する検索キーワードが上昇中です。ここでは、おすすめの人気ビネガードリンクの作り方をいくつかご紹介します。


フルーツ&ビネガードリンク by ミツカンお酢
https://cookpad.com/recipe/6236433
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ミツカンのフルーティスとフレッシュフルーツを使った華やかなドリンク。


ブルーベリー黒酢モクテル by おいしいコープ
https://cookpad.com/recipe/6243982
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CO・OPのブルーベリー×玄米酢と炭酸水を使ったカクテル風のドリンク。


黒酢でドリンク by studioWAONさん
https://cookpad.com/recipe/6348644
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黒酢を豆乳や牛乳で割ったドリンク。


きび酢入りホットビネガードリンク by 奄美自然食本舗
https://cookpad.com/recipe/4888766
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夏でも冷えが気になる方へ、貴重なきび酢を使ったホットドリンク。


バナナの黒酢はちみつドリンク by サクラ印ハチミツ
https://cookpad.com/recipe/3997708
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黒酢にはちみつとバナナを入れたビネガードリンク用レシピ。

ビネガードリンクブーム、その理由は?

数年前から拡大傾向にあったビネガードリンク市場ですが、今年はより一層、ブームの兆しを見せています。その理由として、健康・美容の意識の変化、SNS拡散による人気、季節性・社会情勢などいくつかの要因が挙げられます。


人気の理由1.健康や美容のために

昨年以降、コロナの影響によって多くの人がより健康的な生活を送るために食生活を見直したり、健康効果のある食品を取り入れるようになりました。また、在宅時間の増加でスキンケアに時間をかけるようになったり、素肌や身体の内側からなど根本的な美容ケアに意識が向いたりと、美容意識も高まっています。

こうした意識変化のなかで、ヘルシーな食品のひとつとしてお酢が注目されているのです。


人気の理由2.シーズナル要因

夏は暑さで体調を崩したり食欲が無くなったりと、さまざまな不調が出てくる季節。お酢はそんな悩みの改善にも役立ちます。

お酢には、胃腸の働きを整える、疲労回復に役立つといったさまざまな効果的な成分が含まれています。加えて、酸味が食欲促進につながり料理を食べやすくしてくれるなど、夏バテ対策にも嬉しい調味料。「夏こそお酢を」という季節的な要因も大きく影響しています。


人気の理由3.SNS映えがよい

最近では、果汁を加えて飲みやすさを追求するだけでなく、見た目もきれいな色鮮やかな商品がたくさん出ています。おしゃれなグラスに注ぎ、生のフルーツを添えるだけで、簡単にSNS映えするところも魅力。健康にもよく、おいしく、そして見た目もきれいという点が、若い女性を中心に人気を集めています。


人気の理由4.飲食店での酒類提供停止も影響

今年はコロナ感染拡大防止策として、複数の都道府県において飲食店では酒類の提供が停止となりました。(2021年6月)。そのため、各飲食店ではノンアルコールビールやカクテルの提供に力を入れ始めています。そこで新たなメニューとして登場したのが、さっぱりと飲めてカクテルのような味わいが楽しめるビネガードリンク。単なるソフトドリンクとしてではなく、お酒の代わりとしての存在感も強めています。

ノンアルコールブームも後押し
ビネガーカクテル「シュラブ」

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海外では、英語でマネるという意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」を組み合わせた、ノンアルコールカクテルを表す「モクテル」という言葉が生まれるなど、数年前からノンアルコールブームが広がっています。中でも、ロンドン発の「シュラブ」はトレンドのひとつ。シュラブとは、フルーツビネガーに果物やハーブ、スパイスなど植物由来のボタニカルなフレーバーを加えた炭酸飲料のことです。

アメリカで禁酒法が施行されていた時代(1920年~1933年)には、お酒の代わりとしても飲まれ、当時大流行していました。いま再びブームがやってきています。

夏に向けてさらに人気が高まりそう

毎年、夏の飲み物として注目されるビネガードリンクですが、今年はそのタイミングが前倒し傾向にあるようです。クックパッドの検索データをみてみると、3月頃から検索頻度が大きく上昇しているのがわかります。今後さらに、初夏にかけて上昇していくことが予測されるキーワードです。


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台湾ブームを牽引する「貢茶(ゴンチャ)」が
フルーツビネガードリンクを発売

台湾発の有名ティーブランド「Gong cha 貢茶(ゴンチャ)」でも、昨年夏から新たに韓国発のフルーツビネガー「美酢(ミチョ)」を使ったドリンクを発売。お酢のさわやかさと、見た目の華やかさ、美容や健康への効果も期待され、人気を集めています。

食品メーカー各社もビネガードリンクに注力

こうした流れから、昨今は食品メーカー各社が新たなビネガードリンクのラインナップを取り揃えています。


ミツカン「フルーティス」

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ミツカンと言えば、お酢。ブルーベリーやザクロなど、フルーツビネガーのラインナップが豊富。さらに、2020年新シリーズとして登場したりんご酢ドリンク「フルーティス」も好調。


キユーピー「ビネガークラフトワークス」

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2020年7月にキユーピーが発売したのが、お酒のような味わいが楽しめるビネガークラフトワークス。ビール、ハイボール、シャンパンロゼの3種類で、炭酸水で割ると見た目も味も香りも、それぞれ本物のお酒のような味が楽しめる。


キリンの「熟成ホップ」を使った「HOPLUS(ホプラス)」

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ビール業界大手のキリンホールディングスが、長年研究を進めてきた「熟成ホップ」を使った事業展開を進めるINHOP株式会社と株式会社TRINUSによる共創で誕生した「HOPLUS(ホプラス)」。キリンの10年にわたる研究から生まれた「熟成ホップ」×「果実酢」という新発想で、苦みとさわやかさが特徴的な大人の味。

トレンドドリンクはヘルシーがキーワード?


今年のトレンドドリンクのキーワードは健康、つまりヘルシーさです。食品だけでなく飲み物のジャンルにおいても、ヘルシー志向はより広く、深くなっていくと予想されます。

今回のビネガードリンクをはじめ、近年人気のクラフトコーラやオーツミルクのように、健康効果の高いもの、よりナチュラルな原料や成分で作られたものを、といったこだわり志向もさらに強くなっていくのではないでしょうか。



writing support:Miyuki Yajima



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